春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第四章

三連休、突入



 一月も下旬。一週間は過ぎていき、三連休が訪れていた。

 初日は店を営業していた。といっても、客足はぼちぼち。二階から下りてきたリッカと戯れつつ、その日の営業を終えた。ゆったりとした一日だった。

 明日も営業しようと考えていたけれど、リッカともゆっくりしたかった。私は二日目も休業することにした。

 三日目は待望のリッカとの遠出だ。その話をしたら、リッカは全身で喜びを示していた。私はなんとしても楽しい一日にしようと誓った。




 この三連休、彼らはそれぞれの過ごし方があった。

『……はーい、ララシアにいってきまーす。稼いできまーす。俺一人でいってきます!』

 アルトはララシアに出向くという。といっても、観光目的ではない。稼ぎ時だと、死んだ目で言っていた。私がララシアに来ないかと、諦めていなかった。

『私も旅行の予定が入っておりまして。主の突発的な行動故にでございます。ええ、単なる付き添いです。付き添いですから――』

 リヒターさんも国外に旅行するという。いや、旅行するのは彼の主。突発的に言い出してきたのだとか。彼は付き添いだった。単なる付き添いであると、彼は連呼していた。

『リナだって稼ぎまくってやる。休日ボーナスもあるし。もう夜遅くまでねっ。……って、これ内緒ね? 特にモルちゃんには!』

 リナさんは連休全日、バイトにいれることにしていた。ララシア行きのバイトではなく、カフェの方だった。プロデュース業もしつつ、夜遅くまで働くようだ。彼女もまた、稼ぎ時だと張り切っていた。

 三人共大変そうだった……体調崩されませんように。

 それぞれが、思い思いの三連休を過ごすこととなった。



「失礼します」

 三連休の二日目、私は図書室を訪れていた。休日でも午前中だけ解放されている。それは三連休でもそうだった。

「おはよう、ジェムさん」
「いらしてたんですね。ジュッチェさん、おはようございます」

 図書委員のジュッツェさんもいた。彼はカウンターで作業をしていた。

「……」

 ……ジュッツェさん、ジュッツェさんがこっちを見ている。

「……どうかされましたか?」

 私はシラを切った。何もなかったかのようにしていた。

「ジェムさん、噛んだ? ジュッチェって」
「い、いいえ……? 人様の名前を、そんな」
「ううん、噛んだよね」

 柔らかそうな見た目をしていて、随分ストレートに指摘してくる……しかも追撃までしてくるとは……。

「……すみません、噛みました」

 口に出すとどうしても……そうなってしまって。思考なら、思考でなら噛まないのに……!

「ふふ、認めた」

 ジュッツェさんはおかしそうに笑った。 

「なんてね。僕の苗字言いづらいって、よく言われる。だから気軽に名前で呼んで欲しいな」
「いいんでしょうか」
「うん。わりと皆呼んでくれてる」
「ありがとうございます……では」

 気軽に言ってくださったので、私はそうすることにした。名前呼びも緊張するけれど、噛むよりは、だった。

「……エミルさん。三日ともいらっしゃるんですか?」
「ううん。昨日と今日は出たけど、明後日は不在。他の子が入ってくれるんだ」
「そうなんですね」

 エミルさんも好きなように休日を過ごすのかな。

「では、探してきますね」

 挨拶もしたので、私は本を手にとることにした。借りたい本は決まっていた。まずは読みたいと思っていたララシアに関するもの。推理小説や旅行本。

 本を探す中、利用者誰一人見かけなかった。静かだなぁ……。

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