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第四章
建設的?な恋愛アドバイス
「――そっか、アドバイスなんだよね。絞り出すから、待っててね」
「えっ」
私がエドワード君の方に振り向くと、彼が動揺していた。それが本題じゃないの? あまり前世の経験談は参考になってないかもだし、あとはそうだね……。
「こう、ギャップというのかな? 結構、都会派だったり? ほら、物珍しいのがいいとか。自販機にも食いついていたし」
私は何とか思い浮かべる。夜遊びとまでは言えないので、オブラートに包む。それと学園にある自販機のことにも触れていた。目新しいものも好きなのかもしれない。
「く、くらーらどのが……?」
エドワード君は困惑していた。彼が思い浮かべていたイメージとは異なり過ぎていたからだね……でもね、これでも大分優しめに告げているんだ。事実を教えたら卒倒しそうだった。
「……」
難しいところでもあるんだよね。弄ばれていないか、止めなくていいのかな。といって、そうとも限らない。彼女自身も言っていた通り、本当に約束があった可能性もあるんだから。
「うん、あとはこのくらいかな。エドワード君がはさ、クラーラさんのこと好きなんでしょ? だったら、好みとか、彼女が本当に行きたい場所とか。直接聞いてみてもいいかもよ」
「……」
エドワード君は考え込んだまま。なんだろ、不安になってきた。私はおずおずと訊いてみた。
「好きな人のこと、知りたかったりしない?」
「なんだと」
エドワード君はそう返してきた。なんだとと言われても。
「……いや、そうだな。知りたいはずなのだ。余はもっと、知るべきなのだ」
「そ、そうそう」
ブツブツと呟いているエドワード君に、私は同調するように頷いた。
「……む!」
しばらく呟きの自問自答をしていたエドワード君、彼は吹っ切れたようだった。顔が明るくなっていた。
「そうだな。余は屈せぬぞ! クラーラ殿の好みも勉強になった、恩に着るぞ」
「!」
元気が出たエドワード君に、私は両手を握られた。そのまま上下に振られる。相手の無邪気な笑顔に、私はされるがままになっていた――。
「……っと。元気が出たのなら良かった。私たち、お散歩に行くね」
「へっへっへっへっ」
「リッカ、お待たせ」
大人しくしていたね、偉いね。お花の匂い、嗅ぎまくろうね?
「む……そうか」
エドワード君は手を離した。それから手を見つめながら考えに耽っていたけれど。
「――ふむ、余も散歩につきあおうぞ。帰りも送っていく」
「いいの?」
エドワード君はララシアの貴族といわれている。迎賓館暮らしの生徒でもあった。途中までは道は一緒だけど……ワンコもいたりするのに。
「ふむ……リッカ殿、だったか。その、すまないな……余は犬はどうも、な」
「……わふっ」
エドワード君、気にしてくれたんだね……リッカの表情も緩んだ。うん、リッカ自体が悪いとかじゃないもんね。もちろん、エドワード君も。
エドワード君とも一緒に散歩の後、帰ることになった。私はリッカを下ろし、リードを持ち直した。するとリッカがくいっと引っ張りだしてきた。
「……ふむ、そなたよ。近くないか?」
「きゅーん……」
リッカが親愛の印にと匂いを嗅ごうとするも、エドワード君は距離を置く……苦手意識はそのままなんだね。
「……襲ってこぬか、襲ってこないとはわかっていてもだな?」
道中もそうだった。エドワード君はとことん落ち着きがなかった。
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