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後期!
203: 体ガタガタ地味令嬢は西訛令嬢と悪役令嬢のゴタゴタに首を突っ込む。
しおりを挟むゆうべはお楽しみでしたね。
そんなテロップがポツポツ音と共に出るんじゃないかって位、朝までヤりまくってしまった。のに、
今日は平日でーーす。
へう~~~……。メソメソする。
辛いよう、眠いよう……。
マンスター2本飲んでたアレックスは超絶元気そうだったけどね。
あー、ほんと、
目覚ましが鳴った時のアレックスのキョトン感。
あれだけ私をヒィヒィいわした癖に、けろっとしてて。
「え?朝?」
って、いっぱい寝た爽やかな寝起きみたいな顔で言いやがった。
アレックス………恐ろしい子……!
いや、マンスターが恐ろしいのか……。
マンスターに朝鮮人参とガラナが入ってたからって、
暴れマンドラゴラと、ウォーキングウッドの種とか入れんかったら良かった。
どっちも滋養強壮の漢方らしいけど、めっちゃ利いてるやーん。
超人にエナジードリンク、ダメ、絶対。
元気ハツラツ☆アレックスさん、
朝だからと朝御飯用意して、
私を甲斐甲斐しく風呂入れて、
朝御飯食べて食べさせて、
エスプレッソ飲んで飲ませて、
ビシッと着替えて、頬っぺにチュッ♡てして出ていった。
2時間後に授業ある私の為に、爆音目覚ましセットするのも忘れてなかった。死ぬかと思ったゎ。
あー。体しんどい。
マンスター2本飲んで頭だけフェーーイ☆ってなってるナウ。
現在、何とか授業終わって寮に着いた所でへーす。
ん?談話室がなんか妙な雰囲気。覗いてみるか。
「あなたがバレリー・クレイ男爵令嬢ですわね?サンストーン様のお名前を騙ってチンケな商売をしているという不届き者!」
「え?何の話ですん?
サンストーン様のお名前を騙ったりなんてしてませんよ。
イヤやわぁ。人聞き悪いわぁ。」
「とぼけても無駄ですわ。日焼け抜きの魔法薬、サンストーン様から分けて頂いたかの様な口振りで売り付けてるらしいじゃない!」
「あー、あれかぁ。
勝手にシェアするのは、大きな声で言える行為じゃないから、
お名前を伏せてますけど、伯爵家と言ったらパッと思い付くよーな有名なお家の方から分けて貰ろたって言っただけで、
サンストーン様とは一言も言ってないですよ?」
「アテクシが聞いたらそうだと言いましたわ!」
「あー、あんた、あんときの。
何や、あれ引っ掛けるつもりやったん?
サンストーン様かって聞くから、そんなお家やって言うただけで、サンストーン様とは一言も言ってないで。」
「ハッ!サンストーン様位有名なお家だなんて、
ムンストーン家位ですわよ!?
一体、何処の誰から頂いたとおっしゃるおつもりでして?」
どうやら、サンストーンとその取り巻き令嬢二人が、
バレリーに小遣い稼ぎを問い詰めているようだ。
バレーは苦ーい顔をしている。面倒だろなー。
意外なのは、サンストーンも、どーでもよさそーな顔してツッタッテルってこと。
お前なぁ、ちゃんと手綱を握らんから取り巻きが暴走するんだよ。
「………………呼んだか?」
仕方無いので声を掛けると、令嬢達がモーゼの海みたいにバッと割れた。
その花道を、騒ぎの中心に向かう。
「ムンストーン!……ごめん。………ほんま。」
気にすんなよ、と肩を竦めて、マジックボックスからマンスターを出して渡し、座ってるバレリーの肩に手を置く。
「……!…ム、ムンストーン様…!ご機嫌よろしゅう。
……あの、ムンストーン様はクレイ男爵令嬢とお知り合いなんですの?」
「そうだな。個人的な友人だが。何か?」
カシュ!カシュッ!と缶を開ける音が響き、バレリーと二人、ストローでマンスターを飲みながら取り巻き令嬢を見返す。
周りからマジックボックスだ、という囁きがさわさわと起こる。
判る、判るよ。
私もアレックスのマジックボックス初めて見た時感動したもん。
令嬢の、しかも次女がマジックボックスを持ってるなんて、さぞかし金満に見えるだろう。
目の前の取り巻き2人も、幾ら、歴代王家に娘を嫁がせてる名家の取り巻きだからと言っても、
その名家と対を成す金満名家の令嬢には強く出れないようだ。
いや、そもそも、取り巻きがえらそーにしてる時点で間違ってるんだけどね?
「ム、ンストーン様はご存知でいらっしゃいますの?
クレイ男爵令嬢は、日焼け抜きの魔法薬を切り売りしてますのよ!?」
「私の提案だよ。
日焼け抜き、金持ってても男爵令嬢じゃ商会を呼べないって聞いたんでね。
5人で共同購入すれば、男爵令嬢達でも届かない値段じゃないだろう?
少し値段を上乗せしてるのは、最初に小金貨3枚で魔法薬を買い取るバレリーにリスクがあるからだ。
それに、手間賃程度だろ。塗り方なんかも教えてあげてるし。」
わー。ぐぬぬって顔してる。ぐぬぬって!
「まぁ、ムンストーン様は身分の低いお友達が沢山いらっしゃるのね。ホホホホホホホ……」
「ハハハ、性格の良い子とだけ仲良くしてたら、
そうなっただけだよ。」
あんた……もう少し令嬢らしく喋りーや。令息みたいな喋り方やん。
バレリーの小声のお小言が聞こえる。
だって人付き合い避けてるから、会話ってビジネスばっかで、つい、令息っぽい喋り方しちゃうんだよね。
取り巻き2人は顔真っ赤、相変わらずサンストーンはどーでもよさそー。はーぁ。
「私は、勝手に人の名前を使って、
誰かをリンチしようとするよーな友人は不要だと思ってるから。」
サンストーンを見つめながら言えば、どーでもよさそーな顔の、片眉がぴくりと反応した。
もう行きましょう、サンストーン様、とキーキー喚く取り巻きを無視して言葉を紡ぐ。
「なぁ、お前達の中で一番身分の高い者は誰なんだ?」
「「なんですって!?失礼な!!」」
「そこは、サンストーン令嬢に決まってるでしょう、だよ。
本当に身分を忘れてるのはお前達だろ……。
サンストーン、いつもお疲れ様。はい、マンスター。
いつも、特別な子にはストロー付けたげるんだ♪
お妃教育とか、婚約とか、色々大変だろ?
向こうも楽しんでるんだ、お前も別の事を楽しんだら良いと思うよ……。もっと、気楽に、さ。」
サンストーンは、渡したマンスター六缶パックストロー付きと私を交互にしげしげと眺めている。
「こーゆー時に代わりに持つのが付き人ポジの役目なんじゃないのか?」
そう言ったのに、取り巻きは持とうとせず、
サンストーンは六缶パックを大事そうに抱えて無言で退室した。
「ふぁーーー!ムンストーン、ごめんなぁ!
にしても、ストローくれるんは特別なんか……。
ふふ、うれしー。」
「いーよ。気にすんなよ。お疲れ。
…………まぁ、仲良い子と仲良くなりたい子に渡す程度の特別だけどね。
じゃ、私も部屋に戻るから。」
「はいはい、どもー。
ほんなら、日焼け抜きの分けっこ再開しよかー。」
わぁー!と下位貴族令嬢達が喜ぶ声を尻目に、ヨロヨロと部屋に戻った。
筋肉痛に五階は辛い!
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