永遠の愛を手に入れよう

トマトマル

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一章

魔力暴走を止めてみよう 1

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───────お母様、お母様、お母様・・・・・・・・・・・・死んでしまった、お母様。

私から離れてしまった。もう手に入らない?
嘘つき?そうね、お母様は嘘つきね・・・?
死んでしまったもの。
嫌い、嫌い、大嫌い。
私から奪うなんて。嫌いだ。
例え略奪者が『死』でも許さない。許せない。
いつか果たしてやる。『死』を潰す。
それが禁忌でも、自然の理に反していても。
何が障害でも、生きている限り克服できないものはない。
私の邪魔をするもの全て排除する。

私は栄誉あるヴァルドレア王国皇女、リリー・イーオスアンピール・ヴァルドレアだから。


『永遠の愛』は私のモノよ。








────────────────────────────…………

「リリー様!!お気を確かに!!!」

誰かが私を呼んでいる。
うっすらと見える景色は瓦礫でいっぱいで、ここがどこなのか分からない。
足下に散っている黒い薔薇の花びらが目に入った。

「リリー様!聞こえますか?リリー様!!!!」


黒い薔薇・・・黒い・・・。
あれ?黒い・・・薔薇?
苦しい!苦しい!!




「うああぁあぁ゙あ゙あ゙ぁ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙」







「リリー様!!フェネア!!!早く術式展開しろ!!!」

「分かってるよ!こりゃあ、お姫さんやべぇぞ!」

指示を受けた黒もやから何やら怪しい白の光が放たれる。
古代文字で構成された五芒星がリリーを中心に広がり始めた。
結界がはられるが、リリーの魔力は止まらない。

ビシビシと光が針のように飛び出ては周りを破壊している。
だが、先程よりは勢いがましになっているのは確かだ。


「くっそ!俺はこの魔法嫌いだってのによぉ!!!!」

「文句は受け付けないよ!フェネア、俺が代わるからお前は核を発見しろ!」

「はぁ!!??核!?そんなまどろっこしい事してられっかよ!!」

「このやり方でしかリリー様を助けられない!さっさと手を貸して!!」

「ほんっっっとに手のかかるお姫さんだぜ!!!」

そう言い捨てて、フェネアは黒もやから完全に身体を出した。ついに悪魔の全貌が見えた。
真っ赤な目に真っ黒の長い髪の毛。彫りの深い顔は既に疲労感が窺える。
頭には羊の角が猛だけしく生えており、背中から蝙蝠の羽を大きく広がせ、空を飛んでいる。
褐色の肌には使役されている証拠の術式が張り巡らされていた。

フェネアは目を凝らして上空からリリーを見下ろす。
どす黒い・・・が時折、真っ白に輝く濃い光に包み込まれたモノを見つけた。
魔力暴走の魔力の源、核だ。

「おい!ローザネーラ!!!核はお姫さんが持ってる本みたいなやつだ!!」

ローザは直ぐに感ずいた。
これ程の魔力暴走には自身の魔力を溜め込む核は必ず存在しているはずだった。
リリー様が常に傍において、最も思い出深いモノ。

「あの絵本か・・・!!」

「どうする?強力な魔力だ・・・。どれだけ溜め込んでたんだ?」

「恐らく、ずっとだ・・・ずっと強い感情、すなわち魔力があの絵本に注ぎ込まれていたんだ」

(リリー様が王妃の死を認めたから、ずっと溜め込んできた魔力が堰を切ったように暴走したんだ)

しかし死を認めた過程がどうあれ最悪だった。
ローザが当初計画していたものとは遠く離れてしまっていた。
あの第二皇女とやらの存在さえなければ、上手く進んだはずだった。

(俺もまだまだだね・・・)

このままでは魔力にリリー様自身が喰われる。
自我を失うか最悪、死ぬだろう。
───とは言ってもローザにとって『死』自体は大した問題ではないのだが・・・。

(自我を失わせては、ただの人形・・・)

ローザは魔法でリリーから発せられる魔力攻撃を防ぎつつ、ちらりと横に目をやった。
外傷はないが、気絶させた現王妃と第二皇女・・・。そしてその腰巾着達。
これからの将来、リリーは必ず王国を背負う存在になるであろう。
死人をここで作ってしまうのは得策ではないことは火を見るより明らかであった。



(決断、しなければ・・・・・・)

絵本を壊す。それはリリーの一部を奪うと同等の暴挙である。
母の形見とも言えるであろう絵本を破壊してもいいのだろうか?
ここに来てローザは大きな迷いに襲われる。

王妃に申し訳ない、そう言う感情は微塵も思い浮かばなかった。
ローザが悩んでいた理由はただ一つ。

絵本を壊した後、リリー様は自分をどう見るのか? であった。

嫌われる?嫌だ。
俺を捨ててしまうのかな?
こうなるのが分かっていたら、いっその事捨てさせはしないように依存させ切ってしまえば良かった。
嫌われたくない、嫌われたくない、嫌われたくない・・・!



ローザは深く息をつき、新しい魔法術式を展開し始めた。
そして言い放った。





「絵本を壊す」







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈魔法とは感情である。弱い感情であれば魔法は虚弱に。だが、逆もまた然り・・・。


















────────────────────────────────✍︎

あれ?恋愛要素どこいった?
まあ次です。次。

ではまた┏○))ペコリ
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