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最終章
共犯者だった日々を振り返って
世界の北方に位置するは、ダイヤノクト国。山々にも囲まれている寒冷地でもあった。王都は山の上にそびえ立つ。
ダイヤノクト国。優れた王が統治する、治安が良い国だった。犯罪も軽微なるもので、重罪にあたるものは、起こることもない。平和が約束された国であった。
信仰を集めるのは――『春の女神』。冬に包まれるこの国に春をもたらす女神であり、偉大なる存在であった。
そのふもとをさらに南に向かうとあるのが、エーデル村。
カナリア色の長い髪の少女、シャーロット・ジェムもその一人だった。
孤児院出身の彼女は、独学で学んだ魔法学や薬草学を用いて、小さな店を構えていた。厚意と出世払いによって、格安で店を借りることが出来ていた。
シャーロット・ジェムは、生まれた時からある特徴があったという。これは、小さい頃にきかされた話だった。
『――その力はあなたを守るもの。そして、誰かを傷つけるも容易いもの。決して、忘れないで』
シャーロット・ジェムが持つのは、氷の魔力だった。生まれた時から備わっていた力だ。幼い頃はコントロールをするのに苦労していたほどだった。
生まれ変わりのシャーロット・ジェムは、時に不思議な夢を見ていた。自身が鳥籠の中に囚われている夢。生まれた時からそうだった。
鳥籠にかけられた錠前たち。シャーロット・ジェムを逃しはしまいと主張しているようだった。そう、迫るのは死のみではない。
――執着ともいえた。強い思いもそうだった。
平和な日々を過ごしていたのに、突如訪れたのは死だった。
何度も続く、逃れられない死。そのままシャーロット・ジェムの生は終えると思われた。しかし、日々が巻き戻っていることに気がついた。今度こそ生き残れるように、未来を見られるようにと奮闘していく。
死を迎える度に、繰り返される日々。やり直しという形で、訪れる死を止めようとしていた。それは私たちの生存にも繋がる事だった。
被害者はまたしても――女神の巫女であるクラーラ・メーディウム。
……いいえ、そういうには複雑な事情があった。私は知っていくことになる――女神の巫女の生誕にまつわること、その闇の部分を。
とある人物の編入によって、様変わりしていく学園。私には似合いもしないカーストトップ、『女王』となって、その人と関わっていくようになった。
日々を繰り返していく内に、その人物の思いが積もっていっていたんだ――生きたいと、存在が許されたいと。
その思いが引き起こしたのが――『クラーラさん』の殺害だった。私も『共犯』したも同然で……。
けれども、そのままにするわけにはいかなかった。私たちは新たな女王となったクラーラさんと対峙することになった。
私は協力者たちと共に奮起した。そうして乗り越えた先に、ようやく望む未来が訪れた――わけがなかった。
乗り越えた先にあったのは――ある人物の死。その人の犠牲があってのこと。
さらに絶望が叩き落としてくる。繰り返しの日々は――『黒幕』の都合によるものだったこと。取り返しのつかないルートを辿らされていたと……。
目の前が真っ暗になった私。そこで助けにきてくださったのが先生だった。先生のおかげで私は救われた。
先生だけじゃない。みんなは諦めてなかった――やり直せる術があるのだと。
浮かない彼らが気になるものの、今度こそ間違えないようにと誓うのだった――。
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