春の女神は知っている。~モフモフと力を合わせて、ヤンデレメリバフラグ回避してみせます!~

古駒フミ

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第四章

ループの始まりが――

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 しばらくは話をして、先生は帰られることになった。私の側にはリッカがついていると、笑いかけてもいて。

 リッカも起きてきたので、一緒にお見送りすることにした。

 そうして外に出た私は――愕然とした。

「え……」

 いつもなら十二月初めに戻っていたはず。それがどうも違うようで――。

 外の光景はまさに、祭りの準備が行われていた。村中に装飾があり、屋台も出されていた。村はなにかを祝おうとしていた……これって。

「――新年なんだよ。これまでと違ってな」

 呟いた先生を私は仰ぎ見た。
 信じ難いことだとしても、これはきっとそうなんだと。大々的に行われる年明けの祭りが、それを証明していた。

「日付が進んだの……? なら、私達は――」

 繰り返しの日々を生きている。それでも、一月一日から開始となるのなら。

 もう、戻れないところまで来ているんだ――。



  
 先生をお見送りしたあと、私たちは家に戻ってきた。

「……変なの。またやり直しなのに。また理不尽な目に遭わされるのに。こんなにも……安心しているなんて」

 あの不思議な夢のこと。本当に死後の世界だと思っており、もうこれまでだと思っていた。あの繰り返しの日々もまた、まやかしだったのかと。

「……ふふ」

 それは違ったんだ。私はリッカを抱きしめた。この温もりを感じられる。自分の鼓動も波打っている。今生きているのだと、ようやく実感出来た。

「リッカも……痛い思いしたね」
「……ううん。僕は平気」

 リッカは状態が継続されるようなので、私は心配だった。リッカは何てことないと答えるけれど……無理してないかな? 私はますます心配になった。

「……うん、僕は」

 リッカはずっと浮かない顔。まだ話せないようだった。時期でないようなら、待つしかないのかな……。



 アルトは先生と入れ替わるようにやってきていた。『すぐに来られなくてごめん』って。血の気の冷めた顔で伝えてきた。本調子でもないようだった……。

 リヒターさんも後日に訪れてきた。店に訪れて開口一番に謝罪されたから……そんな。

 リヒターさんもアルトも、クラーラさんの周辺を探ってみるって。うん、心強い。

 そして……リナさん。体調を崩されたと耳にしていた……『あの時』を目撃したかもしれないと。

『リナ様でございますが――体調は回復されました。職場にも復帰していらっしゃいます。ですが……』

 ――その続きはリヒターさんは口にしづらそうだった。精神面では参っていると……そう暗に伝えてきている気がして。





 冬休み、私は仕事に勤しんでいた。考える事が多くもある。慌ただしい日々――。

「……リッカ」

 お客様が引けたタイミングで、私は螺旋階段をみた。リッカが二階で大人しくしていた。元気ないままなんだよね……リッカ。ちょうどお昼時だったので、昼ご飯の準備をすることにした。

「リッカ―、ご飯だよー」

 下から呼んでも返事がなかった。私は一旦店を閉め、二階へと上がっていく。


 ドアを開けると、リッカは窓辺に立っていた。外の景色を見ながらぼーっとしていた。

「……くんくん」

 ご飯のに匂いを感知したリッカは、窓から下りてきた。私が皿を床に置くと、小走りでやってきた。

「そうだよ、ご飯だよ」
「……」

 リッカは皿の中を見つめたままだ。リッカ、食欲ないのかな……不安になってきた。

「……僕、大丈夫だよ」

 感じ取ったリッカは見上げてきた。まだ悲しそうな顔はしている。

「そう……?」
「僕も……もう、落ち込まないの。ご飯たくさん食べて、元気になるっ」

 いただきます、とリッカはお皿に顔をつっこんでいった。悩み事があるのは確か、彼は今は力をつけることに専念していた。

「……リッカ、出来たらでいいからね。不安なことあったら、話してね?」
「わんっ!」

 食事に全力なリッカに話しかけた。彼は力強い返事をくれた。

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