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第五章
彼とララシアの今
しおりを挟む夜が明けたばかりの、混ざり合った色の空。私はそんな空を見上げた。
ああ……行かなくちゃ。
「いってくるね、リッカ」
リッカは村の入口まで見送りにきてくれた。お座りをして、私を見つめている。
「……わん」
リッカは頃合いを見て、オーナーさんの家に向かうって。きっと、私の背中を見守り続けてくれるんだろうね。
名残惜しい……でも、行かなくちゃだから。
私は何度も振り向きながらも、学園へ足を進めていく。
小さなリッカが遠くなっていく――。
学園に着くと、すっかり明るくなっていた。ところどころに活動している生徒もみられる。
女子寮でもそうだった。寮長さんを始めとした、寮生さんたちも朝食を摂っていたり。私も歩いたこともあって、お腹が空いていたりもした。一緒に食べることにした。
冬休みの頃の話もしたりして、盛り上がっていた。
話の中心になったのは、ララシアのこと。
「そうそう、ララシアに行ってきたんだけど……びっくりしたんだ」
一人の女子寮生は語る。彼女が告げるは。
「噂で聞いた通り……海しかなくて。都は立ち入り禁止だし……。まあ、立派なホテルはね? お手頃価格で泊まれたけどね」
ララシアの現状だった。
「……」
私は複雑な胸中だった。
ララシアの秘密は明らかになったままなんだ……それに。エドワード君もそう、この冬休みの間、彼は動いていたんだ。
それに、皆さんで進めていた浄化も……無かったことになっていて。もう……! 色々と積み重なることがあるのだから、こういうことくらい……って、思っても仕方がないけれど。
「うん、まあ、海は綺麗だったよ。すごく綺麗。なんか、綺麗な歌声も聴こえてきそうな」
いや、聴こえてきたかもと彼女は言う。寮長さんたちもそれはいい、と目を輝かせていた。
そっか……なんだか、救われた思いだった。
次はエドワード君自身の話題に移った。
「――あとさ、貼り紙も見た? キングが美女部を廃止するって」
「!」
私は皆さん同様に驚いていた。いやいや、思い切ったことをしたなぁって。
エドワード君なりの誠意なのかな……ケジメでもあるのか。
それから、エドワード君が男子寮に移ったという話もあった。それは節約の為なのかな。迎賓館暮らし、寮費がとても高いと耳にしたこともあったし。
王族であることは隠しているようだった。そこは慎重に動いているみたい。
繰り返しで、積み重なることもある日々。
どんどん事態は変わっているんだ――。
部屋に戻って、荷物も置いてきて。制服にも着替えて、と。
胸元には黄色のリボン、まだ早いけど私は本校舎に向かうことにした。
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