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第二章 もっこもこカフェ営業中!
キッチンの妖精?
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目の前にいきなり現れた、新たなるもこもこズ。それも双子!
二人とも小柄で「ちゅっちゅ」言っているけど、年齢的に子どもなのかな?
興味深々で俺をジッと見詰めてくる真っ黒な瞳が、クリクリしていて、この子たちも漏れなく可愛いかった――――。
ここの擬人化は、美男美女にしかならないのか!? なら俺も美化して見える設定にしてくれないかな! 人間だって動物じゃん! もこもこ感は足りないかもしれないけどさ!
冗談交じりにそんなこと思ってみたりしても、現実そんな夢みたいなこと起こる訳ないよな~。
もこもこたちの存在に、俺の感覚は確実にズレてきていた――――。
「はぁ……」
「どうしたでちゅか?」
「やっぱり病気でちゅかね?」
世知辛い現実に深い溜息を吐いく俺に、ビスケとサブレが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「あ、ごめんね。大丈夫だよ」
「本当でちゅか?」
「大丈夫なら良かったでちゅ!」
俺が病気じゃないと分かった途端、双子はぱぁっと顔を明るくして嬉しそうに笑う。それがまた何とも可愛い。
この子たち、めちゃええ子じゃないか~!
さっきまで俺様猫に散々見下されていたので、ピュアな心に触れて思わず涙腺が熱くなりそうだ。
「心配してくれてありがとう。君たちもここでお手伝いしているのかな?」
指先で軽く目頭を押さえながら、双子に優しく問い掛ける。こんな小さな子たちまで、流石にスタッフではないだろうけど、猫の手も借りたいくらい忙しいと居たから双子の手も借りているかもしれない――――な~んて。
そんな軽いノリで聞いたものの――――。
「はい、キッチンのスタッフでちゅ」
「お料理作っているでちゅ」
「そっか~キッチンでお料理作って……えっ! マジ!?」
「マジでちゅ」
「マジっちゅ」
――――双子の手も借りられていた。
ステラさん! あんな可愛い顔して、実は魔女ですか!?
いくら忙しいからって、こんな小さな子たちにキッチンまで手伝わせるなんて、これだと俺も確実に働かされるじゃないか!
段々現実と化してきた、もっこもこカフェ就職に動揺が抑えきれない。
「そ、そっか……まだ小さいのに、偉いね~。忙しいから大変でしょ?」
心臓がバクバクして震えてしまう声を誤魔化しながら、双子を慰める。俺、今ちょっと紳士じゃね?
「ずっとやっているから大丈夫でちゅ」
「毎日楽しいでちゅよ」
「そっかそっか~楽しいのか~。……マジか!?」
「マジでちゅ!」
「マジっちゅ!」
繰り返される衝撃の『マジック』!!
紳士モードなんて、一瞬吹き飛んでいった。
おいおい! このお店、労働基準とか大丈夫なのか? こんな子どもまでこき使うなんて――――そもそも動物が働いているんだけどさ。
俺の中の一般常識が、全くもって通用しない。だからってこのまま大人しく見学していても謎が増えるばかりだろうし、ステラさんに聞いてもニッコリ微笑まれて完結されてしまうのが予想が付く。
これはバウムさんに聞いた方が、早いかもしれない――――。どんな反応されるか分からなくて怖いけど、ステラさんよりは確実だろう。
「あの……バウムさん、お仕事中すみません。ちょっとお伺いしたいのですが」
「なんだ?」
バウムさんは俺の方に一瞬だけ目線を向けたが、直ぐに手元に戻す。ただでさえ取っ付きにくいオーラがあるのに、そのつっけんどんな態度に益々話しかけにくい。
「すみません。この子たち、キッチンを手伝っているんですよね?」
「あぁ、ホールスタッフだ。ビスケ、サブレ、次の準備できているのか?」
「はい! 終わってるでちゅ!」
「クルミもアーモンドもいっぱいあるでちゅ」
「なら、他の下ごしらえを進めておけ」
「はいでちゅ」
「承知でちゅ」
バウムさんは思ったよりちゃんと答えてくれたのだが、ちびっこたちに厳しく指示を出してきた。流石にちょっと、抵抗を感じてしまう――――。
「こんな小さな子たちに、キッチンの仕事させるのって他の店では普通はないですよね?」
珍しく強気で意見を言った俺にバウムさんは再び少しだけ視線を向け、また直ぐに目線を手元に戻す。だけど返答はしてくれた。
「あぁ、普通はな」
「じゃぁなんで? キッチンって火も使うから危ないし、結構力仕事じゃないですか。よりにもよって、なんであんな小さい子たちを!?」
「ここは、もっこもこカフェだ」
バウムさんが淡々と言い返す。いくらシロクマでも、クール過ぎるだろ!
「普通じゃないのは承知していますけど、世間的に見たら絶対におかしく思われますし、労基とかに通報されたりしないんですか?」
俺なりの必死な訴えに、ようやくバウムさんは動かしていた手を一旦止め、ゆっくりとこっちに身体を向けた。
擬人化したバウムさんは、貫禄があるだけにジッと見られているだけで迫力が倍増する。なにせ本当の姿は『シロクマ』だ――――。いざ対峙したら、俺なんか一発でKOされる。
そんなの怖くない――――って言ったら嘘になる以前に、めっちゃ怖い!
だけど少しくらい、胸のモヤモヤをスッキリさせたっていいじゃないかぁぁぁ――――!
顔を強張らせて固まっていると、バウムさんは凛々しい口元に少し笑みを浮かべた。
「バウム……さん?」
「あぁ、君の言っていることは間違ってはいない。世間一般的にはな。でもここはもっこもこカフェで、役所にもそれは承知して貰っているから大丈夫だ」
「え!? 役所が知っている! どういうこと……」
「それに、あの二人……君より年上だから安心しろ」
そう言い終わると、バウムさんはさっさと作業に戻ってしまった。
役所公認なことも物凄く気になるけど、それ以上にもっと凄いことをサラッと言われた気が――――。
「俺より……年上? あのちびっこが……えぇぇぇぇっ!?」
床から飛び上がりそうな勢いで驚く俺の頭の中に、目をクリクリさせてスケとサブレが軽快にスキップして回っている。
「元気になったみたいでちゅ」
「あとで焼いたクルをミあげるでちゅ」
そんな俺の絶叫の理由も知らぬであろうちびっこたちは、楽しそうにクルミを砕いていた――――。
二人とも小柄で「ちゅっちゅ」言っているけど、年齢的に子どもなのかな?
興味深々で俺をジッと見詰めてくる真っ黒な瞳が、クリクリしていて、この子たちも漏れなく可愛いかった――――。
ここの擬人化は、美男美女にしかならないのか!? なら俺も美化して見える設定にしてくれないかな! 人間だって動物じゃん! もこもこ感は足りないかもしれないけどさ!
冗談交じりにそんなこと思ってみたりしても、現実そんな夢みたいなこと起こる訳ないよな~。
もこもこたちの存在に、俺の感覚は確実にズレてきていた――――。
「はぁ……」
「どうしたでちゅか?」
「やっぱり病気でちゅかね?」
世知辛い現実に深い溜息を吐いく俺に、ビスケとサブレが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「あ、ごめんね。大丈夫だよ」
「本当でちゅか?」
「大丈夫なら良かったでちゅ!」
俺が病気じゃないと分かった途端、双子はぱぁっと顔を明るくして嬉しそうに笑う。それがまた何とも可愛い。
この子たち、めちゃええ子じゃないか~!
さっきまで俺様猫に散々見下されていたので、ピュアな心に触れて思わず涙腺が熱くなりそうだ。
「心配してくれてありがとう。君たちもここでお手伝いしているのかな?」
指先で軽く目頭を押さえながら、双子に優しく問い掛ける。こんな小さな子たちまで、流石にスタッフではないだろうけど、猫の手も借りたいくらい忙しいと居たから双子の手も借りているかもしれない――――な~んて。
そんな軽いノリで聞いたものの――――。
「はい、キッチンのスタッフでちゅ」
「お料理作っているでちゅ」
「そっか~キッチンでお料理作って……えっ! マジ!?」
「マジでちゅ」
「マジっちゅ」
――――双子の手も借りられていた。
ステラさん! あんな可愛い顔して、実は魔女ですか!?
いくら忙しいからって、こんな小さな子たちにキッチンまで手伝わせるなんて、これだと俺も確実に働かされるじゃないか!
段々現実と化してきた、もっこもこカフェ就職に動揺が抑えきれない。
「そ、そっか……まだ小さいのに、偉いね~。忙しいから大変でしょ?」
心臓がバクバクして震えてしまう声を誤魔化しながら、双子を慰める。俺、今ちょっと紳士じゃね?
「ずっとやっているから大丈夫でちゅ」
「毎日楽しいでちゅよ」
「そっかそっか~楽しいのか~。……マジか!?」
「マジでちゅ!」
「マジっちゅ!」
繰り返される衝撃の『マジック』!!
紳士モードなんて、一瞬吹き飛んでいった。
おいおい! このお店、労働基準とか大丈夫なのか? こんな子どもまでこき使うなんて――――そもそも動物が働いているんだけどさ。
俺の中の一般常識が、全くもって通用しない。だからってこのまま大人しく見学していても謎が増えるばかりだろうし、ステラさんに聞いてもニッコリ微笑まれて完結されてしまうのが予想が付く。
これはバウムさんに聞いた方が、早いかもしれない――――。どんな反応されるか分からなくて怖いけど、ステラさんよりは確実だろう。
「あの……バウムさん、お仕事中すみません。ちょっとお伺いしたいのですが」
「なんだ?」
バウムさんは俺の方に一瞬だけ目線を向けたが、直ぐに手元に戻す。ただでさえ取っ付きにくいオーラがあるのに、そのつっけんどんな態度に益々話しかけにくい。
「すみません。この子たち、キッチンを手伝っているんですよね?」
「あぁ、ホールスタッフだ。ビスケ、サブレ、次の準備できているのか?」
「はい! 終わってるでちゅ!」
「クルミもアーモンドもいっぱいあるでちゅ」
「なら、他の下ごしらえを進めておけ」
「はいでちゅ」
「承知でちゅ」
バウムさんは思ったよりちゃんと答えてくれたのだが、ちびっこたちに厳しく指示を出してきた。流石にちょっと、抵抗を感じてしまう――――。
「こんな小さな子たちに、キッチンの仕事させるのって他の店では普通はないですよね?」
珍しく強気で意見を言った俺にバウムさんは再び少しだけ視線を向け、また直ぐに目線を手元に戻す。だけど返答はしてくれた。
「あぁ、普通はな」
「じゃぁなんで? キッチンって火も使うから危ないし、結構力仕事じゃないですか。よりにもよって、なんであんな小さい子たちを!?」
「ここは、もっこもこカフェだ」
バウムさんが淡々と言い返す。いくらシロクマでも、クール過ぎるだろ!
「普通じゃないのは承知していますけど、世間的に見たら絶対におかしく思われますし、労基とかに通報されたりしないんですか?」
俺なりの必死な訴えに、ようやくバウムさんは動かしていた手を一旦止め、ゆっくりとこっちに身体を向けた。
擬人化したバウムさんは、貫禄があるだけにジッと見られているだけで迫力が倍増する。なにせ本当の姿は『シロクマ』だ――――。いざ対峙したら、俺なんか一発でKOされる。
そんなの怖くない――――って言ったら嘘になる以前に、めっちゃ怖い!
だけど少しくらい、胸のモヤモヤをスッキリさせたっていいじゃないかぁぁぁ――――!
顔を強張らせて固まっていると、バウムさんは凛々しい口元に少し笑みを浮かべた。
「バウム……さん?」
「あぁ、君の言っていることは間違ってはいない。世間一般的にはな。でもここはもっこもこカフェで、役所にもそれは承知して貰っているから大丈夫だ」
「え!? 役所が知っている! どういうこと……」
「それに、あの二人……君より年上だから安心しろ」
そう言い終わると、バウムさんはさっさと作業に戻ってしまった。
役所公認なことも物凄く気になるけど、それ以上にもっと凄いことをサラッと言われた気が――――。
「俺より……年上? あのちびっこが……えぇぇぇぇっ!?」
床から飛び上がりそうな勢いで驚く俺の頭の中に、目をクリクリさせてスケとサブレが軽快にスキップして回っている。
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