春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第一章

女神を愚弄した罪か


「――そこまでだ、真犯人」

 私を拘束していた隊員に無理やり立たされた。私は両腕を片手で封じ込められていて。

「どうして……!?」

 私は氷の魔力を発動しようとも、それが出来なかった。何回も試しても、何回抗っても……!

「……人質か」

 モルゲンが吐き捨てるように言った。近寄ったアルトが先生に話しかけていた。

「――兄貴。少しでいい、隙を作って。奪い返すから」
「わかった」

 弟のアルトは自信があるようだった。少しの間でいい。それさえあれば可能だと。それは過信ではないと判断したモルゲン先生、従うことにしたようだった。兄弟が動き出そうとするも。
 ――それはほんの少しの時間だった。一瞬ともいえるよな。

「人質? ――死が決まっている身に?」
「え――」

 あっという間だったのだ――シャーロット・ジェムの一生を終わらせたのは。

「我らが女神を愚弄した――その罪は死をもって償え」

 拘束していた金糸雀隊が、迷いもなく――私の心臓に短剣を突き刺した。飛び散るのは血……?

「次はお前達だ――共犯者共が」

 地面に倒れた私は薄目のまま……生の終わりを迎えようとしていた。

「……」

 声が、言葉になってくれない。もう、何も伝えられない。

 また、またなんだ。私は自己嫌悪に陥っていた。冬花の時とは変わりない。

 また……大切な人達を巻き込んでしまうの。それだけは嫌なのに、避けるべきだったのに。

 どうして。どうして、逃げてくれないの。

 アルトが絶叫していた。狂乱しながら、金糸雀隊に斬りかかっていた。だが、取り押さえられ、彼もまた……トドメをさされていた。

 モルゲン先生は……彼は放心しながら、それでもこっちに近寄ろうとしていた。冷たくなった私に触れようとしたところで――無慈悲な刃によって、それは叶わなくなった。

 あの子は吠え続けていた。ああ、逃げて。そう願っても、鳴き声ももう聞こえなくなっていった――。




 時は0時を回り、日付が変わった。

 ゴーンゴーン。鐘の音が国中に響き渡った。顛末を告げる音。

 ――女神像破壊の犯人。シャーロット・ジェムは処されたと。

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