春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第一章

アルトと学園デート~乙女編~

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「ね、シャーリー美味しい? ほおばるシャーリー可愛いなぁ」

 学園の購買部は休みということで、外の売店でフルーツサンドを購入した。ベンチで並んで座り、食べている。というより、食べているのは私だけ。
 アルトの食は進んでない。胸がいっぱいでとのことだった……いいのかな。



「湖、綺麗だねぇ。シャーリーはもっと綺麗だけど!」

 アルトは自分で言って、一人で照れていた。私たちは湖のほとりにいた。澄み渡った湖を、二人並んで眺めていた。
 晴れの時に見せたかったとアルトは言っていた。確かに今は曇り空。今頃外も吹雪いているよね。



「温水プール! 今回は外側から見るだけだけど。水泳部が練習してるし、水着まで用意されてないでしょ? シャーリーの水着姿とか。ああ、にやける……駄目だ、妄想禁止!」

 こちらの世界に温水プールがあることに驚いた。それもあって、アルトの話を聞いてなかった。
 ごめんと聞き返そうとすると、アルトは羞恥プレイを強要されたと嘆いていた。ちょっと距離を置きたくなっていた。



「ほら見て! 綺麗でしょ? ふふ、花と戯れるシャーリーは良いなぁ……ずっと見ててぇ……」

 そこに至るまでに長い階段があった。実際は自動階段となっており、私たちを乗せて進んでいった。
 そこは空中庭園。季節関係なく、色とりどりの花が植えられていた。空も近く、上から見る景色は絶景あった。



「――で、ここが鈴が鳴る樹。この樹の下で両想いになった二人は、永遠の仲になるんだって……!」

 木々に鈴が鳴っている幻想的な空間に連れてこられた。風の音と共に鈴が鳴る。耳に響く良い音だった。アルトはちらちら私を見ていた。

 これまでを振り返った私の素直な感想――アルトは乙女だなと。

 アルトが案内してくれたこれらのスポットは……見事にデートスポットだった。先生が案内してくれた場所と被った場合、初めての振りが出来るか心配だったけど……杞憂だった?

「いいよなぁ……でもなぁ……」

 アルトはまだ、ちらちらこっちを見ていた。



 学園の通り道を歩いていた。曇り空で時間の感覚が掴めないけど、もう夕方になっていた。もうじき夕飯時、散策の時間は残り僅かとなっていた。

「あともう一箇所くらいかなぁ……」

 一日かけて学園を巡った。ところどころ休憩を挟んでくれたので、私の負担はそうはなかった。あれだけはしゃいでいても、アルトは私のペースを尊重してくれていたんだ。うん、アルトはそういう子なんだよね……。

「一箇所か……」

 気になっていたのは、学園の自治委員会の存在。前回は先生に案内されていた。会っておくべきかと思ったけれど。

『――貴女は大罪を犯しました。よって、連行します。シャーロット・ジェムさん?』
『悲しいものね――誰も、あなたを証明できないのよ』

 カイゼリン様も。

『――是非とも、シェリア様は信用なさってください。あの方は信用に足る方です』

 リヒターさんも。

「……」

 自治委員会はこうだった。会うべきなの……? 会うとしても、今から行っても遅い時間ということもあるよね、せめて明日に――。

「……シャーロット? 疲れた?」

 私、ぼうっとしていたのかも。それをアルトは心配そうに見ていた。

「アルト……」

 まだ時間があるというなら。私はアルトと話がしたかった――前に起きた事。繰り返されるであろう事を話そうと。私はそう決めた。
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