33 / 106
33.気の毒な妄想じゃなかった!
しおりを挟む
「一週間くらい前、第三室に来客があってね。たまにあるのよ。誰それを告発してくれっていう依頼が。袖の下つきで」
「ピョートル・ニコライエフ……」
……頭のどこかにひっかかる名前だ。
「ニコライって覚えてる? ニコライ・ヴァーヴェリビッチ。分厚い眼鏡で猫背で目だなない。帝国からの留学生」
「え? あ、ああ覚えてる」
あの名前がここで出て来るのか? なんで?
オレさえいなければ、元奥方が結ばれるはずだった、実はイケメンのニコライが(あくまで元奥の妄想です!)。
さっきマリーに話した時だって、妄想なのに実名出しちゃかわいそうだから、イケメンとしか言わなかったのに。
「来たのよ。見違えたわ。トレードマークの分厚い眼鏡もかけずにね。背筋までピンっと伸ばしちゃって。あたしの好みじゃないけどイケメンだった。だけど、あれは間違いなくあのニコライ。ピョートルって名乗ってたけど」
「!」
思い出した!
ニコライの本当の名前は、ピョートルだと、元奥方が言っていた! しかもイケメンと!
「イケメン? イケメンだったのか?」
「客観的に見れば。大丈夫。あたしの好みじゃないから」
「名乗った名前はピョートルだったか? 聞き間違いじゃないの?」
「ピョートル・ニコライエフだった。帝国からの留学生って偽名を使うこと多いから名前違うのは驚くほどのことじゃないけど」
オレは頭を抱えた。
うわ……元奥方の妄想通りじゃないか!
「何か恨みでも買ってた? 学園時代の恨みだとしたら、ずいぶんと執念深いというか、今更だよね」
いっ、いや。まさか。
偶然、素顔を見る機会があっただけだよな。多分。そうに違いない。
名前もたまたま知り合いとしゃべってるのを聴いて……だよな?
「あ、あいつが、オレを告発しろって言ってきたのか?」
「デブが一発で安受けあいするくらいの大金と一緒に資料も持ってきた。あんたが横領してるとか、この関所の兵隊たちは賭け事にのめりこんでるとか、最初にあいつが言ってたようなことが書いてあった」
どうしてほとんど面識のないニコライが?
オレを陥れて何の得がある?
まさか。いや、そんな。
「……ざまぁってやつなのか」
「ざまぁ?」
「あ、ああ、元奥方は言ってたんだ。オレがいなければ、あのニコライと結ばれるはずだったって。なぜか元奥方、ニコライがイケメンなことも、ピョートルだってことも知ってた。ま、まぁきっと偶然知ったんだろうけど。だって妄想だし!」
そうに決まってる!
妄想の一部は本当だったけど、まさか、ほとんど全部とかありえないでしょ!
「……偶然じゃないかも」
「マリーまで何を言い出すんだよ。こっ怖がらせるなよ」
オレは基本的に、積み重ねで考えつかないことが苦手なのだ。
さっきマリーが言っていたように、学生時代。急に試験範囲が変更になって、大いにうろたえ、途方にくれたことがある。
あの時と同じ。いや、あの時より深刻!
「あたし調べたことがあるの。ヒースの元奥さんのこと、そのころは元ついてなかったけど……ああいう商売が、どうしてうまくいってるのかなって」
「商才があったからじゃ」
「『ショーギ』も『オセーロ』も他のゲームも、一番肝心なのはアイデアでしょ? 逆に言えばアイデアを真似すれば、他の人だって売りだせるじゃない」
「……それは、確かに。あれだけ流行したなら、真似した商品が溢れるはずだよな……」
だけど、この関所で購入したのには、同じ柄の箱に同じマークがついていた。
「なのに元奥さんの商会が市場を独占してる。だから大儲け。でも、どうやって? 調べたらね。大きな力がバックにいた」
「大きな力?」
「ウラル商会。それが元奥さんの商会の大口出資者になってた。あたしは、あんたが実務の方をしてるのかと思ってたから、いつのまにそんなツテを作ってたんだ、って感心したけど。その様子だと知らなかったみたいね」
ウラル商会は、帝国と我が国の間の貿易を一手に仕切っている商会だ。
帝国は300年に渡って最大の脅威だが、完全に行き来がないわけじゃない。
それにここ50年は戦争はなかったから(戦争寸前まで行った紛争はあった)、交流は拡大の一途だ。
貿易もしてるし、10年前くらいからは留学生もいる。
だからこそ、うちの王太子に婚約破棄をされた侯爵令嬢が、お忍びで留学していた帝国の第2皇子に求婚されて、手に手をとって帝国へ行ってしまうなんてことが起きるわけだ。
「……元奥方はイケメンに助けられるはずだったって言ったろ。そいつがニコライなんだよ」
「え。元奥さんから聞いたっていうあの話の?」
「元奥方は、ニコライがピョートルだってことも知ってた……」
なんだこの展開は!?
「妄想じゃなかった……そういうこと?」
「あ、ああ。元奥方は言ってたんだ。ニコライエフ侯爵夫人になって実家と元婚約者の家にざまぁをするって。ざまぁって言うのは、復讐のことらしい。帝国語だったのかも……」
「ヒースも復讐の対象にってこと? だから告発を?」
「ニコライにとってオレは、結ばれる筈だった相手を奪った上に、『白い結婚』まで宣言したカスなんだ! 元奥方からしたって、さっきマリーに言われて気づいたけど、あいつらに加担したも同じなんだ。予定が狂って、2年間待たされたんだからオレを恨んで当然だ!」
オレがマリーとの縁を無理やり断ち切られたように。
元奥方も、ニコライだかピョートルとの縁を断ち切られたのだ。
あの夜会で。
アホボンボンに婚約破棄宣言をされて、追放されたところを、颯爽と現れたニコライに助けてもらう筋書きになってたんだ!
オレがあの場で莫迦面さらしてさえいなければ!
あれは妄想じゃなくて、オレの存在が計画を台無しにした恨み言だったんだ!
「ヒース。落ち着いて」
「これが落ち着いていいいいいられないよ! だ、だってオレ、復讐のしかも――」
オレのほほに、手がそえられた。
つつみこむように、やわらかい。
だけど関節や指先のあちこちが固くなっている手だ。
働いている人の手。
安心できて、信頼できる手。
「落ち着いて。もしそうだったとしても、あんたをすぐにどうこう出来るわけじゃない。デブとおつき3人の能力じゃ、今日明日のうちにあんたを王都へ連行できるわけがない。それに、ここの兵隊さんたちはあんたの味方。力づくでどうこうされることもない。違う?」
「……ちがわない、だけど」
「時間はある。それに、2年前のパーティの時とちがってあたしが側にいる。だいじょうぶ。なんとかなるから。今までだってそうだったでしょ?」
ああ。マリーだ。
目の前にいるのは、すっかりきれいになって、オレを受け入れてくれて、彼女になってくれたマリー。
だけど、学生時代からの頼れる友人で同志で親友でもあるマリーだ。
試験範囲が急に変更になって、うろたえていたオレを、すぐに落ち着かせて、対策を一緒に考えてくれたマリーだ。
学園時代。ずっと助けてくれたマリールー・ライトだ。
「ああ……そうだね。マリーの言う通りだ、なんとななる」
「ひと風呂浴びてさっぱりしましょう。それから、あんたが信頼できる人達を呼んで。あたしたちと違う視点で見てくれるだろうから」
「ピョートル・ニコライエフ……」
……頭のどこかにひっかかる名前だ。
「ニコライって覚えてる? ニコライ・ヴァーヴェリビッチ。分厚い眼鏡で猫背で目だなない。帝国からの留学生」
「え? あ、ああ覚えてる」
あの名前がここで出て来るのか? なんで?
オレさえいなければ、元奥方が結ばれるはずだった、実はイケメンのニコライが(あくまで元奥の妄想です!)。
さっきマリーに話した時だって、妄想なのに実名出しちゃかわいそうだから、イケメンとしか言わなかったのに。
「来たのよ。見違えたわ。トレードマークの分厚い眼鏡もかけずにね。背筋までピンっと伸ばしちゃって。あたしの好みじゃないけどイケメンだった。だけど、あれは間違いなくあのニコライ。ピョートルって名乗ってたけど」
「!」
思い出した!
ニコライの本当の名前は、ピョートルだと、元奥方が言っていた! しかもイケメンと!
「イケメン? イケメンだったのか?」
「客観的に見れば。大丈夫。あたしの好みじゃないから」
「名乗った名前はピョートルだったか? 聞き間違いじゃないの?」
「ピョートル・ニコライエフだった。帝国からの留学生って偽名を使うこと多いから名前違うのは驚くほどのことじゃないけど」
オレは頭を抱えた。
うわ……元奥方の妄想通りじゃないか!
「何か恨みでも買ってた? 学園時代の恨みだとしたら、ずいぶんと執念深いというか、今更だよね」
いっ、いや。まさか。
偶然、素顔を見る機会があっただけだよな。多分。そうに違いない。
名前もたまたま知り合いとしゃべってるのを聴いて……だよな?
「あ、あいつが、オレを告発しろって言ってきたのか?」
「デブが一発で安受けあいするくらいの大金と一緒に資料も持ってきた。あんたが横領してるとか、この関所の兵隊たちは賭け事にのめりこんでるとか、最初にあいつが言ってたようなことが書いてあった」
どうしてほとんど面識のないニコライが?
オレを陥れて何の得がある?
まさか。いや、そんな。
「……ざまぁってやつなのか」
「ざまぁ?」
「あ、ああ、元奥方は言ってたんだ。オレがいなければ、あのニコライと結ばれるはずだったって。なぜか元奥方、ニコライがイケメンなことも、ピョートルだってことも知ってた。ま、まぁきっと偶然知ったんだろうけど。だって妄想だし!」
そうに決まってる!
妄想の一部は本当だったけど、まさか、ほとんど全部とかありえないでしょ!
「……偶然じゃないかも」
「マリーまで何を言い出すんだよ。こっ怖がらせるなよ」
オレは基本的に、積み重ねで考えつかないことが苦手なのだ。
さっきマリーが言っていたように、学生時代。急に試験範囲が変更になって、大いにうろたえ、途方にくれたことがある。
あの時と同じ。いや、あの時より深刻!
「あたし調べたことがあるの。ヒースの元奥さんのこと、そのころは元ついてなかったけど……ああいう商売が、どうしてうまくいってるのかなって」
「商才があったからじゃ」
「『ショーギ』も『オセーロ』も他のゲームも、一番肝心なのはアイデアでしょ? 逆に言えばアイデアを真似すれば、他の人だって売りだせるじゃない」
「……それは、確かに。あれだけ流行したなら、真似した商品が溢れるはずだよな……」
だけど、この関所で購入したのには、同じ柄の箱に同じマークがついていた。
「なのに元奥さんの商会が市場を独占してる。だから大儲け。でも、どうやって? 調べたらね。大きな力がバックにいた」
「大きな力?」
「ウラル商会。それが元奥さんの商会の大口出資者になってた。あたしは、あんたが実務の方をしてるのかと思ってたから、いつのまにそんなツテを作ってたんだ、って感心したけど。その様子だと知らなかったみたいね」
ウラル商会は、帝国と我が国の間の貿易を一手に仕切っている商会だ。
帝国は300年に渡って最大の脅威だが、完全に行き来がないわけじゃない。
それにここ50年は戦争はなかったから(戦争寸前まで行った紛争はあった)、交流は拡大の一途だ。
貿易もしてるし、10年前くらいからは留学生もいる。
だからこそ、うちの王太子に婚約破棄をされた侯爵令嬢が、お忍びで留学していた帝国の第2皇子に求婚されて、手に手をとって帝国へ行ってしまうなんてことが起きるわけだ。
「……元奥方はイケメンに助けられるはずだったって言ったろ。そいつがニコライなんだよ」
「え。元奥さんから聞いたっていうあの話の?」
「元奥方は、ニコライがピョートルだってことも知ってた……」
なんだこの展開は!?
「妄想じゃなかった……そういうこと?」
「あ、ああ。元奥方は言ってたんだ。ニコライエフ侯爵夫人になって実家と元婚約者の家にざまぁをするって。ざまぁって言うのは、復讐のことらしい。帝国語だったのかも……」
「ヒースも復讐の対象にってこと? だから告発を?」
「ニコライにとってオレは、結ばれる筈だった相手を奪った上に、『白い結婚』まで宣言したカスなんだ! 元奥方からしたって、さっきマリーに言われて気づいたけど、あいつらに加担したも同じなんだ。予定が狂って、2年間待たされたんだからオレを恨んで当然だ!」
オレがマリーとの縁を無理やり断ち切られたように。
元奥方も、ニコライだかピョートルとの縁を断ち切られたのだ。
あの夜会で。
アホボンボンに婚約破棄宣言をされて、追放されたところを、颯爽と現れたニコライに助けてもらう筋書きになってたんだ!
オレがあの場で莫迦面さらしてさえいなければ!
あれは妄想じゃなくて、オレの存在が計画を台無しにした恨み言だったんだ!
「ヒース。落ち着いて」
「これが落ち着いていいいいいられないよ! だ、だってオレ、復讐のしかも――」
オレのほほに、手がそえられた。
つつみこむように、やわらかい。
だけど関節や指先のあちこちが固くなっている手だ。
働いている人の手。
安心できて、信頼できる手。
「落ち着いて。もしそうだったとしても、あんたをすぐにどうこう出来るわけじゃない。デブとおつき3人の能力じゃ、今日明日のうちにあんたを王都へ連行できるわけがない。それに、ここの兵隊さんたちはあんたの味方。力づくでどうこうされることもない。違う?」
「……ちがわない、だけど」
「時間はある。それに、2年前のパーティの時とちがってあたしが側にいる。だいじょうぶ。なんとかなるから。今までだってそうだったでしょ?」
ああ。マリーだ。
目の前にいるのは、すっかりきれいになって、オレを受け入れてくれて、彼女になってくれたマリー。
だけど、学生時代からの頼れる友人で同志で親友でもあるマリーだ。
試験範囲が急に変更になって、うろたえていたオレを、すぐに落ち着かせて、対策を一緒に考えてくれたマリーだ。
学園時代。ずっと助けてくれたマリールー・ライトだ。
「ああ……そうだね。マリーの言う通りだ、なんとななる」
「ひと風呂浴びてさっぱりしましょう。それから、あんたが信頼できる人達を呼んで。あたしたちと違う視点で見てくれるだろうから」
22
あなたにおすすめの小説
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ここはあなたの家ではありません
風見ゆうみ
恋愛
「明日からミノスラード伯爵邸に住んでくれ」
婚約者にそう言われ、ミノスラード伯爵邸に行ってみたはいいものの、婚約者のケサス様は弟のランドリュー様に家督を譲渡し、子爵家の令嬢と駆け落ちしていた。
わたくしを家に呼んだのは、捨てられた令嬢として惨めな思いをさせるためだった。
実家から追い出されていたわたくしは、ランドリュー様の婚約者としてミノスラード伯爵邸で暮らし始める。
そんなある日、駆け落ちした令嬢と破局したケサス様から家に戻りたいと連絡があり――
そんな人を家に入れてあげる必要はないわよね?
※誤字脱字など見直しているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妹の方が良かった?ええどうぞ、熨斗付けて差し上げます。お幸せに!!
古森真朝
恋愛
結婚式が終わって早々、新郎ゲオルクから『お前なんぞいるだけで迷惑だ』と言い放たれたアイリ。
相手に言い放たれるまでもなく、こんなところに一秒たりとも居たくない。男に二言はありませんね? さあ、責任取ってもらいましょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる