春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第一章

純白モフモフワンコ



 最初は暴れていたリッカ、私はじっくりと慣らしていった。お湯を少しずつかけて、まずは水に慣れさせる。リッカが慣れてくると、ゆっくり洗っていく。シャンプーの良い香りがする。
 リッカはすごい顔をしながらも、大人しく洗われていた。


 
 私たちはソファの上にいた。暖炉の前、一番暖かい場所だ。ドライヤーのような器具をあてながら、タオルで水分を拭きとっていく。リッカはこれは気持ち良かったのか、うっとりしていた。

「すぴー」
「ふう」

 時間をかけてリッカを乾かした。そこには、至福の存在があった。
 薄汚れていた毛は、リッカ生来の純白のものに。ふわふわも大増量していた。

「くっ……」

 私は自身の左手を押さえつけていた。モフモフ度がアップしているのだ。今にでも欲望のままにモフモフしたいと……でも! リッカの眠りを妨げるわけにもいかないと諦めた。

「ぐーすぴー」

 リッカは仰向けになった。鼻ちょうちんまで出ていた。爆睡だね。

「あ、そうだ」

 リッカが寝ている内にと、私はソファから立った。



 自室の机の引き出しを開けた。そこにあるのは推薦状とお目当ての物。私は『それ』をとって、部屋を出た。

「シャーリー、どこー? あ、いたっ」
「リッカ」

 寝てたはずのモフモフが二階にあがってきていた。起きた時に私がいなかったからか。それとも離れた時点で起きていたのか。どちらにせよ、リッカは不安そうだった。

「ごめんね、ちょっと用があって」
「ううん」

 安心したのか、リッカは欠伸をした。眠たそうだった。

「ふふ――はい、リッカ」

 私はしゃがみ込むと、リッカにふわっとかけた――それは、犬用のケープあった。私の手作りで、事件解決の日からコツコツと編んでいたんだ。

「もっといろんな種類作るからね」
「わあ、ありがとう!」

 リッカは温かそうだった。しっぽを右向きに大きく振って、舌も出して笑っていた。ケープの匂いもかいでいる。気に入ったくれたんだ、良かった。

「一緒にもどろっか」
「うん」

 隣のモフモフはご機嫌に歩いていた。こっちを見上げては嬉しそうにしていた。嬉しいね、ご機嫌だねぇ。
 私も思いは同じだよ、リッカ。


 掴み取った幸せな未来。みんなが笑っていられる未来。私は幸せを噛み締めていた。

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