71 / 76
71: 今日はお仕置きの日、と君が言ったから○月○日は……。
しおりを挟む「……んぅ…?………う"~~~……体がぉ"も"ぃ"~~…。」
「おはよう、ネオン♡」
ふ、と意識が浮上したものの何だか凄く体が重怠くて、思わず呻けば優しいジュリアの声が、柔らかなキスと共に降ってくる。
それが嬉しくて、俺はニンマリ笑って俺の顔の横に手をついて見下ろすジュリアの首に腕を絡めた。
小さく「よっ…と」と呟く声と共に優しく上体を起こされ、炭酸水に軽く潰したミントとライムを加えたノンアルモヒートを差し出される。
……んく、んく、んくっ……っはぁ~~♡
キンキンキリリと冷えた炭酸水とミントの爽涼感、ライムの爽やかな酸味がすぅーっと重い体を軽くするようで。
そんな俺の横顔を見詰めるジュリアの瞳が慈愛に満ちていて。
俺は何て幸せなんだ、と、寝起きの頭で沁沁噛み締めた。
「……さてと。
じゃぁ、今日は1日たーーっぷりお仕置きしてやろうな♡」
そんなだったから、まさかジュリアからそんな事を言われるなんて思ってなくて。
俺はポカンと口を開けて固まった後、自分の耳が信じられなくて聞き返してしまった。
「…………え?……なんて??」
「お・仕・置・き♡ お仕置きだよ、ネオン。」
「お仕置き………。」
と、言われても……何が何だか判らない。ていうか今起きたトコだし。俺ナンもしてなくない??
俺の表情から考えてる事でも察したのか、ジュリアが寝癖で跳ねる髪を一房耳の後ろにかけ、頬を撫でながらゆっくり俺の瞳を覗き込む。
「昨日のコト、覚えてないのか?」
昨日のコト……昨日のコト……?
えーと、多分デビュタントが昨日だよな?
ジュリアの言葉を反芻しつつ、記憶を手繰り寄せる。
馬車で二人でピカピカに装ってお上品にデビュタント会場に向かった筈なんだが、出てくる記憶が何だか……飲んで、騒いで……歌って、踊って……飲んで……ピアノの叩き弾いて……何か令嬢とか騎士に踊れと喚いて……ぁれ?
『うぉーーー!ジュリアー!踊れ踊れー!ひっく♪』
『ハハッ……楽しいデビュタントになった様で良かったよ…。』
『まだまだ夜はこれからだーー!う"っ……!?』
『ああほら、飲み食いし過ぎなのにはしゃぐから…ほら、落ち着いて…今日はもうお休み。ゆっくり寝て……』
『う"ぅ"~~……まだ寝ない…マダ、…マダ……してな……』
う"わ"っ!!何か管巻きながら抱っこでアパートに連れ帰って貰った記憶ある……!それに………。
『今日は大事なお貴族様のデビュタントだからな、酒は無し!
……そんな顔するなよ~。ネオン酔うと繁華街のノリで騒いじまうだろ?ちゃんと御褒美も用意してるから。……仕方無い。何か見た目カクテルっぽいモノを作ってきて貰うから、フードエリアに先に行ってて。』
『いいか?酒を飲んだらお仕置きだからな~♪』
とか言われてたのに、俺、デビュタントで酒飲んじゃってない???
「思い出してきたか?」
次から次へと甦る泥酔大暴れ記憶に冷や汗が噴出する俺を察したのか、ジュリアがクスリと苦笑い混じりに俺の顔を覗き込む。
「ぁゎ、お、俺……ゴメン、ジュリア…飲まないって約束したのに……。」
モゴモゴと謝る俺の頭をジュリアが笑って撫でる。
「まぁ、スッゴく楽しいデビュタントになったみたいだから、もう良いじゃないか。さ、落ち込むのはもうヤメヤメ♪今日は楽しいお仕置きデーだーー!」
「ウヒャッ!?ヒャーーーハハハハ!やめて!あ!ヒャハハハハハ!」
しょんぼりした空気を吹き飛ばすようにジュリアが俺に襲いかかり、全身をこそばされ、俺は暫く笑い地獄を味わった。
お陰で暗い気持ちは吹き飛んだが、呼吸困難で死ぬかと思った……!
ーーーーー
ーーー
ー
「で、これが……お仕置き?」
俺はソファでゆったり寛ぎ、ニマニマしてるジュリアを見返し、震える声で聞いた。滅茶苦茶スースーする。
「むふふ♪いー眺め♡さ、働け働けー♪」
「ぁゎゎ、変態だ。ジュリアは変態だ…。」
ハタキを持っておずおずと本棚に向かえば、追尾する視線をひしひしと感じる。
その羞恥と身を包むジュリアのフェロモンに、うっかり元気になろうとしている俺の俺に、俺は素数の呪文を掛けて黙らせようと奮闘した。
俺は今、全裸にジュリア脱ぎたてホヤホヤのサーモンピンクのシャツを着ただけという無防備極まりない格好で掃除をする罰を受けていた。
「くぅ……。」
本棚の上の方にハタキを掛けようと背伸びすれば、シャツが上がり、尻が少し見えてる気がしてならない。
こそこそとシャツの裾が尻を擽り、俺は一生懸命左手で裾を引っ張って尻を隠しながらハタキを掛けた。
「…………♡」
ちらりとジュリアを見れば、可笑しそうに身悶えするジュリアの剥き出しの上半身とちらりと見えた腰骨に当てられ、俺は慌てて掃除に集中することにした。
(睨んでやりたいが、上半身裸ジュリアは目に毒だ!)
14
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる