春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第三章

迫りつつある、大晦日――




 夜が明けて、朝日が昇る。早速やってきたのは、アルトだった。時間差でやってきたのはリヒターさん。二人とも、何が起きたかわからなかったって。

 私の自宅兼店にて、話し合いが行われていた。

 今回の事件、犯人はリナ・ゼンガーであると、それは一致した。また、彼女は大晦日までは動かないともみていた。

「リナ先輩、拘束ってのがてっとり早いけどね。そうはいかないってのが」
「ええ。下手に疑惑を持たれかねませんから」

 殺人を犯す可能性がある人物、それは判明している。

 早まる可能性はないとはいえない。だからこそ、こちらの警戒も怠らないように。
 ルイ・ゼンガーを大晦日まで守り抜くこと。それが未来につながる。今はそう結論づいた。





 編入生として、私は紹介される。

「――私の名前はシャーロット・ジェムです。魔法屋を営んでいます。愛犬と共にやってきました。よろしくお願いします」

 私は、リナ・ゼンガーではない。シャーロット・ジェムだって。今なら名乗れるんだ。




 学園への編入学を果たし、リナさんの追っかけもする。私たちの日々が過ぎていく。

 とても日常だった。

 惨劇など起こらないと思えるほど、平凡で穏やかな日常。


 決行の日は、大晦日。もうすぐ迫っていた。





 この日は冬休み前日だった。教室内は休み前ということで、浮かれきったムードだった。隣の席のロルフ君とも、しばらくは会うことはなさそう。

「――ね、シャーリーちゃん。冬休みだねぇ」
「!」

 そう思った矢先に話しかけれらた。ロルフ君の話を聞いてみることに。
「うん、そうだね?」

 そう……前のループも含めて、彼から話しかけられたのは久々だった。

 ロルフ君は今回もイベントを開くことはなかった。どのみち、大晦日前日は参加は出来ないから。

「あ、急ぎだった?」
「ううん、平気。なんか……大事な話かなって、こっちが思っただけ」
「は……」

 ロルフ君が自嘲めいた笑いをした。あれ? そうでもなかった?

「……」

 でもね、私自身も不思議だったの。何故かわかったの。彼の顔は笑っていても、真剣な話をしたそうなんだって。

「……大晦日、とか。どうするのかなーって」
「!」

 私の心拍数が上がりそうな質問だった。
 大晦日は殺人事件を止めにいきます、なんて言えるわけがない。

「のんびり、かなぁ?」

 としか、答えようがなかった。

「……そうだろうね」
「うん……?」

 それが何にかかる言葉なのか、私には汲み取れなかった。

「あのさ、シャーリーちゃん――大晦日過ぎたら、話せる?」

 ロルフ君は真剣に聞いてきた。決してふざけた様子なんてなくて。

「……? それは構わないけど。今とかじゃ無理?」
「……今じゃないんだ、きっと」

 ロルフ君が呟いた。彼は考えがあって、大晦日以降を望んでいるんだ。私は反対することもなく、快諾した。

「うん、もちろん。私、冬休みはほとんど店にいると思うから。学園に寄った時に話せたら」
「いいよ。オレが店に向かうから。エーデル村でしょ」
「うん、そう」

 あれ、ロルフ君知ってた? 自己紹介で言っていたからかな……言ってたっけ。

 ロルフ君に訪問する日を任せることにして、話はついた。





 明日は大晦日。

 ルイ・ゼンガーとの直接の接触は困難な為、外部から守ることにした。式典が行われる場、都の中央広場に潜り込むことになった。

 明日を力を合わせて乗り越える。その先に未来が繋がっていると信じて――。


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