春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第三章

そんなん朝帰りじゃん……!!



 昼休みになった。これから昼食ということで、声を掛けてきたのはロルフ君だ。

「シャーリーちゃん。お昼どっか行くのー?」
「うん。着替えておきたくて。一旦、部屋に戻ろうと思って」

 私は昼休みを使って部屋に戻ることにした。そのタイミングでリッカにも逢えたら最高。

「わかったー。でもさ、食堂でオレらいるから。時間あったらきてきてー」
「うん、お誘いありがとう」
「ほら、今日はリヒリヒもいるしさ」
「そうなの?」

 なんだかんだでカイゼリン様ととっていたのに。そんなリヒターさんが、クラスメイトととるようになったんだ? 自分の席を立ったリヒターさんも頷く。

「ええ、ご一緒させていただくことになりました。多くの方とも交流するのも素晴らしいと思っておりますので。有難いお誘いです」
「……そっか」

 今のリヒターさんなら、それが出来るようになったんだ。私は微笑んだ。

「……そのようなジェム様も新鮮ではございますが、普段のお姿の方が落ち着きます」
「うん。そうだよね」
「はい。リボンも……はて、何故あのような色なのでしょうか」
「色?」

 リヒターさんも微かに笑んでいたはずなのに、急に詰めるような表情になった。

「近頃は黄色でしたでしょう。微妙に近しい色ではありませんか。そこまで近いのでしたら、あの色でもよろしいのではないでしょうか」
「そんなこと言われても。黄色が気に入っているわけで」

 私はそう言われてもだった。リヒターさんが言わんとしていることって……色が似ている金色でもいいのではないかってこと?

「えー、リヒリヒ? どうでもよくねー? めんどくさい君なん?」
「ちょっ」

 口を挟んできたのはロルフ君。際どい話題なんだよ、ロルフ君……!

「面倒くさい、という意味でしょうね。ええ、その通りです。そのようなことで一喜一憂してしまうような男です」
「ううん、カワイイわー。キュンとしたー。話聞かせて聞かせて。ねーねー、聞かせて―」

 棒読みのわりには、ロルフ君はリヒターさんに執拗に絡んでいた。リヒターさんはあくまでポーカーフェイスを崩さない。どれだけ絡まれようと。

「話せる範囲内でよろしければ――では、ジェム様も。ご無理のない範囲でお越しくださればと存じます。リッカ様とのお時間も大事でしょうから」
「そっかー、リッカちゃんかー。しゃーないよなー。いってらー」

 畏まったリヒターと、だらりと手を振るロルフ。彼らは同級生を連れ立って、食堂へと赴いていった。

「そういや、リヒリヒは? イベント来いひんの?」
「生憎ですが、ヴァールザーガー様。私は所用がございます。もし無ければ……いえ、戯言です」
「うっわ、いみしーん。つか、苗字長ったらしいからさ、そろそろさぁ、名前で呼んでー?」
「かしこまりました、ロルフ様――」

 何やら盛り上がっていたのに、彼らの会話が止まっていた。

「……あっれー」
「おや」

 彼らは教室の入り口で立ち止まっていた。誰かと話しているみたい。一言二言交わして、彼らは今度こそ歩いていった。

「私も行こうっと」

 私だっていつもの制服が落ち着く。すぐにでも着替えようと、教室を出た。




「――シャーロット」
「あれ、アルト?」

 教室から出ると、私はすぐに声を掛けられた。行き交う生徒たちの注目を浴びている。あの二人が話していた相手、アルトだったんだね。

「話したいのもあって、お昼誘いに来た」
「そうなんだ……アルト?」
「あー……」

 アルトは私を見ると、呻き声をあげていた。突然どうしたんだろ。

「ひっさびさのシャーロットだぁ……あー……」
「ほんとだね」

 そんなアルトは半泣きになりそうだった……確かにそうなのかも。行き違いもあってか、本当に会うことはなかった。アルトは本当に久々といった感じで接してきていた。

「地雷系女子な君も可愛い。可愛いんだけど……」

 いつものハイテンションは鳴りを潜めていた。疲れもあったアルトは、浮かない様子だった。

「そういうファッションしたいなら、俺がプロデュースしたかったっていうか。絶対、もっと君に似合う服とかアイテムあるし」

 私の恰好のこと、案の定触れてきた。そんなアルトが眉を顰めて、指摘するは。

「そんな――ゼンガー先輩みたいなさ。まんまじゃん。先輩の服をそのまま借りました、みたいな」
「うん、まあ……」
「実際、借りてるよね。ねえ……シャーロット?」
「うん……」

 何故リナさんの制服を借りるようなことになったのか。アルトは当然疑問に思うよね。でもって、彼はその答えは想定済みなんだろうね……。

「そんなん、お泊りじゃん……ぜってぇ朝帰りじゃん……!」
「ちょ、ちょっとアルト、言い方……!」

 アルトは大袈裟に嘆いてきた。そのパワーワードに周囲がギョッとしていた。私はすみませんと頭を下げた。嘆きたいのは私の方だったけど、アルトをどうにか落ち着かせないと……!

「そうそう、お泊りだよ? 女の子のところね? お友達同士のお泊りね?」

 どうどうとアルトを落ち着かせる。念入りに、念入りにね。

「そんなんわからんじゃん……女の子同士だろうと、シャーロット可愛いじゃん? フラグ立つ可能性だって十分あるんだよ?」
「そんなフラグがポコポコと……」 

 簡単に立つものかな? 私は苦笑した。

「立ってるじゃん」
「それは……」

 返答しづらかった……いやいや、それは色々というか、なんというか……!

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