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最終章
エピローグ――私が望んだハッピーエンド!
玄関の扉を開けると、爽やかな風が吹いていた。草木の匂いもする。春だなぁ……。
空を見上げた。君が見守ってくれてるであろう、空を――。
「――みんな、笑ってるね」
「……!」
白い光が生じていたかと思うと、さらに強く発光していた。私はその眩しさに目を瞑ってしまう。
「歩いているとね、笑い声が聞こえてくるの。楽しそうなの……僕も嬉しくなってくる」
「あ……」
舌ったらずで、子供のような声。鈴が鳴るような声。
「あのね、僕、強く願ったの。お願いもしたの――地上に向かわせてくださいって」
へっへっと呼吸する音。彼の笑い声。
「そうしたらね、たまになら巡回してもいいよって。地上に行っていいよって、女神様が許してくれたの」
つぶらな瞳のモフモフワンコ。純白の子犬。
「今の僕なら、もう大丈夫だって」
優しくて、勇気がある子でもあるんだ。その強さに、私は救われてきたから。
「――あのね、シャーリー。会いにきたよ」
大きくジャンプして、私に飛び込んでくるのは――。
「リッカ!」
私の大好きな、大好きなリッカ……! このぬくもりも、モフモフも本物だ……!
「えへへ――ただいま」
「……っ」
そう、そうだね。リッカ、そうだね……。
「おかえり、リッカ――」
君の体、私の涙で濡れちゃうね。ごめんね。それでも今は、抱きしめさせてほしいの――。
私の腕の中にいる、小さなモフモフワンコ。偉大なる女神様の眷属。
私はこの子と共にいられる未来を選んだ。ずっと望んでいた未来だったから。
私を守る指輪は壊れてしまった。新天地へと飛び立つことになる。不安なことばかりだ。
途中に、いくつもの選択肢があったと思う。選択肢――誰かの手をとっていたら。共にいることを選んでいたら。
私はどうなっていたかはわからない。選ばなかった道、もう知る由もないことなんだ。
いいの、私はこの道がいい。この道を歩み続けたい。
これが私の至上の幸せなの。最高のハッピーエンドなんだ。
氷の世界でも、ぬくもりは存在している。私が生きていく世界だ。
――元薬屋の店主、シャーロット・ジェムとして。
私はこれからも生きていく。
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