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妹の方が良いと婚約を破棄されました。え、本当に?!
7 (父Side)
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「お父様、先方より婚約破棄のお申し出がございましたので、私の方でお受けいたしておきました。」
「は?」
は?婚約破棄?
「あちらは、妹との婚約をお望みのようですわ。」
「は?」
その妹とは、生まれたばかりのミシュリーヌのことか?
「私の方で受けておきましたので、手続きをよろしくお願いいたします。」
「ちょっと待て。」
「はい、なんでしょう?」
今日、約束もなく突然現れて要請されたという婚約破棄について淡々と語り、早々に部屋へと戻ろうとする娘を慌てて引き留めると、何故引き留められたのかが心底分からないという顔をされてしまった。
私も意味が分からないし理解が追い付かないので、暫し父に付き合ってくれるとありがたい。
「婚約破棄は、まぁ良い。
ここ最近のあちらの子息の態度には、目に余るものがあったからな。
こちらから、婚約について見直しの提案をしようとしていたところだから、何も問題はない。」
「はい。」
「彼が、シャリアとの婚約を破棄しておいて、妹との婚約を望んでるっていうのは、どう言うことなんだ?」
「彼が言うところによりますと、魔女であるマグナレーダの娘の方が良いとのことでしたわ。」
「いやいや、シャリア、お前もマグナレーダの娘だぞ?」
マグナレーダの娘であるシャリアとの婚約を破棄しておいて、生後半年程の妹との婚約を結びたいだと?
あの男は馬鹿なのか?
「お父様、私、お母様がお帰りになられた時に話しましたよね?
私、お母様はお亡くなりになられているのだと思っておりましたの。
婚約者としての交流のためのお茶会にて、私の母は何処にいるのかと聞いてこられたので、多分お亡くなりになられているのだろうとお答えしておりました。」
「そ、そうだったな...すまない。」
あー、それを忘れていたな...唐突な王命により、マギーが魔女見習いの教育係として召し上げられたのが1つの原因ということか。
あちらにも説明はしていたが、子息にはきちんと説明していなかったのだろうな。
まだ幼い子に話しても良いことなのか?と悩んだ末に、シャリアには、母は遠くに行ったのだと説明していた。
そのことにより、母が亡くなったのだと思っているとは知らなかったからなぁ...墓参りをしたいとも言わなかったし、マギーも王命により止められていたらしく手紙を送っては来なかった。
まぁ、言えないことを聞かれたくなくて、シャリアのことを多少なり避けてしまっていたことも否めない。
シャリアが勘違いしていると知ったのは、
『先日、魔女見習いの見習いが消えた。
よって、魔女マグナレーダの帰宅が許可されることになった。』
と、王より書簡が送られてきたときだった。
キョトンとした顔で、
『お母様って、生きておられたのですね...遠くに行かれたのだとお聞きしておりましたから、お亡くなりになられたのだと思っておりましたわ。』
と呟いたシャリアに、とても驚いたものだ。
「はい。
ですので、こちらにも否があるのだろうと判断いたしまして、私の方で婚約破棄をお受けしました。」
「分かった...婚約破棄の手続きは任せなさい。」
婚約者であるシャリアが、母は亡くなったのだと思うと伝えたのだとしても、自分が婿入りする家のことなのだから、親に確認くらいするだろうに...あちらの子息はそれをしなかったのだな。
誤解による誤った情報を教えてしまったこちらにも非はあるのだろうが、ろくな確認もせずに婚約破棄を要請してきたのだから、あちらにも非があるよな?
あちらとは、色々と話し合わなければならなそうだな。
面倒臭いが、娘の為にもやるしかない。
「はい、お願いいたします。
私の妹はまだ婚約を結べる年ではないので、私の妹が婚約を結べる年齢になってからお申し出くださいとお伝えしておきました。
あの子と婚約を結ぶことは無理でしょうけれど、早急にお帰りいただくためにはそうお伝えする他ありませんでしたので。」
「そうか、ミシュリーヌとの婚約を確約するようなことは言っていないのだな?」
「はい、私との婚約を破棄することには同意いたしましたけれど、その後で妹との婚約を確実に結べるとは言っておりません。
そもそも、ミシュリーヌの婚約については、姉である私に決められることではございませんわ。
最終的な決定権を持つのは、当主であるお父様ですもの。」
「そうか、ありがとう。
シャリアが聡明で助かったよ。」
「そう言っていただけますと、幸いですわ。」
「あぁ、冷静に対処してくれて、ありがとう。」
*
「は?」
は?婚約破棄?
「あちらは、妹との婚約をお望みのようですわ。」
「は?」
その妹とは、生まれたばかりのミシュリーヌのことか?
「私の方で受けておきましたので、手続きをよろしくお願いいたします。」
「ちょっと待て。」
「はい、なんでしょう?」
今日、約束もなく突然現れて要請されたという婚約破棄について淡々と語り、早々に部屋へと戻ろうとする娘を慌てて引き留めると、何故引き留められたのかが心底分からないという顔をされてしまった。
私も意味が分からないし理解が追い付かないので、暫し父に付き合ってくれるとありがたい。
「婚約破棄は、まぁ良い。
ここ最近のあちらの子息の態度には、目に余るものがあったからな。
こちらから、婚約について見直しの提案をしようとしていたところだから、何も問題はない。」
「はい。」
「彼が、シャリアとの婚約を破棄しておいて、妹との婚約を望んでるっていうのは、どう言うことなんだ?」
「彼が言うところによりますと、魔女であるマグナレーダの娘の方が良いとのことでしたわ。」
「いやいや、シャリア、お前もマグナレーダの娘だぞ?」
マグナレーダの娘であるシャリアとの婚約を破棄しておいて、生後半年程の妹との婚約を結びたいだと?
あの男は馬鹿なのか?
「お父様、私、お母様がお帰りになられた時に話しましたよね?
私、お母様はお亡くなりになられているのだと思っておりましたの。
婚約者としての交流のためのお茶会にて、私の母は何処にいるのかと聞いてこられたので、多分お亡くなりになられているのだろうとお答えしておりました。」
「そ、そうだったな...すまない。」
あー、それを忘れていたな...唐突な王命により、マギーが魔女見習いの教育係として召し上げられたのが1つの原因ということか。
あちらにも説明はしていたが、子息にはきちんと説明していなかったのだろうな。
まだ幼い子に話しても良いことなのか?と悩んだ末に、シャリアには、母は遠くに行ったのだと説明していた。
そのことにより、母が亡くなったのだと思っているとは知らなかったからなぁ...墓参りをしたいとも言わなかったし、マギーも王命により止められていたらしく手紙を送っては来なかった。
まぁ、言えないことを聞かれたくなくて、シャリアのことを多少なり避けてしまっていたことも否めない。
シャリアが勘違いしていると知ったのは、
『先日、魔女見習いの見習いが消えた。
よって、魔女マグナレーダの帰宅が許可されることになった。』
と、王より書簡が送られてきたときだった。
キョトンとした顔で、
『お母様って、生きておられたのですね...遠くに行かれたのだとお聞きしておりましたから、お亡くなりになられたのだと思っておりましたわ。』
と呟いたシャリアに、とても驚いたものだ。
「はい。
ですので、こちらにも否があるのだろうと判断いたしまして、私の方で婚約破棄をお受けしました。」
「分かった...婚約破棄の手続きは任せなさい。」
婚約者であるシャリアが、母は亡くなったのだと思うと伝えたのだとしても、自分が婿入りする家のことなのだから、親に確認くらいするだろうに...あちらの子息はそれをしなかったのだな。
誤解による誤った情報を教えてしまったこちらにも非はあるのだろうが、ろくな確認もせずに婚約破棄を要請してきたのだから、あちらにも非があるよな?
あちらとは、色々と話し合わなければならなそうだな。
面倒臭いが、娘の為にもやるしかない。
「はい、お願いいたします。
私の妹はまだ婚約を結べる年ではないので、私の妹が婚約を結べる年齢になってからお申し出くださいとお伝えしておきました。
あの子と婚約を結ぶことは無理でしょうけれど、早急にお帰りいただくためにはそうお伝えする他ありませんでしたので。」
「そうか、ミシュリーヌとの婚約を確約するようなことは言っていないのだな?」
「はい、私との婚約を破棄することには同意いたしましたけれど、その後で妹との婚約を確実に結べるとは言っておりません。
そもそも、ミシュリーヌの婚約については、姉である私に決められることではございませんわ。
最終的な決定権を持つのは、当主であるお父様ですもの。」
「そうか、ありがとう。
シャリアが聡明で助かったよ。」
「そう言っていただけますと、幸いですわ。」
「あぁ、冷静に対処してくれて、ありがとう。」
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