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第四章
一日デート
エドワード君は美女部の面々を無下にすることはなかった。順々にデートもしているよう。
美女部の皆さんからの評判は上々だった。エドワード君、自信に満ち溢れるようになったからかな。
「――シャーロット殿。今週末、余と共に過ごさないか?」
「今週末?」
「ああ、そうだっ! 連続ぞ!」
エドワード君はにこやかに言ってきた。好意が全開だった。私は懐かれている感覚だったので、嬉しくないわけではない。
「連続。どっちかだけでも充分かなって」
それでも、不平等と思っていた。休日、それも二日ともなるとだった。
「……二日共は嫌なのだろうか」
「あ、えっと……嫌とかじゃないけど、そう、不平等というか。みんなのエド様だから」
思った以上にエドワード君はしょげていた。私は慌ててフォローをする。
「うん、嫌じゃない。一日でも充分嬉しいから」
「うむ、わかった! では、一日よろしく頼む」
エドワード君の顔がぱあっと明るくなった。
それから彼は次々と提案していく。都に出るか、私の住む村に赴くか。結果、学園内を巡ることとなった。
週末がやってきて、約束の日が訪れた。昼からのお出かけで、夕方には帰るという流れだった。
「シャーロット殿ー!」
「エドワード君、ありがと」
エドワード君が女子寮まで迎えにきてくれた。彼の恰好は学園指定のコート、下も制服だった。制服で回ろうって、事前に彼が提案してきた。
「なんの、エスコートなるものぞ。さあさあ!」
テンションが高いエドワード君は、私に腕を差し出してきた。これは、腕を組んでほしいってことかな……。
「……。とりあえず、行こうか。私、中等部ももっと見てみたいな」
「さあ! さあさあさあ!」
「……」
「うう……さあさあ……さあ、なのだ……」
エドワード君は腕を組むまで動く気もないみたい。私はやんわりと断りたいところだけど、涙目の彼を傷つけたくもない。デートに応じたわけでもあって……。
「……よろしくね」
「よしきた!」
腕を組むのは難しかったので、遠慮がちにエドワード君の腕を掴んだ。それでも満足した彼は、はりきって歩き出していた。
「エド様だ!」
「今日も美女を連れてるー!」
向かう途中で、中等部の生徒に声を掛けられる。エドワード君は『わっはっはっ』と高笑いで返していた。上機嫌な彼と、中等部を巡る。
「……」
私は中等部の校舎内を見渡す。生徒がほとんどいないとはいえ、重苦しさは変わらないままで……。
「……エドワード君。君は美女部だけじゃなくて、中等部でも中心なんだね?」
私は周囲が無人とみたうえで、核心に触れてみた。ぶしつけだったかもしれない。そうだとしても、彼からの答えを待つ。
「……ふむ。実質そうなのだろうな。皆、余を慕ってくれておるぞ! 余はな、中等部の皆を思っておる。無論、美女部の皆もな!」
「そっか。あくまで皆を思ってのことなんだね」
答えてくれたことに安心し、私はさらに質問してみた。エドワード君もまた答えてくれて。
「……」
答えてくれていたけれど……エドワード君は面白くなさそうにしていた。彼ははっきりと言う。
「余のことを知ろうとしてくれてるのは、嬉しい……だがな! 今はデート中だぞ。余は、こう、もっと睦まじいやりとりを望んでいるのだ!」
「……それもそうだね。ごめんね、楽しもうね」
探りすぎて怪しまれても困るし……というか、不快にもさせちゃったね。
「うん、そうだ。私、君を知りたいから。今日のデートで、君のこと沢山知りたい」
極度な質問は控え、エドワード君の人となりを知ること、それに集中することにした。
「……」
「エドワード君?」
「……」
「……どうしたの?」
エドワード君は固まっていた。しばらくして、ようやく動き出した。
「ふ、ふむ。余は、だな……まあよい。さあ、参るぞ!」
「うん」
エドワード君はぎこちないまま、再び歩き出した。急なタイミングでの歩き出し、私が彼の腕を少し強めに掴んでしまうと。
「ひゃう!」
妙な声を出していた……。
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