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第二章
愛された日々を振り返って
世界の北方に位置するは、ダイヤノクト国。山々にも囲まれている寒冷地でもあった。王都は山の上にそびえ立つ。
ダイヤノクト国。優れた王が統治する、治安が良い国。犯罪も軽微なるもので、重罪にあたるものは、起こることもない。平和が約束された国でもあった。
そのふもとをさらに南に向かうとあるのが、エーデル村。農業が盛んであり、近年開発が進みつつあり栄えてもいた。移住者も増えているという。
カナリア色の髪の少女、シャーロット・ジェムもその一人だった。
私は孤児院で暮らしていて、そこから出て一人暮らしをしていた。
シャーロットは、生まれた時からある特徴があったという。これは、小さい頃にきかされた話だった。
『――その力はあなたを守るもの。そして、誰かを傷つけるもたやすいもの。決して、忘れないで』
シャーロット・ジェムが持つのは、氷の魔力だった。生まれた時から備わっていた力であり、幼い頃はコントロールをするのに苦労していたほどだ。
成長した私は氷の力に加えて、独学で魔法学や薬草学を学んできた。エーデル村の厚意と出世払いということで、格安で店を借りることができたのだ。
最初は奮わなかった商売も、様々な人に助けられてここまでやってこられた。評判が評判を呼び、それなりに賑わいを見せている。
ある日、名門ブルーメ学園からの推薦状を受け取る。荒れ狂う吹雪の中、私は突き進んだ。
そこで待ち受けていたのは、学園にある女神像の破壊事件。都にあるものと対であるそれが破壊されてしまったという。春の女神像はこの国の信仰においても重要とされ、破壊を行った者は重罪を問われた。
アリバイが無かった私は容疑者とされてしまった。潔白を証明することも出来ず、二度目の死を迎えることとなった。
でも、そこでは終わらなかった。やり直すことができるという。日々を繰り返すことで、私は、自分が望む未来を勝ち取ろうとしていた。
生まれ変わりのシャーロット・ジェムは、時に不思議な夢を見ていた。
自身が鳥籠の中に囚われている夢。生まれた時からそうだった。
鳥籠にかけられた錠前たち。籠の中の鳥を逃しはしまいと主張しているようだった。そう、私に迫るのは、死のみではない。執着ともいえた、強い思いもそうだった。
日々を繰り返していく内に、積もっていったのはある人物の想いだった。『彼』に囚われてしまった私は、『彼に愛される未来』を選びそうになってしまう。
その彼との未来は逃れたものの、女神像破壊を止めないことには……だった。何度も容疑者にされて、また死が訪れるのみ、それでも。私は協力者たちと共に奮起した。そうして乗り越えた先に、ようやく望む未来が訪れてくれたのだ。
平和で穏やかな日々だった。ずっと、平穏が続いてくれる。そう思っていた矢先だった。
大晦日前日の夜。奇妙な男が店に訪れる。彼の依頼はこうだった――シャーロット・ジェムの魔法で、殺して欲しい相手がいると。
私は断った。相手が帰った後も、不安は残ったままだった。一大事だと思い、村の詰所に相談することにした。そこで、私は衝撃の事実を知らされる。
すでに行われていた殺人。そして、共犯者とされてしまったシャーロット・ジェム。駆けつけてきた『死神』によって、またも生命が終わることとなった。
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