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勇者と間違えられて召喚されて、結果魔王の嫁にされた話
しおりを挟む間違えて勇者として異世界に召喚されて、人違いだと言えなくて勇者と偽っていたら、魔王に捕まってエロいことをされる話。
異世界転移 無理やり 魔王×勇者(偽)
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「おお! 成功した! これで世界は救われる!」
「リカ様ですね、よくぞ我らの世界に!」
「勇者リカ様、どうか我らをお救いください!」
「リカ様、魔王を倒し、この世界を平和へとお導きください!」
いえ、違います。梨花は私の双子の姉で、私は妹の梨子です。とは、とても言い出せない雰囲気だ。
私を囲む大人達は、感動に瞳を潤ませている。涙を流している人もいる。人違いですよ……なんて、引っ込み思案な私にはとても口に出すことはできない。
「実は今、この世界は魔族の脅威に晒されているのです」
「このままでは、我々人間はいずれ魔族に滅ぼされてしまう」
「しかしある日、神託が下されたのです!」
「魔王を倒す力を持つ者が異世界に存在していると。リカという名を持つその少女こそが、この世界を救う勇者なのだと」
「我々は世界中の魔術師を集め、三日三晚かけ魔力の殆どを費やし召喚術を行い、こうして勇者リカ様の召喚に成功したのです!」
「一度しか行うことのできない、失敗の許されない召喚術でしたが、こうしてあなた様を喚び出すことができた!」
「リカ様! どうか我らをお救いください!!」
訊いてもいないのに口々に説明してくる。どれだけ大変だったかアピールして、断れないように誘導しているとしか思えないような言い方だ。
この世界の平和なんてこっちには関係ないし、こっちの意思も無視して勝手に召喚しておいて、まず最初に謝るべきじゃないの? この世界さえ守れれば勇者のことなんてどうでもいいの? そもそもその失敗の許されない召喚術、失敗してますよ。
そんなことを思ったけれど、やっぱりなにも言えなかった。
幼い頃から内気で人見知りで、いつも姉の梨花の背中にくっついて、言いたいことを言えない。それが私だった。
それにこの歓迎ムードの中、私は梨花ではありませんなんて言ったらどうなるんだろう。絶望するのか、逆ギレするのか、予想ができなくて恐ろしい。
結局人違いだと言えなくて、間違えて異世界へと召喚されてしまった私は、勇者リカとしてこの世界に迎え入れられた。
それから数週間が過ぎた。魔王を倒すため、修行の日々がつづいている。
でも、勇者でもない普通の女子高生の私はまともに剣を振ることもできない。重くて持ち上げるだけでもやっとだった。
魔法だって使えない。体力もない。持久力もない。すぐにへばって動けなくなる。
最初は、私でもなんとかなるんじゃないかって思ってた。人違いとはいえ、全くの他人じゃない。梨花とは双子の姉妹だ。私にだって、勇者としての素質があるんじゃないかって、ちょっと期待してた。
でもやっぱりそんなことはなくて、私に勇者なんて務まらないんだってことが身に染みてわかった。
そして時間が経つに連れ、周りも不審に思いはじめてる。あいつは本当に勇者なのかって。
でも、今更人違いだったなんて言えるわけない。言えば、勇者だなんて偽った罪で殺されてもおかしくない。私に世界の平和がかかっているのだ。嘘がバレれば怒り狂って襲いかかってくるかもしれない。
でも、じゃあ、どうすればよかったの。
別に好きで嘘をついたわけじゃない。本当のことを言いたくても言えなかっただけだ。あんな風にリカ様リカ様言われて、違いますなんて私のような内気な人間が言えるわけないじゃない。間違う方が悪いんだ。
ふかふかの布団の中に潜り込んで、啜り泣く。
勇者に与えられた、お城にある最上級の部屋は見たこともないほど豪華で広い。部屋の中に備え付けられたなにもかもがピカピカに輝いていて一目で高価だとわかる。おいそれと触ることもできなくて、一応自分の部屋だけど全く気は休まらなかった。
偽物の勇者でしかない私にはあまりにも分不相応な部屋で、居心地は最悪だ。それでも、ここでは一人になれる。
辛かった。勇者じゃない私が修行なんていくらしても無理なのに。魔王なんて倒せるわけない。
修行も辛いけれど、周りから向けられる視線も辛い。
最初は期待に満ちていた。押し潰されそうなほどのプレッシャーを感じた。
それが徐々に疑惑に満ちたものへと変わっていった。不信感を滲ませながらも、それでも彼らは私に頼るしかない。
すぐに体力が尽きて倒れ込む私に突き刺さる、侮蔑、失望、落胆の視線。
辛くて悔しくて、でも見返すだけの力もない。
こうして一人でめそめそ泣くことしかできない。
なんでこんなことに。
確かに、人違いだって言い出せなかった私も悪いけれど。
でも、どうして私がこんな目に遭わなきゃならないの。
もう帰りたい。でも、帰る方法はないって言われた。
どうしよう。修行したって強くなんてなれない。でも勇者だって名乗ってる限り、いつか魔王を倒しに行かなきゃならない。私なんてきっと雑魚の魔族に殺されて終わりだ。
かといって、実は勇者じゃないんです、なんて今更打ち明けたら、それはそれで殺される可能性が高い。
どちらにしろ殺されるのだ。
そう考えて、涙が止まらなくなった。
怖い。帰りたい。もうやだ。
布団の中で泣くことしかできない自分も、この世界も、この世界の人間も、魔族も魔王も、全てが嫌で嫌で堪らない。
込み上げる感情が、声となって爆発しそうだ。
けれどそれを遮るように、部屋全体を揺らすほどの衝撃と破壊音に襲われた。
ビックリして布団から飛び出す。
部屋の窓が破壊され、ガラスが飛び散っている。壁にはヒビが入って、まるで爆発でも起きたような有り様だ。
私は声を出すこともできず硬直した。
窓があった場所の外には、一人の男が浮かんでいた。そう、浮かんでいる。
その男が足を踏み出し、室内へと侵入してくる。
私はそれを見ていることしかできなかった。
恐ろしいほど整った顔、筋肉に覆われた巨体、頭に生えた太い角。
明らかに人間じゃない。魔族だ。この世界に来て、はじめてその姿を見た。
あれは化け物だ。そう思わせる空気を放ってた。
その化け物がゆっくりと近づいてくる。
私は腰が抜けて逃げることもできない。逃げたところで、逃げきれるとは到底思えなかったけれど。
凶悪な笑みを浮かべながら、そいつは言った。
「お前が勇者か? 人間共がこそこそと動いているって聞いてな。魔王である俺が自ら殺しに来てやったんだ」
あ、魔王だった。
もう殺される未来しか見えなかった。
私は死ぬんだ。魔王に殺されるんだ。今、ここで。
恐怖に体がガタガタ震えた。
「うっ、うっ、うえぇ……っ」
私は子供のように泣きじゃくる。
だって怖いんだもん。いいんだ、もうどうせ死ぬんだから。泣き喚いたっていいんだ。
お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください。
梨花、私の分まで幸せになってね。
神様、来世では絶対に異世界転移なんてさせないでください。平凡な人生を送らせてください。
泣きながら、せめて苦しまないで殺してくれることを祈った。
無造作にこちらに伸ばされた二本の太い腕。
「ひっ……」
反射的に目を瞑って身構える。
伸ばされた腕は私の体を抱き上げた。そしてそのまま、がっしりとした肩に担がれる。
魔王は私を肩に乗せ、破壊した窓から城を出た。魔王の体は先程と同じように空中に浮いている。
あまりの高さにくらくらした。
落とされたら死ぬかもしれない。もしかして落とすつもりなのかも。
体が竦み、思わず魔王のマントにしがみつく。
宙に浮かんだ魔王の体が動き出す。空を飛んで移動している。どんどんどんどん城から離れていく。
向かっている方向は、魔族の住み処のある方向だ。
拷問されるんだ。嬲り殺されるんだ。
恐怖でうまく呼吸ができなくなる。
目が霞む。意識を保っていられない。
魔族の王の肩に担がれた状態で、私は気絶した。
ふと意識が浮上する。私はまだ魔王の肩の上にいた。
目蓋を持ち上げ、きょろきょろと辺りを見渡した。
深い深い森が足元に広がっている。そして森の中心に、おどろおどろしい雰囲気の大きな城。間違いなく、魔族の根城だろう。
きっとあの城の地下に拷問部屋があって、そこで私を殺すんだ。
どうせなら気絶している間に殺してくれればよかったのに。
地面に降り立った魔王は城の中に入っていく。
一体の魔族が、音もなく現れた。ビクッとする私になんて、誰も気にも留めない。
「お帰りなさいませ、魔王様。その人間は?」
「あとで説明する。暫く部屋に籠る。呼ぶまで邪魔をするな」
恭しく頭を下げ、配下の魔族は姿を消した。
『暫く部屋に籠る』
魔王の言葉を頭の中で反芻する。
つまり、拷問は暫くつづくってことだ。楽には殺してもらえないんだ。
恐怖に、また涙が零れた。
泣いている間に無慈悲にも運ばれていく。どうやら地下に向かっているわけではなかったけど、そんなことが救いにはならない。
足を止めた魔王が部屋のドアを開ける。拷問部屋に着いたのだ。顔を覆って泣いていた私は、耳に入る音でそれを判断する。
魔王は大股で部屋の中を進み、ひょいっと私を肩から下ろした。
「ひゃっ……!」
落とされた私は衝撃に備えて身構えたけど、痛みはなくふかふかのなにかに体を受け止められた。
目を開けると、私は巨大なベッドの上にいた。
どうしてベッド? ここで拷問するの?
混乱する私を押し倒し、魔王が覆い被さってくる。
魔王の鋭い瞳が私を見下ろす。視線だけで殺されるんじゃないかと思うくらい怖かった。
「お前、名前は?」
「…………梨子、です……」
逆らうことなんてできなくて、震える声で答える。
答えてから、梨子じゃなくて梨花の振りしてたんだったって思ったけど、もう殺されるならどうでもいいかと思い直す。
「リコ、お前は俺のもんだ」
魔王にそう言われるが、よく意味がわからなかった。多分「お前の命は」ってことだろう。これから嬲り殺すぞ、っていう宣言かもしれない。
ゾッと青ざめる私の顔に、魔王の凶悪だけれど綺麗な顔がぐっと近づく。
そして抵抗する暇もなく、唇を重ねられた。
なにこれなにこれなにこれ。
パニックになる私に構わず、ぐりぐりと硬い唇が押し付けられる。それからぬるりとした感触が唇の上を這った。
「んんっ……!?」
それが魔王の舌だと気づいて暴れるけど、がっちり押さえつけられて身動きできなかった。
形を辿るように、唇を舐め回される。ぎゅっと噛み締めた唇を強引に割られて、舌が中まで入り込んでくる。
はじめてのキスがこんなディープキスだなんて。しかも相手が魔王だなんて。甘酸っぱくも普通のファーストキスを夢見ていたのに。
口内を蹂躙する勢いで舐め尽くされる。どろどろと流し込まれる唾液が口の中に溜まり、それを無理やり飲まされて、ぽろぽろと涙が零れた。
どうしてこんなことするの。
考えて、ハッとした。
私をレイプするつもりなんだ。そういう拷問なんだ。
それに気づいて、ガタガタと体が震えだした。
ただ殺されるだけじゃなくて、よりによって強姦されるなんて。
もう絶望しかない。
それもこれも、私が梨花だと偽ったせいなの? あのとき、ちゃんと人違いだって言えてたらこんなことにならなかったの?
後悔したって、もう遅すぎるけど。
ねっとりと糸を引きながら、漸く唇が離れていく。
私は必死になって酸素を取り込んだ。
魔王の手が、私の着ていたワンピース型のパジャマにかけられる。そのまま、まるで紙のように襟から裾までを一気に引き裂かれた。
「ひっ……」
無惨に破られたパジャマを見て、更に恐怖が膨れ上がる。
私もこんな風にされるんだ。ずたぼろにされるんだ。
そう考えた瞬間、勝手に口から言葉が漏れていた。
「や、優しく、してくださ……」
蚊の鳴くような声だったが、魔王の耳にはしっかりと届いたようだ。
くくっと、低く笑う声が響いた。
虫けらがなんか言ってるぞ、みたいな笑いなんだろう。
わかってるし。意識して言ったわけじゃない。勝手に口をついて出ただけで、聞き入れてもらえるだなんて微塵も思ってないもん。
魔王の手は無遠慮に私の衣服を剥いでいく。着ていたものは下着も全て剥ぎ取られ、あっという間に全裸になっていた。
裸を見られる恥ずかしさよりも、恐怖が上回って腕で隠すこともできない。
硬直する私に、また魔王の顔が近づいてくる。
ぎゅっと目を瞑れば、べろりと頬を舐められた。そのままつうっと舌が移動して、今度は耳を舐められる。
「ひゃっ……」
ぬるぬるの舌が、味わうみたいに耳を舐め回す。裏側も内側も余すところなく舐められて、擽ったいようななんとも言えない感覚に身悶えた。ぴちゃぴちゃといやらしい音が響いて、羞恥に体の熱が上がる。
散々耳を舐めてから、次は首筋を舐められる。
「ひ、や、ぁ……」
擽ったくて、でもそうじゃないようなぞくぞくぞわぞわとした感覚に背筋が震えた。
首もべちょべちょに舐めて、魔王は更に下へと移動する。鎖骨を辿って、胸の上で止まった。
ぺったんこの胸を、大きな掌に揉み込まれる。その触れ方は、驚くほど優しかった。
片方を手で揉みながら、もう片方には唇で触れる。
「ひっ、ぅ……」
視線を落とすと、魔王の口からチラチラと鋭い牙が見えた。噛みつかれたらどうしようなんて考えてたら、本当に食べるように口を開けてぱくりと胸にしゃぶりついてきた。
「ひぃっ……」
噛み千切られる!
そう思って身を固くしたけど、いつまで経っても歯を立てられることはなかった。
ただ、じゅるっと音が鳴るほど強く吸われて、ぬめぬめと舐められる。
胸の突起を舌先でつつかれ、ぐにぐにと押し潰された。
「あんっ……」
甘い声が自分の口から漏れて、ぎょっとした。
咄嗟に手で口を塞ぐ。
するとすぐにその手を外された。
「口を塞ぐな。声を我慢するな。わかったな」
「……ぅ……は、はい……」
睨まれて、怖くて泣きながら頷いた。
再び胸を刺激される。
「ふぁっ、あっ……」
自分の甘ったるい喘ぎ声に羞恥が募る。こんな声出したくないのに。
これは強姦のはずなのに、まるで愛撫されているみたいだった。
なんで? 優しくしてって言ったから? 優しくすると見せかけてから痛めつけようとしてる?
意図はわからないけど、わかったところでなにも変わらない。されるがまま、受け入れるだけだ。
ぢゅうっと乳首を吸われて、びくびくって腰が跳ねちゃう。じっとしていられない。勝手に体が動いちゃう。
脚の間からなにかが溢れてきて、太股を擦り合わせた。体が熱い。感じたことのない感覚が、じわじわとせり上がってくる。
何度も喘がされて、漸く胸元が解放された。執拗に舐めしゃぶられたせいでべとべとに汚れている。突起も真っ赤になって腫れたように膨らんでた。
魔王の顔はお腹の方へと下りていく。臍をくりくりと指で撫でられて、またびくびくって体が跳ねた。反応を楽しむように、舌でもくにくにとほじられる。
「やぁっ……」
声を上げて身を捩れば、魔王は唇を歪めて嗤う。
そして、がばりと脚を広げられた。
「ぃやっ……」
さすがに拒絶の言葉が出た。けどもちろん、解放してもらえることはない。
恥ずかしい箇所を間近で見られている。いや、見られるだけでは済まないんだ。
魔王の指が、そこに触れる。同時に、くちゃりと粘ついた音が聞こえた。
「随分感じてたみたいだな。こんなにここを濡らして」
言われた言葉に、泣きそうなほどの羞恥を覚えた。
強姦されてるっていうのに、体は快感を感じてたんだ。キスすらしたことのなかった処女のくせに。私は無理やりされて気持ちよくなる淫乱なんだ。
自己嫌悪に陥るけれど、それも長くはつづかない。与えられる快楽に、すぐになにも考えられなくなる。
「ひぅっ……」
脚の間、入れるところの上にある小さな突起を舐められて、悲鳴が漏れた。痺れるような感覚に、目を見開く。
「な、なに、な、あっあっ、あんっ、あっあぁっ」
戸惑う私に構わず、魔王はそこを舐め回した。大きな舌で全体を撫でるように舐められる。
今までとは違う、これが快感なのだとはっきりわかる、強烈な感覚。
とぷとぷと、あそこから体液が溢れるのを感じる。
「あ、ひ、ひんっ、……や、やぁっ、だめ、だめっ」
なにかが込み上げてくる。どんどんどんどん膨らんで、弾けそうで、怖くて逃げようと身を捩っても、強い力で押さえつけられて逃げられない。
執拗にそこを舐められて吸われて、あっという間に限界がやって来る。
「だめだめ、あっ、あっ、あっ、あああぁっ」
宙に投げ出した爪先が、ぐっと丸まる。弾けるような快楽に、はしたなく腰を揺らした。それを恥ずかしいと感じる余裕もないくらいの快感だった。
「気持ちよかったか?」
尋ねる魔王の声を、ぼんやりと聞いていた。
気持ちよかった? あれが、気持ちいいってことなんだ。あんな、すごいのが。
「もっと気持ちよくしてやる」
もっと? あんなにすごかったのに、あれよりももっと気持ちよくなるの?
無意識に、期待に体がぞくりと震える。
ぬるん、と、今度は突起の下の入り口を舐められた。
「ひぁっ」
溢れる体液を啜られる。ぬぷっとなにかが差し込まれて、それが魔王の舌だって気づいて、体の内側を舐められている事実にくらくらした。
「や、だめ、だめ、あっ、んんっ」
やだ、だめって言っても聞こえていないかのように無視されて、他の場所と同じように散々中を舐められた。奥の方まで舌を伸ばされて、内部でそれが蠢くのを感じて、怯えて泣いても許してもらえない。
変な感じがして怖かったはずなのに、だんだん快感みたいなものを感じてきて、やっぱり淫乱なんじゃないかって悲しくなる。でも気持ちよくて頭が蕩けるみたいになって、またなにも考えられなくなる。
ぐちゅんぐちゅんって舌が何度も抜き差しされて、さっき散々弄られた突起を指で擦られて、ただ喘ぐことしかできなくなった。
「あんっ、あっ、あっ、ふぁっ、あっ」
ひたすら中を舐められて、体も頭もとろとろになった頃、舌を引き抜かれた。
魔王が上半身を起こすのを、荒い息を吐きながらぼうっと見つめる。
私の目の前で、魔王は自分の下半身をごそごそしている。
そして、そこから現れたそれを見て、呆けていた頭がしゃっきりと覚醒した。
それっていうのは所謂男性のあれで、つまり私の中に入ってくるやつだ。
そそり立つそれは、魔王の名に相応しいご立派なものだった。規格外、魔王サイズだ。
死んだ。今度こそ殺される。あんなので突き刺されたら確実に死ぬ。引き裂かれる痛みでショック死する。
お父さん、お母さん、先立つ不孝をお許しください。
梨花、私の分まで幸せになってね。
神様、来世はほんとまじでお願いしますよこんなのもう絶対勘弁ですよ。
せめて一秒でも速く楽になれますように。
「うぅっ……ふ、う、えっ……」
怖くて、また子供のように泣きじゃくる。
私のぐしゃぐしゃの泣き顔を、魔王はなんだかうっとりとした表情で見下ろしていた。
「そんな可愛い顔見せるな。優しくできなくなるだろ」
「ひぃっ……」
ぐいっと両脚を抱え上げられて、ぬるぬるに濡れたあそこに魔王の大きなそれを押し当てられた。
やっぱりどう考えても大きすぎる。私の穴のサイズと違いすぎる。そこに無理やり突っ込もうなんて、この目の前の男はやっぱり魔王なんだ。血も涙もないんだ。
なにも見たくなくてきつく目を閉じる。
大きくて硬いそれが、ぐっと強く押し付けられた。
「はっ、はっ、あっ……」
少しでも苦しさを誤魔化そうと、必死に呼吸を繰り返した。
狭い入り口を強引に押し広げるように、めりめり入り込んでくる。
ずぷんっと、先端が入れられ、突き破られる痛みが全身を駆け抜けた。
「ひっ……」
ずたずたにされるんだ。めちゃくちゃに引き裂かれて血だらけになって泣き喚いてもやめてもらえなくてボロ雑巾みたいに扱われるんだ。
そう思ったのに、痛みはすぐに引いていった。あんなに大きなものが埋め込まれているはずなのに。見ればお腹はぽこんと膨らんで、確かに異物が挿入されているのがわかる。
それなのに、いつまで経っても想像していた激痛に襲われることはなかった。それどころか、中を硬いもので擦られる感覚にぞくぞくと体が震える。
「んあぁっ、あっあっあっ、あぁんっ」
明らかに快感に溺れているとしか思えないようなはしたない声が口から漏れて、自分で自分が信じられない。
「あっあっ、なん、なんでぇっ、あっ、はぁんっ」
「どうした、リコ?」
戸惑う私の頭を、魔王の手が優しく撫でる。
「気持ちぃ、の、なんで、あっ、おっきぃのにぃっ、あっ、ひっ、なんで、気持ちいいの、んっ」
「俺の体液には媚薬と潤滑の効果があるからな。たっぷり舐めて塗ってやっただろ?」
「はっ、あっあっ、ん、ふぅっ」
「優しくしてほしいんだろう?」
甘やかすみたいにキスをされる。
なんで優しくしてくれるの? そんな疑問も掻き消えるほどの快楽に襲われる。
繋がった部分から、恥ずかしい水音が響いてた。
いっぱい中を擦られて、少しずつ奥へ奥へと埋め込まれていくのを感じる。
気づけばもっと奥にほしいと思うようになっていた。もっと、一番奥まで突き入れてほしいと、体だけでなく心まで求めていた。
きゅんきゅんと疼くその場所を硬いもので突き上げられて、快感に全身が痙攣した。
「ひあぁっ」
「ん、俺のでイけたな。たくさん締め付けて、俺の形をしっかり覚えろよ」
「はひっ、ひうぅっ、そんないっぱい、奥、らめ、いっぱい、ずんずんしちゃ、あっあっあ──っ」
気持ちよくて、もうそれしか考えられない。なにを言われてるのかも、なにを言ってるのかもわからない。
「あっ、あっ、んっ、っ〰️〰️!」
「気持ちいいか、リコ?」
「いいっ、気持ちいい、もう、ずっと気持ちいいのっ、あっ、中、擦られるの気持ちいいっ」
「奥を突かれるのはどうだ? ほら、こうやって」
「ああぁっ、あっ、きもちいっ、おく、おく、きもちいい、あっ、んあぁっ」
揺さぶられて、激しく突き上げられても、感じるのは快感だけだった。
自分が縋りつく相手が誰なのかももうわかってなくて、必死に腕を伸ばした。
体を撫でられて、キスをされて、温かくて気持ちよくて、自覚もなくもっともっとってねだってた。
「リコ、出すぞ、お前のここに、かけてやるからな」
「んあっあっ、おく、おくぅっ」
意識もしてないのに中が勝手に動いて魔王のものを締め付ける。
どぷどぷっと熱い体液がお腹の奥で弾けるのを感じた。
媚薬効果のある魔王の体液を浴びせられて、でもそんなこともわからなくなってる私は、ただ快楽に溺れるだけだ。
「ああっ、あっ、気持ちいっ、お腹、気持ちいい、あっ、や、抜かないでぇっ」
ずるずるずるっと埋められていたものを抜かれて、必死に力を込めて引き止めようとするけれど、全て抜き取られてしまった。
喪失感に涙を流す私の体が引っくり返される。
なにをされるのか理解する前に、今度は後ろから大きなものを突き入れられた。
「ひ、ああぁっ」
大量に出された体液で滑りのよくなった中を、さっきよりも激しく擦られる。私は悦んで、恥じらいもなく大きな声を上げた。
「あっあっあっ、んんっ、は、あ、あぁっ」
「気持ちいいのか? そんなぎゅうぎゅう締め付けて」
「んぅっ、いい、あっあっ、〰️〰️っ」
「はは、もうイきっぱなしだな」
「ひっ……ん、はぁっ、あっあっ」
「たっぷり可愛がってやる」
大きな手に腰を掴まれて、何度も何度も奥を突かれて。
自分がなにをされてるかなんてもうわからなくて。
勇者様でも、リカ様でもなく、リコって私の名前を呼ぶ低い声と。
こんな私を抱き締めてくれる温もりが。
嬉しくて、ただ幸せだった。
「ん……」
目を覚ました私は、ぼんやりと見覚えのない室内を見据えた。
いつもとは肌触りの違うシーツ。弾力の違うベッド。全裸の自分。背中にべったりと張り付く体温。背後から回された体に絡み付く太い腕。
一つ一つ確認して、自分の置かれてる状況を思い出した。血の気が引いていく。
私はまだ生きてる。生かされてる。そのことに、喜ぶよりも絶望した。
今度こそ拷問されるのかも。魔族の拷問なんて、きっととんでもなく残酷なものに違いない。想像を絶する責め苦を味わわされるんだ。
ぶるぶると体が震える。
「ん、起きたのか?」
背後からかけられた声に、ビクッと肩が跳ねた。
「腹が減っただろ? 人間は食わなきゃ死ぬからな。今、食事を用意させる」
ご飯を与えるってことは、体力をつけさせて長く拷問を楽しむつもりなんだ。生かさず殺さず嬲られつづけるんだ。
更に体が震えて、「寒いのか?」って魔王に体をシーツでくるまれた。
そこでドアをノックする音が聞こえた。魔王が入れと命じたら、食事の乗ったカートを押して魔王の配下が入ってきた。
その早さに驚いた。食事を用意させるって、ついさっき言ったばかりなのに。
お腹は空いてるけど、拷問のことを思うとあんまり食べたくない。でも魔王に体を起こされて、ベッドに座らされる。私の後ろに魔王が座って、「食べろ」と言われたら、怖くて逆らえなくて渋々食事に手を伸ばした。
美味しくて、思わず夢中で食べてた。
「魔王様、その人間はどうするおつもりで?」
「俺の嫁にする」
「ぶっ」
口に含んだスープを皿に吹き出した。
そんな私のことなんて気にも留めずに配下は会話をつづける。
「畏まりました。ではそのように準備を進めて参ります」
さらっと言って、頭を下げて部屋を出ていった。
いやいやいやいや、ちょっと待って? どういうこと? あれ? 聞き違い? そうだよね?
「どうした、リコ。手が止まってるぞ」
魔王はパンをちぎり、私の口に運ぶ。無理やり詰め込まれて急いで飲み込んだ。
「ま、ま、待ってください!」
「ん? もう腹いっぱいか?」
「はい、もうご飯はいいですごちそうさまです。それよりも、今、なんて言ったんですか? 私のこと、どうするって言ったんです?」
「俺の嫁にする」
「嫁!?」
「嫁」
「それって伴侶とか、妻とか、奥さんとかと同じ意味ですか!?」
「ああ、そうだ」
詰め寄る私に、魔王は当然のように頷く。
聞き間違いじゃなかった? 嫁? は?
私はもうパニックで泣きそうだ。なんかもう色々ありすぎて情緒不安定だ。
「ちょ、ちょ、待ってください! 私のこと、殺すんですよね!?」
「自分の嫁を殺すわけがない」
「で、で、でも、勇者を殺すって……」
「リコは勇者じゃないだろ」
ずばり言われて、言葉に詰まる。
「っ…………そう、ですけど」
「ま、勇者だったとしても嫁にしたけどな」
「な、なんで、私なんか……」
「リコを気に入ったからだ」
「……私のこと、なにも知らないくせに……」
内気で根暗で人見知りで言いたいことも言えなくて、梨花だって嘘ついて勇者の振りをしていた臆病者だ。
「そうだな。でも、お前が泣くほど辛い思いをしてたのは知ってる」
「え……?」
「俺が現れる前から一人で泣いてたんだろ?」
「…………」
「あそこにいて辛い思いをしてるなら、俺があそこから連れ出してやろうと思ったんだ」
「どうして……」
「リコの泣き顔はそそられるが、リコが俺以外のやつに泣かされるのは腹が立つ。どうせ泣くなら、俺に泣かされてろ」
「そ、そんな……」
勝手なことを言わないでほしい。でも、複雑だけれど、魔王の言葉に喜ぶ自分もいる。救われたと思っているのも事実だ。だからって、いきなり嫁とか言われても、すぐに返事なんてできない。
なんて戸惑っていたけど、相手は魔王。そもそも私の返事なんて最初から求めていなかった。
「嫌がって逃げ出すようなら、逃げる気がなくなるまで躾るからな」
「え?」
「朝から晩までお前のここに俺のもん嵌めっぱなしにして、俺の体液で快楽漬けにしてやる。リコは小さくて軽いからな、嵌めっぱなしでどこでも連れていけるしな。リコが俺から離れたくなくなるまで、いつでもどこでも中出しする。あ、なんかそれめちゃくちゃ楽しそうだな。今から実行するか」
「是非私を魔王様の嫁にしてください。お好きなように監禁してください」
私は迷わずその場に三つ指をついて反抗の意思がないことを伝えた。
相手は魔王だ。血も涙もない、良心もない。きっとただの脅しじゃなくてやると言ったらやるのだ。
対して私は花も恥じらう乙女で、それは最早拷問でしかない。地下牢にでも監禁された方がましだ。
「なんだ、連れ回されるのは嫌か?」
「嫌です!」
「ま、リコの可愛い泣き顔は他の奴に見せたくないしな」
取り敢えず拷問は免れたようで、心の底からほっとした。
それから、おずおずと話を切り出す。
「あの、こんなことお願いするのは大変図々しいのですけど……」
「なんだ?」
「人間に、危害を加えるのをやめていただきたくて……」
召喚術は一度しか使えないって言ってた。だからもう勇者を召喚するのは不可能で、このままだと人間は魔族に滅ぼされる。
悪気はなかったけど、私が嘘をついて騙していたのは事実で、それなのに、滅ぼされるのを黙って見ているなんてあまりにも無責任だ。勝手に連れてこられた私が責任を感じる必要はないのかもしれないけど、やっぱり見て見ぬ振りはできない。
「平和条約とか不可侵条約とか、できればそういうのを人間と結んでほしいです……」
「へえ、人間を殺さないでほしいんだな?」
「は、はい……」
「だったら、体を使っておねだりしろ」
「は……え、えっと……?」
ニヤリと笑った魔王が、私の体を抱き寄せる。
「可愛くねだって、俺に言うこと聞かせてみろよ」
「え…………?」
魔王の浮かべる悪辣な笑みに嫌な予感しかしなかったけど、もう引き返せる状況じゃなかった。
それから私は言われるままに脚を広げて自分であそこを指で開いていやらしい言葉を言わされて、魔王の体に跨がって胸を摩り寄せて腰を振っていやらしい言葉を言わされて、魔王の大きいそれを舐めてしゃぶっていやらしい言葉を言わされて、身体中に魔王の精液を浴びせられていやらしい言葉を言わされた。
もうお嫁に行けないくらいの辱しめを受けることとなった。魔王のお嫁に行くけど。
散々な目に遭ったけど、魔王はちゃんと私のお願いを聞いてくれた。よかった、私にあそこまでさせておいて人間を滅ぼすような鬼じゃなくて。
そんなこんなで私は偽の勇者じゃなくて魔王の嫁になった。
勇者と間違えられ召喚されたけど、結果的に人間が滅ぼされるのを守ることができて世界に平和は訪れたし、魔王の嫁としての私の生活も旦那の絶倫さに目を瞑ればそれなりに幸せだ。
つまり、めでたしめでたしなんだと思う。一応。
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読んでくださってありがとうございます。
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