恋するうさぎ

よしゆき

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ひなの場合

その後

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 ひなが司郎の恋人になって数週間が過ぎた。
 あれからひなは毎日司郎に弁当を作ってきている。昼休みだけは、一緒に過ごしていた。一定の距離を置き、できるだけ視線を合わせないように。そんな状態ではあるが、司郎と一緒にいられるだけでひなは嬉しかった。
 せっかく同じ学校に通っているのに、校内で一切恋人と関われずにいるのはあまりにも寂しすぎる。それでなくとも、ひなの体質のせいで手を繋ぐことはおろか、人前で見つめ合うことさえ難しいのだ。
 だから司郎と二人きりで過ごせる昼休みは、ひなにとって大切な時間だった。
 その日もひなは司郎と一緒に弁当を食べた。ひなは彼より先に出て、教室へ戻る。一応司郎と付き合っていることは隠しているので、時間を置いてから彼も教室に戻ってくる。
 けれど五時間目の授業がはじまっても、司郎は教室に現れなかった。
 どうしたのだろう。サボりだろうか。でも、司郎はいつも真面目に授業を受けている。なにかあったのだろうか。
 様子を見に行こうか迷っているうちに六時間目の授業がはじまってしまった。
 放課後になっても司郎は戻ってこなかった。鞄は教室に置いたままなので、早退とも考えにくい。
 とりあえずひなは、昼休みに一緒に過ごしている空き教室へ向かった。
 そっとドアを開くと、司郎はまだそこにいた。
 彼は床に倒れていた。ひなは慌てて彼に近づく。
 膝をついて声をかけようとして、聞こえてきた穏やかな寝息に口を噤む。
 どうやら眠っているだけのようだ。ひなはほっと肩の力を抜く。
 そういえば、テストが近いので勉強していると言っていた。司郎はバイトをしているので、睡眠時間を削って勉強に当てているのだという。寝不足なのだろう。
 ひなは司郎の寝顔を観察する。体調が心配だが、顔色は悪くない。
 気づけばひなは彼の寝顔に見惚れていた。
 思えば寝顔を見るのははじめてだ。目付きが鋭く顔つきが大人びている司郎だが、寝顔はあどけない。抱き締めて頬擦りしたくなるような衝動に駆られる。
 どうしよう。写真を撮りたい。でも本人の許可なく撮るなんてできない。盗撮ではないか。でも、写真に残せばいつでもこの寝顔を見ることができる。この可愛い寝顔を。撮ってしまおうか。司郎が起きてから、本人に報告すればいい。彼が嫌がれば写真を消去する。もしかしたら、残しておいていいと言ってくれるかもしれない。司郎は優しいから、ひなが頼み込めば無理に消去させようとはしないのでは。いや、彼の優しさにつけ込むようなやり方はよくない。忘れられないように目に焼き付けるのだ。
 そのとき、司郎の瞼がパチリと開いた。
 無意識に至近距離で寝顔を凝視していたひなは、飛び上がるように彼から離れた。

「しししし司郎さん!! すみません、起こしてしまいましたか!?」

 司郎は欠伸をしながら体を起こす。

「いや……っつーか、今何時だ?」
「もう放課後ですよ」
「マジか……寝るつもりなかったのに」

 司郎はがしがしと頭を掻く。
 どうやらうっかりうたた寝……熟睡してしまったようだ。五時間目が終わったときに様子を見に来るべきだったとひなは後悔した。
 ひなが悪いわけではないがなにもできなかったことを反省していると、司郎の視線がこちらに向く。

「それよりお前、耳出てるぞ」
「みみ……?」

 一瞬なんのことか理解できず、首を傾げた。けれどすぐに思い当たり、反射的に頭に手を伸ばす。そこにはしっかりと、兎耳が生えていた。
 リボンを忘れていたことに今気づいた。というか、兎耳が生えているということは、発情していると宣言しているようなものだ。
 なにも言われていないのに、ひなは言い訳していた。

「ちちち違いますよ!? 司郎さんの寝顔を見て疚しいことなんて一切考えてませんからね!! ただただ純粋な気持ちで寝顔を眺めていただけで、決していやらしい妄想とかしてません!!」

 本当のことなのに、言い訳すればするほど嘘臭くなるのはなぜだろう。
 司郎は呆れたように息を吐く。

「別になにも言ってないだろ」
「だって……っ」
「今更、お前が一人で妄想して発情したところでなんとも思わねーよ」
「だだだだからしてませんって!!」
「冗談だよ」

 司郎は笑う。
 ひなは真っ赤になって唸り声を上げた。
 彼はこうして、たまにひなをからかってくる。でも向けられる笑顔が優しくて、楽しそうな司郎の顔が見られるならいいかと思えてしまうのだ。
 だから、「こっちに来い」と手招きされれば、ひなは素直に彼に近づく。
 司郎は制服の中に着ていたパーカーを脱いだ。パーカーの下はTシャツだった。
 戸惑うひなに、司郎は脱いだパーカーを着せる。

「わっ……」
「これなら、耳も隠れるだろ」

 言って、フードを被せた。司郎のパーカーはひなにはブカブカで、フードを被れば頭はすっかり覆われる。兎耳もしっかり隠れた。

「あ、ありがとうございます……」

 袖に腕を通しながら礼を言う。
 しかし、彼の匂いが染み込んだパーカーを着れば完全に発情してしまう。というか、もう我慢できなくなっている。

「司郎さん……」

 欲情し、潤んだ瞳で司郎を見つめる。
 司郎はスカートの中に手を突っ込んだ。

「パンツ脱いどけ」
「えええっ」
「お前、すぐ汚すだろ」
「うう……」

 その通りなので、ひなは大人しくパンツを脱がされた。
 ぬちょぬちょのパンツを履いたまま帰るのも、ノーパンで帰るのも嫌だ。
 腕を引かれ、床に座る司郎を跨ぐ。
 距離が近づき、自然と二人の唇が重なった。優しく唇を吸われ、緩やかな快感に酔いしれる。
 小さな舌を懸命に伸ばし、彼の口内を味わう。混ざり合う唾液を飲み込み、互いの舌を絡め合った。
 
「ん、はぁっ……司郎さ、あ、待って……」
「ん……?」
「司郎さんの制服、汚してしまいそうです……」

 今にも秘所から愛液が零れ落ちそうだ。司郎を跨いでいる状態なので、滴り落ちれば彼のズボンを汚してしまう。
 涙目で訴えると、司郎は笑った。

「もうそんなに濡れてんのか?」
「す、すみません……」
「謝んなって言ってんだろ」

 司郎の手が、蜜を漏らす膣孔に触れる。そこは物欲しげにひくひくと口を開けていた。

「ふあっ、んん……」
「ああ、もうぐちょぐちょだな」

 少し撫でただけで、司郎の指は蜜で汚れる。自分の体液に濡れる彼の手を見て、羞恥を感じながらも酷く興奮してしまう。
次から次へと蜜が溢れ、止まらない。

「あぁっ、あ、んっ……」

 ぐちゅりと音を立てながら指が差し入れられる。膣襞が嬉々としてそれに吸い付き、うねりはじめた。
 膣内の動きに、司郎は吐息を漏らす。

「指だけですげぇな」
「ひ、あ……って、気持ち、い……あっ」

 指が増やされ、蜜壺を掻き回される。それと同時に、親指でクリトリスを押し潰され、ひなは快感に身悶えた。

「んやあぁっ、だめ、あぁっ、気持ちいい……っ」

 ガクガクと震える体を支えるために、司郎にしがみつく。
 離れていく指に、追い縋るように胎内が蠢いた。けれど指は引き抜かれてしまい、膣孔が浅ましく開閉を繰り返す。
 取り出された司郎の欲望を押し当てられると、悦んで先端に吸い付いた。
 すぐにでも奥に取り込もうとする膣孔の淫らさに、司郎は熱い息を吐く。

「えろいな」
「やぁん……っ」
「俺のことすげぇ欲しがってんのがわかって、めちゃくちゃに犯したくなる」
「っ……〰️〰️!!」

 司郎の言葉に、ひなは自分から腰を落として屹立を飲み込んでいた。考えるよりも先に、我慢できず体が動いていた。
 一気に根本まで埋め込み、ひなは喉を反らせて絶頂を迎える。

「はっ……きつ……」
「んひっ、ひぅ、……うぅっ」
「勝手に突っ込みやがって……そんなに欲しかったのか?」
「んん、欲し……司郎さんの、いっぱい……っ」

 こくこくと頷くと、激しく内奥を突かれた。じゅぽじゅぽと音が鳴るほど何度も蜜壺を穿たれ、ここが学校であることも忘れ、嬌声を上げる。
 頭がおかしくなりそうな快楽に、ひなは怯えた。
 
「ああぁっ、だめ、そんなに、しちゃ、やぁっ」
「ん、……めちゃくちゃに、犯されたかったんだろ……っ」
「ひゃうぅっ、だめ、だめなの……あぁんっ」
「じゃあ、っく……やめるか……?」
「ぃやあっ、だめ、やめないで、司郎さん、して、いっぱい、めちゃくちゃにしてぇ……っ」

 動きを止められそうになり、ひなは涙を流して懇願した。
 素直に求めれば、更に激しく膣内を蹂躙された。蠢く襞を剛直が擦り上げ、子宮口をぐりぐりと刺激される。
 ぎゅうっと司郎の体に縋りつけば、しっかりと抱き締め返してくれた。
 司郎の匂いに包まれ、きゅんきゅんと胸が締め付けられる。
 膣内が痙攣し、陰茎にきつく絡み付いた。
 堪えるように司郎は小さく呻き声を漏らし、一際強く最奥を貫く。胎内の一番奥で、彼の熱が弾けた。
 悦びに膣襞が蠢動し、吐き出されるものを全て飲み込む。
 ひなは恍惚とした表情で子宮を満たされる悦楽に震えた。



 さすがに校内で何度もまぐわうわけにもいかず、どうにかこうにか理性を総動員してひなは自分の体の熱を鎮めた。
 パーカーのフードでしっかりと兎耳を隠し、ひなは学校を出た。一メートル以上離れた隣を、司郎が歩いている。
「送らせろ」と言われたので、お言葉に甘えることにした。距離を開けなければならないのは残念だが、一緒に下校できるのは嬉しい。ひなにとっては非常に貴重な時間だ。不自然に離れて歩いても、すっかり日が暮れて周りに人目がないので不思議に思われることもない。
 嬉しいけれど、贅沢を言うならばやはり手を繋いで歩きたい。せめてもう少し近づきたい。
 聞いた話では、長く一緒にいれば耐性がついて発情しにくくなるのだという。現に、ひなの両親は手を繋いでデートしている。そこに達するには何年もかかるようだが。
 自分もいつか、司郎と普通にデートできる日が来るのだろうか。
 ひなはそっと、隣というには遠すぎる距離を歩く司郎を見つめた。
 ひなよりもずっと背が高い。肩幅も広い。体つきががっしりしていて、抱き締められるとすっぽりと腕に収まってしまう。目付きは鋭くて、怖がられることも多いがひなにはとてもカッコよく見える。こうして見つめているだけで、ドキドキしてドキドキじゃ済まなくてすぐに興奮してしまいそうになるくらいに。
 司郎がひなの視線に気づいた。

「どうした?」
「大好きです」
「はあ!?」
「あ、ちちち違います、間違えました! 司郎さんのこと考えててそれで無意識に言っちゃって……!」
「お前って、照れるくせに言動が大胆っつーか……」

 呆れたように視線を逸らす司郎の顔も、僅かに赤くなっていた。
 なかなか見られない司郎の照れ顔に、きゅんっと心臓を撃ち抜かれた。
 寝顔同様に舐めるように見つめたいところだが、外で理性を飛ばすわけにはいかない。ひなは泣く泣く顔を背けた。
 今は無理だけれど、でもいつか、彼と手を繋いで歩きたい。
 その日が訪れることを、ひなは夢見た。



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 読んでくださってありがとうございます。
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