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第一章
モフモフを捜せど……
学園の正門までやってきたはいいけど、閉門していた。先生はおかしいと言う。
「この時間帯ならな、普通に開いているんだ。すみません――」
先生は門番兵に尋ねていた。回答をもらったようで、戻ってきた。
「……あのな。今日も猛吹雪ということで、外出禁止令が出ているとのことだった」
ここだと実感わかないけどな、と先生は教えてくれた。
「そうですか……」
としか言えなかった。私は店も気になるけど、駄々をこねるわけにもいかない。某幼馴染のように裏口を使うという強行までは及ばない。
「もう一周するか?」
「いえいえ! もうさすがに悪いです。先生もせっかくのお休みですし」
「まあ、そうなんだよな。となると、寝だめするくらいなんだよ」
「寝だめ、でしょうか」
私がふと反芻すると、過剰に焦ったのは先生だった。弁明するかのような?
「ああ、違うんだ。俺は休日前に徹夜してでも業務を終わらせるタチでな。昨日の時点で寝だめは済んでいるぞ」
「はい……」
う、うん?
「……あれだな。猛吹雪の件で生徒への注意喚起もしないとか。他にも連絡事項とか、だな」
休日とはいえ、本職の仕事をする気になったよう。寝だめはいいのかな。
「はい、お疲れ様です」
心の中ではご無理をなさらずと。
「どうもな。シャーロットはどうするんだ? 女子寮の子らと遊ぶか? ああ、男子寮はおススメしないぞ。アルトみたいのが大量にいるからな」
「アルトみたいなら平気ですけど……」
騒がし……賑やかってことでしょ? あと話しやすいとか? でも先生、難しい顔をしていた。例えも良くなかったって、ごちてもいる?
「図書室、解放されてましたので。本を読んで過ごしたいです」
といっても、面識のない男子とか余計にハードルも高いから。私は大好きな本にも囲まれていたかった。
「……そうか。あの連中のところに行かないのなら」
「先生。私には男の子のとこに遊びにいく度胸ありませんよ。話してくれるのは同世代だとアルトくらいですし」
……自分で言っていて悲しくなっていた。自虐にまで走ること、なかったかな。
先生とならスラスラ話せるのは、あえて言わなかった。うん、先生は慕われるのも納得の方だから、誰に対しても話しやすいんだと思う。
「まあ、そういうことにしとくか。じゃあ、顔出しくらいはするからな」
「気が向いた時にでもお願いしますね」
私は社交辞令で返した。受けた先生は微妙な顔をした。眉間にも皺が寄っている……?
「絶対に顔出してやるからな。よし、さっさと切り上げてやる」
むっとした先生はスタスタと歩いて去っていった。私からは声をかけようもなく――。
先生と別れた後、私は図書室には向かわなかった。捜し歩いていた。
あのモフモフのことが気になったから。
よく野良が紛れ込むとはいっても、あの犬以外を目にすることはなかった。
「いないね……」
ひたすら歩くも、やはりその姿は無かった。この猛吹雪の中出て行ったことはないと信じたい。この学園に留まっていた方があの犬も安全のはずだ。
「……行こう」
私は本校舎の図書室へ向かうことにした。
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