叶わないふたりが恋をする

垣崎 奏

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2.※

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「…遅かったな」

 その声は、フローレンスの記憶が正しければアーネストだ。肩を抱かれ、腰掛けるよう案内されたのはおそらくベッドかソファの縁。座った途端、後ろへと押し倒された。待っていたのが誰なのか知らしめるように、目隠しを取られる。

 チカチカする視界が落ち着くのを待つ間に目に入ったのは、王太子のアーネスト、第二王子イライジャ、第三王子ウィズダムだった。

(色の違う王子が、やっぱりいない……)

 寝室はカーテンを引かれてはいたが、煌々と灯されていた。手枷を外され押さえつけられるが、猿轡はそのままだ。

「オレが王太子で、お前が王太子妃になるのは決まっているが、イライジャもウィズダムも、王家の正統な血を引いている。世継ぎとして生まれるのは、誰の子でもいい」

 そのままアーネストがフローレンスの顎を手で固定し、唇を寄せてくる。猿轡があるため、口内に舌が入ってくることはないが、無意識に顔を反らそうとしてしまう。アーネストが満足すれば、イライジャやウィズダムからも。

 羽織っただけの服を剥がされ貞操帯も取られ、フローレンスは生まれたままの姿を晒していた。

「思ったより、濡れてないですね」
「処女だからだろう、開発しがいがあると、あいつらも思ってる」
「確かに」

 拘束がなくても、手首に乗ってくる体重を振り解こうとは思わない。乳首や耳にはさっきの感覚が残っていて、気持ち悪いと思うのに、軽く触れられるだけでも身体が跳ねてしまう。

「んんっ…」
「ふっ、あいつら、うまくやったな」
「そうですね、兄上」
「こんなに感度がいいと、いじめ甲斐がある」
「んっ!」

 グイッと急に足を開かれ、三人の目がその間に集まる。恥ずかしさで、フローレンスの目には涙が溜まる。

「足、震えてるな……」

 アーネストが太腿に口を寄せた後、舌舐めずりをしながらその手が蕾に触れ、上下に擦ってくる。

「っ!」
「ちゃんと感じてはいるんだね、王太子妃様?」
「うっ、っ…」

 手首足首は弟二人が抑えつけ、アーネストが足の間に座り込んだまま、その指はさらに、フローレンスの割れ目に触れてくる。

「一応、使いますか?」
「そうだな」
「んっ!?」

 さっきと似た、ひんやりとした液体を垂らされ、そのままナカへと指が入ってきた。式も上げていないのに、三人の王子に囲まれた今夜が、王太子との初夜なのだと、フローレンスは悟った。

(私は敗戦国から来た。受け入れるしかないの)

「まあ狭いが、入らないことはないだろ」
「ん、うっ、んっ!」

 どれだけフローレンスが声を発しようと、言葉は猿轡によってただの音にしかならない。

「ふっ、敗戦国の元王女に相応しい、はしたなさだな。……嫌いじゃない」
「っ……!」

 アーネストが体勢を変え、フローレンスの割れ目に、何かが沿わされている。知識としては聞いているし、いつの間にか、左右の手にも男性器が握らされているのが目に入った。

(入るわけ……!)

「んんっ……!」
「っくは、せまいなっ……、でもいいぞ、こいつ」
「苦痛そうな顔が、また……。ウィズダム、順番だからな」
「分かってます、兄上」

(身体が、裂ける……! 初めてを好きな人に捧げられたら、きっとこんなもの…、私には…)

「んっ…、うんっ、んっ」
「手、しっかり握ってて? 挿れるんだから硬いままにしておかなきゃ」

 身体の両脇にいるふたりから、乳首や耳を舐められ、アーネストには貫かれている。左右の手は、さらに大きな手に覆われ、男性器を上下に擦っている。痛さに耐えるフローレンスの目から、涙が溢れてしまう。

「んっ、んん…、うう…、…んあっ、んっ」
「悦くなってきたか? そろそろ激しくする」
「う、あっ…!」
「ロリーガス王国の王太子のモノだ。しっかり味わえよ」

 今までよりも奥に入って、ガツガツと当てられているような感覚。痛みとしてしか、感じられない。フローレンスにできることは、ただひたすら耐えることだけだ。

「はぁ、出すぞ……、ちゃんと受け取れ」

 ナカで吐き出されたのが分かる。数回ドクドクと射精された後、抜かれる時にドロっと漏れる感じがあった。ジンジンと痛いままでも、アーネストと、舌なめずりをしたイライジャが場所を入れ替わる。

「すごいですね、これ……、優越感というか」
「だろ? オレたちしか味わえない特権だ」
「確かに」
「んっ!!」
「はぁ…、気持ちいい…」
「んっ…、んんっ」

 足を持ち上げられ、肩に抱えられる。より奥に当たり痛さが増し、フローレンスは顔をしかめるが、王子たちは気にしない。

 気に掛ける、必要がない。フローレンスは、敗戦国からやってきた元王女、身分は未来の王太子妃だ。少なくともアーネストは、自分の好きにフローレンスを扱える。

「これ、いいんだろう? 締まってくるぞ」
「いっ…、いっ、んっ、うっ…」
「涙もそそるな」
「わかります、兄上」

 フローレンスに顔を寄せるアーネストが、その涙を舐めとる。フローレンスにしてみれば気持ち悪いだけだが、王子たちには興奮材料となった。

「ウィズダムもいるんだ、せいぜい頑張れよ」
「んんっ」
「ほら、オレの動きはどう? 気持ちいいだろう?」
「んっ、んんっ…、あっ、んん…」

 段々と男性器の大きさには慣れるものの、痛みは完全には引かない。もうどこが痛いかなんて、分からなくなってきた。会話が頭に入らない。

 きっと、第三王子のウィズダムもナカで果てたのだろう、三人がベッドから離れていく。

「エリストン、いるんだろ? 後を任せた」
「かしこまりました」

 エリストンと呼ばれ返事をしたのは、やはり男性の声だった。フローレンスの姿を独占したいのか、照明を落としてから王子たちは出て行った。


 ◇


 少し間を置いて、誰かが入ってきた靴音が耳に入った。カーテンが引かれたままで、月明かりすら入らない部屋は暗くて、すでに暗闇に慣れた目でもよく見えない。

「…痛いところはない?」
「……」

 その男性の声はさっきの侍従とは異なるし、フローレンスに対して言葉も砕けている。エリストンと呼ばれた侍従が、今部屋にいるのだろう。

「少し、触れるよ」

 そっと顔に触れられ、猿轡を外された。フローレンスはゆっくり口を開けたり閉じたりしてみるが、長時間力一杯に噛みしめていて、感覚がよく分からなかった。

「これ、飲めるかな」

 差し出されたのは、水といくつかの錠剤だ。何の薬かは分からないが、フローレンスにはもう、どうでもよかった。自力で飲む気になれないでいると、その侍従は自分の口に水と共に入れ、フローレンスの口に当てて流し込んだ。フローレンスが飲み込んだのを見て、安心したように言葉を続ける。

「身体、起こせる? 拭かないとかぶれちゃうからね。それからシーツも替えるよ」
「……」

 フローレンスは、返事も、頷くことすらしなかった。気力が、もたなかった。

「…動けないよね、ごめん、兄たちが……。少し、抱えるね」

(兄たち……?)

 ベッドの縁で、顔と身体を湯で濡らしたタオルで優しく拭かれ、ネグリジェを着せられた。シーツを変える間はソファで横に、その後、ベッドへ運んでもらった。

 全ての動作でフローレンスは何もせず、身を任せた。身体が重たく、頭も動かない。キルトをそっとかけられる。

「……僕が、傍にいる」

 キルトの中にいるフローレンスに対して、その侍従はキルトの外で、隣に寝転んだ。フローレンスには追い払う力もなく、ただ目を閉じた。
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