春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第四章

美女部、設立!

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「……申し上げます。常軌を逸しない限りは、我々が口を出すことはございません。ただ、部活動となりますと。学園の公認のものとなります。費用までも生じますので、我々は申請を下すことはありません」

 リヒターさんは徹底してこうだった。いくら弁えようとも、容易には許可を出来ないと。

「部費はいらぬと申しておる。ただ、許可をしてくれればよいぞ」

 部費が不要って、いいの? エドワード君は続ける。

「リヒター殿、委員長殿とも話をさせてもらったぞ。ご婦人は納得してくださったがな。部費もいらない。そして、余の目的も語らせてもらった。素晴らしいと感銘も受けていた――委員長殿の承認を得たも同然だが?」
「……あの方は本当に」

 リヒターさんの主にして、自治委員会の長。まさか単独で接触していたとは、と彼は眩みそうになっていた。
 元は長の彼女が反対していたから、リヒターさんも動いていたという話だった。というか、直近までは反対していたのに?

「余はな、なにも間違ったことはしていない。といっても、正式なものが欲しい。これは正しいことと、認めてほしいのだ」

 委員長の承認も下りて、エドワード君も考えがあっての設立。反対する理由となると……。

「ふっ、美女部の設立も間近だな。あとは、余が望む者達だ――ふ、ちょうど来てくれたな」

 ――シャーロット・ジェム嬢と。エドワード君と視線がかち合った。

「ふっ」
「……!」

 不敵な笑みだった。私は息を呑んだけれど、彼が二の句を告げてきた。その内容というのが。

「そなたもだが、余はまだまだ望むぞ。あの極上の美女――クラーラ・メーディウム嬢を!」

 この場にいない美女を熱望してきた。美女の皆さん、わあって盛り上がっているけど……いいの?

「あの包容力にして、慈愛に満ちた眼差し。究極の美女よ!」

 エドワード君、高らかに叫んでるし、興奮しているし……いいの? 確かに美女の中の美女といえる存在だけれど。男女共に総モテでもあるよね。

「……」

 私は危惧をしていた。裏の顔を知ってしまったから――。

「……かしこまりました。我が主と話がついているようでしたら、私が申すまでもありません」

 リヒターさんは食い下がることはなかった。

「設立の手続きもこちらで行わせていただきます。当分は、監視もさせていただきますのでご留意くださいませ」
「よしきた!」

 すごく事務的な口調だなぁ……対するエドワード君はガッツポーズをしていた。

「ははは、ついにやったぞ! この堅物も屈したのだ、余の勝利だ! 愛の勝利といってもよい!」

 勝利宣言をしたエドワード君に、美女たちからの盛大な拍手が送られる。

「ええ、お見事でございます。主まで懐柔されてしまっては、私はどうにも出来ませんから」

 なんとリヒターさんまで拍手しているという……単調で適当なものだった。心からどうでもよさそうな……。

「くっ……まあ、よい。これで本格的に余のハーレム生活が始まるぞ!」

 かえってエドワード君の方が敗北感を漂わせているような……すぐに気にしなくなったね。意気揚々としているし。この勝利の流れのまま、私に手を差し出してきた。

「さあ、シャーロット殿! 遠慮なく加わるがいいぞ!」
「……ごめんなさい、私はいいです。部活頑張ってね」

 私にしては遠慮なく断っていた。

「エドワード様、無理やりな勧誘はどうかお控えください。強制となりますと話は別です」
「そなた、どうでも良さそうであったろうに……」

 すかさず入ってきたリヒターさんに、エドワード君は目が遠くなっていた。あのやる気のなさそうな態度から一変しているとも。

「……しかし、困るな。そうも頑ななのは。なあ……シャーロット殿」
「え」

 突然呼ばれ、私は狼狽する。

「そこまで頑なだとな、興味深くもなる――恋を宿してない瞳だ。その瞳に余を宿したいのだ」

 私たちと似たような茶色の瞳。年下とは思えないほど、大人びた風貌のエドワード君が。

「……恋をって」

 私を見つめてくる。恋を宿してない、か……。
 エドワード君、妙に鋭いところがあるから。私のこと、どこまで見透かされているのかな。

 ……とにかく、伝えよう。どのみち、伝えるつもりで訪れたのだから。

「……恋は、できないかな。私はそういう恋愛の仕方はわからないから。他をあたってほしい」
「ふむ。最初はそうだろうな。だが――」
「変わらないよ。私は変わらない」

 私は引かなかった。譲れなかった。だから、目をそらすこともない。まっすぐに相手を見た。

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