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第四章
幼馴染からの呼び出し
一月も中頃。私は呼び出されていた。
都にあるは、中央ギルド。大型の建物は、村のギルドとは比べ物にならないほど、立派なものだった。屈強なる者や、老練たる者。高名な術師。選ばれし者達が中央ギルドに踏み入っていく。
「――っと、お嬢さん。横、失礼するよ」
人で賑わう入口にて、私は男性とぶつかるところだった。相手はスマートに避けてくださった。巻き毛の長髪に、モノクルが特徴的な男の人だった。
「すみません――」
私が言い終える頃には、その人の姿はなかった。不思議な感じはしたものの、そう会うこともないよね? 気にしないでおくことにした。
中央ギルドに併設しているカフェ。冒険者たちの憩いの場でもあり、賑わいもみせていた。
「――シャーロットー、こっちこっちー!」
私の気配を察知したのか、入店と同時に席を立ち上がった青年。
同じ孤児院出身で幼馴染のアルト。彼は両手を振って歓迎してくれていた。
「……」
うん、目立っているね。すごく見られている。人目を引くアルトはわかるとして、私までも。このままじっと立っていると、さらに視線が集中しそう。私は急いで彼の元へ。
「お待たせ、アルト――」
「ううん、全然ー? ジュースもね、頼んでおいたから」
席は予約済みで、ジュースも狙ったようなタイミングで。どこまで計算されているのか……怖くなってきた。
「……ううん、座るね」
私は気を取り直して、アルトの前に座った。そして、注文済みのジュースを見た。青色の炭酸水に、デザインカットされた果物も添えられていた。パラソルの飾りも可愛らしい。
「えへへ、おごり」
アルトは両側の頬をついて、ニコニコしていた。おごりときたかぁ……。
「それはちょっと……いくらだろ」
「ほんとにこの子はさぁ……」
メニュー表で確認している私に、アルトは不満げだ。また払う払わないの下りが展開されるかと思われたけど。
「まあ、いいけどね。ここで君の機嫌を損ねるわけにもいかないし。割り勘でもいいよ、ここはね。今はね」
「……奢ってもらった方が、ましだったり?」
「ううん? そんなことないよ?」
「……うーん」
アルトが笑顔なのが、ひっかかる。よからぬ企みとかじゃない、そうは信じていても。不安を誘う表情だね……。
「ほらほら、自腹ドリンクでも飲んで飲んで。ほら、かんぱーい」
「うん、乾杯……?」
アルトが音頭をとったので、私も彼のグラスにグラスを合わせた。そして、同時にドリンクを口にする。何に乾杯かは突っ込まない。
「あ、美味しい」
「でしょ。ララシアブームに便乗してるけどさ、評判いいんだって――それで、本題なんだけど。聞いてくれる?」
「うん」
大事な話があるって、呼びだしたのはアルトだから。私は向き合うことにした……うん、本題。
「……俺さ、浮かれててさ。気がつかなかったんだ」
私はアルトの言葉を待つ。
「シャーロット、いつも頑張ってるじゃん。俺、君が大好きだからさ。なんかご褒美的な、そういうのないかなって。そうしたらさ、中央ギルドならではのメリットがあってさ」
アルトは中央ギルドでも熱の入れようがすごかった。それも、彼がいうメリットの為?
「ああ、メリットね――『ファストトラベル』。特定の地域の依頼をこなすとさ、こう秘術的というか、謎の力ともいうか? ひとっとび、的な? もう、これじゃんって」
ファストトラベルときたかぁ……! 私は密かにウズウズしていた。ううん……アルトには『うずうずしてるぅ……』って、バレバレだったけど。
特定の場所へのワープが出来ると。その為にアルトは頑張っていたんだ……大変だったね。
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