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新たなる日々ED②
しおりを挟む『もう! あなたたちだってそうでしょ?』
あ、いつもの『もう!』が……。
「出た、『もう!』」
セレステまで。
『もう!』
追加でもう一回。ブリジット、むくれているかもね。画像ではもうわからないけれど。
「うん、幸せになるよ。ユイやアークもだし――今度こそこの世界ごと、守ってみせるから」
セレステはそう宣言していた。そっか、と画面の向こうで彼女も安心しているはず。
「ありがとう、ブリジット。元気でね。あんたの幸せも祈ってる」
『うん……』
ブリジットの声が遠くなっていく。もう、彼女とは――。
もう、彼女とは……ブリジット!
「ブリジット……!! 約束、果たせなくてごめんなさい……!! もう、もう会えなくなっても、それでも幸せであるようにって……!」
『うん、うん……』
ノイズ混じりの、声。もうどこまで、互いの声が届いているのか。
もっと、もっと話していたい。伝えたいことだってたくさんある。思い出話だって。なのに……!!
「今までありがとう……!」
『――』
ついには……聞こえなくなったの? ブリジットの涙混じりの笑顔だってもう、画像からは消えていて。
伝えたいこと。せめてこれだけでも……!!
「会えて、出会えて良かった……」
ブリジット、あなたに会えてよかった。ときに強大なライバル、でもやっぱり大好きな大親友だったよ。ブリジット……。
『わたし……も』
「あ……」
ブツンと遮断された画面。繋がりはもう、無くなってしまった。
ブリジットとも。ユウ君ともそう。私を信じて送り出してくれたのに。
「ああ……」
ブリジットやユウ君もだし、アリアンヌ様――『彼ら』とも。家族とも。共に過ごした人たちとも。
「あああ……!」
私の涙は止まってくれない。その事実が今になって圧し掛かってしまっていた。
覚悟を決めて選択をしたのは自分、それなのに……!!
「ユイ」
――私の名前を呼んで、抱きしめてくれたのはセレステだった。
「好きなだけ泣きなよ」
「……」
それは許されることなのかな。私の勝手によるものだったのに。セレステは何度も確認してくれたのに。私は惑っていたけれど。
「ゆっくり立ち直っていけばいいよ。まだまだこれからなんだから」
「……そっか」
私を見上げながら、優しい表情でそう言ってくれた。
そうだね……うん、そうだ。
この世界だって、この時代だって――私、まだ小川結衣として生きられるなら。
これからが残されている日々、精一杯生きよう。
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