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2 : 10年後
裏切りを知りました。1
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エルメラルド姫様も国王陛下も王妃様も、他の姫様や王子様も、私が会った人達は皆様優しかったよー。
ただ、めっちゃ構ってくるけど!
あわよくば、ほっぺとかおでことか髪とか手とかにチューしてくるし、抱っことか膝に乗せようとかしてくるけども!
「うわぁ、国の裏事情知っちゃった...。」
「ミシェリーの両親の爵位は、伯爵。
そんな偉いさんが、実の娘であるミシェリーへどういう対応をしてたか...ミシェリーに見せられた記憶玉の中身を細かく教えたからねー。
どう?そんな奴らがいる国に、エルメラルド姫様を嫁がせられるか?」
「「無理よ!!」」
「駄目だろ!!」
だよねぇー...ま、政略結婚って国がらみの問題だろうから、私のことだけが理由じゃないとは思うけどね。
一個人の不憫な境遇だけを理由に、そちらのご令嬢で酷い扱いされたのがいたからやっぱりヤーメタ!ってのは、流石に出来ないでしょー。
まぁ、嫁ぎ先候補だから多少は出来るのかも?とかちょっと思うけど...どうなんでしょ。
「うんうん、そんなに慌てなくてもエルメラルド姫様はもう頼もしい旦那さんに嫁いでるから大丈夫大丈夫。
ま、今回の手紙に関しても、王子様を経由して、ミシェリーではなくエリザ宛に手紙が来たことを国王陛下と王妃様、それから俺の両親にも知らせておいたから、後のことは国に任せれば大丈夫。」
「え?」
「私宛ってことになるの?」
「ん?あぁ、娘のエリザって書いてあったからね。
娘のリミューズって書いてあればミシェリー宛ってことになるけど、違っただろ?」
「「あぁー、確かにー。」」
あ、そっかー...もしも誘拐とかされるとしたら、名前があげられてるエリザかもしれないもんね。
容姿とか違いすぎるんだけど...あの人達、私に興味なさそうだったしあんまり覚えてなさそうだよね。
まぁ、肌の色で気付いてくれることを祈るしかないのかな?
「エリザ宛になるってことは、エリザが間違えて連れてかれるかもしれないの??
こんな頭のユルい人達に、勘違いで私の可愛い娘を連れてかれるなんて嫌だわ。
あ、でも、流石に肌の色で気付くわよね?
ミシェリー、この人達は大分頭の緩い方々みたいだし、名前の間違いに関しては些細なことだ!とか言って貴女を狙うこともあるだろうし、貴女も十分気を付けなさいね?」
「うん、だから国王陛下と王妃様にも教えといたんだよ。
国の王子を経由して来たんだから、国に守ってもらおう!ってこと。」
「そうだねー、でもさ?コイツらが正式に捕まるとかしない限りずーっと警戒していないとだし、気持ち悪くない?
エリザはこれだけ可愛いんだし、国が動くにももう少し時間かかるでしょ?
誰か護衛を雇った方が良いかもね...問題は誰にするかだけど。」
「ミシェリー、それに関しては既に両親に頼んであるから心配するな。
昼過ぎには、選別されてこっちに来る筈。」
「さっすが!こういうの、抜け目ないよね!」
あ、もう動いててくれたんだー、良かったー。
私の事情に巻き込んで怪我されたりしたら嫌だし、皆に迷惑はかけたくないしね。
「エリザ、母さんのことだから女性を中心に選んでくれてるとは思うけど、女性だけでは難しい場面もあるだろうから男性もいると思う。
男女に関わらず、苦手な人とかいたら遠慮せずに言えよ?
直ぐに選別し直してもらうから。」
「うん、分かった。
我慢せずに直ぐに言うようにするね。」
「私が守れたら良いんだけど、戦闘に関しては適正なかったから無理だもんなぁー。
魔力は余るほどあるのに、生活魔法しか使えないとかありえないよね...魔力過剰症にならないように、生活魔法のみで3分の1以上使うの大変なのよ!!
ハッ!魔力を多く込めてみたら、生活魔法の威力が上がるかな?
ほら、洗濯物を乾かす時に使ってる風魔法とか、追いかけてくる人とかいちゃもん付けてくる人とかを吹き飛ばせたら逃げやすくない??」
「うん、やれるだろうけどやるなよ?」
「えぇー、なんで?」
「加減、分からないだろ?」
「うーん、確かに分かんない!」
「ならやめとけ。
人殺しになりたくないだろ?」
「それは嫌だけど...私のせいっぽいし、エリザを守りたいんだもん。」
名案思い付いた!って喜んだんだけど、ダメ出しされちゃった...。
確かに、生活魔法は徐々に親や兄弟姉妹から学ぶものだからか魔法の訓練とか特にしたことないし、今はまだ無理か。
人殺しにはなりたくないから今のところは諦めるかな。
「ミシェリー、気持ちは嬉しいけど...私、拳闘士の適正があるのよ?」
「あ、そうだったね。
でも、訓練とかはまだしてないでしょ?」
「フフフ、大丈夫よ!
適正があるって分かってから、シュゼフさんに鍛えてもらってるの。
近くの森にも一緒に入ったし、獲物も狩ってきたりしてるからね。」
え?エリザ、訓練してるの?!
何時から?何処で?......あれ?私は??
大きくなったら訓練に私も参加出来ると思ってたんだけど、そういえば1度も参加してない...どういうことだろ?
は?私、エルドーが訓練してるときに、大きくなったら体力作りにだけでも良いから参加したいって言った筈だよね?!
そしたらさ?今は駄目だけど、大きくなったら訓練に参加しても良いって言ってたじゃん??
エリザと私は同じ年の筈だよね?
あー、そっか...エリザの発言に驚いてるのは私だけみたいだね。
皆知ってたんだ...知ってて、黙ってたんだ......最低。
*
ただ、めっちゃ構ってくるけど!
あわよくば、ほっぺとかおでことか髪とか手とかにチューしてくるし、抱っことか膝に乗せようとかしてくるけども!
「うわぁ、国の裏事情知っちゃった...。」
「ミシェリーの両親の爵位は、伯爵。
そんな偉いさんが、実の娘であるミシェリーへどういう対応をしてたか...ミシェリーに見せられた記憶玉の中身を細かく教えたからねー。
どう?そんな奴らがいる国に、エルメラルド姫様を嫁がせられるか?」
「「無理よ!!」」
「駄目だろ!!」
だよねぇー...ま、政略結婚って国がらみの問題だろうから、私のことだけが理由じゃないとは思うけどね。
一個人の不憫な境遇だけを理由に、そちらのご令嬢で酷い扱いされたのがいたからやっぱりヤーメタ!ってのは、流石に出来ないでしょー。
まぁ、嫁ぎ先候補だから多少は出来るのかも?とかちょっと思うけど...どうなんでしょ。
「うんうん、そんなに慌てなくてもエルメラルド姫様はもう頼もしい旦那さんに嫁いでるから大丈夫大丈夫。
ま、今回の手紙に関しても、王子様を経由して、ミシェリーではなくエリザ宛に手紙が来たことを国王陛下と王妃様、それから俺の両親にも知らせておいたから、後のことは国に任せれば大丈夫。」
「え?」
「私宛ってことになるの?」
「ん?あぁ、娘のエリザって書いてあったからね。
娘のリミューズって書いてあればミシェリー宛ってことになるけど、違っただろ?」
「「あぁー、確かにー。」」
あ、そっかー...もしも誘拐とかされるとしたら、名前があげられてるエリザかもしれないもんね。
容姿とか違いすぎるんだけど...あの人達、私に興味なさそうだったしあんまり覚えてなさそうだよね。
まぁ、肌の色で気付いてくれることを祈るしかないのかな?
「エリザ宛になるってことは、エリザが間違えて連れてかれるかもしれないの??
こんな頭のユルい人達に、勘違いで私の可愛い娘を連れてかれるなんて嫌だわ。
あ、でも、流石に肌の色で気付くわよね?
ミシェリー、この人達は大分頭の緩い方々みたいだし、名前の間違いに関しては些細なことだ!とか言って貴女を狙うこともあるだろうし、貴女も十分気を付けなさいね?」
「うん、だから国王陛下と王妃様にも教えといたんだよ。
国の王子を経由して来たんだから、国に守ってもらおう!ってこと。」
「そうだねー、でもさ?コイツらが正式に捕まるとかしない限りずーっと警戒していないとだし、気持ち悪くない?
エリザはこれだけ可愛いんだし、国が動くにももう少し時間かかるでしょ?
誰か護衛を雇った方が良いかもね...問題は誰にするかだけど。」
「ミシェリー、それに関しては既に両親に頼んであるから心配するな。
昼過ぎには、選別されてこっちに来る筈。」
「さっすが!こういうの、抜け目ないよね!」
あ、もう動いててくれたんだー、良かったー。
私の事情に巻き込んで怪我されたりしたら嫌だし、皆に迷惑はかけたくないしね。
「エリザ、母さんのことだから女性を中心に選んでくれてるとは思うけど、女性だけでは難しい場面もあるだろうから男性もいると思う。
男女に関わらず、苦手な人とかいたら遠慮せずに言えよ?
直ぐに選別し直してもらうから。」
「うん、分かった。
我慢せずに直ぐに言うようにするね。」
「私が守れたら良いんだけど、戦闘に関しては適正なかったから無理だもんなぁー。
魔力は余るほどあるのに、生活魔法しか使えないとかありえないよね...魔力過剰症にならないように、生活魔法のみで3分の1以上使うの大変なのよ!!
ハッ!魔力を多く込めてみたら、生活魔法の威力が上がるかな?
ほら、洗濯物を乾かす時に使ってる風魔法とか、追いかけてくる人とかいちゃもん付けてくる人とかを吹き飛ばせたら逃げやすくない??」
「うん、やれるだろうけどやるなよ?」
「えぇー、なんで?」
「加減、分からないだろ?」
「うーん、確かに分かんない!」
「ならやめとけ。
人殺しになりたくないだろ?」
「それは嫌だけど...私のせいっぽいし、エリザを守りたいんだもん。」
名案思い付いた!って喜んだんだけど、ダメ出しされちゃった...。
確かに、生活魔法は徐々に親や兄弟姉妹から学ぶものだからか魔法の訓練とか特にしたことないし、今はまだ無理か。
人殺しにはなりたくないから今のところは諦めるかな。
「ミシェリー、気持ちは嬉しいけど...私、拳闘士の適正があるのよ?」
「あ、そうだったね。
でも、訓練とかはまだしてないでしょ?」
「フフフ、大丈夫よ!
適正があるって分かってから、シュゼフさんに鍛えてもらってるの。
近くの森にも一緒に入ったし、獲物も狩ってきたりしてるからね。」
え?エリザ、訓練してるの?!
何時から?何処で?......あれ?私は??
大きくなったら訓練に私も参加出来ると思ってたんだけど、そういえば1度も参加してない...どういうことだろ?
は?私、エルドーが訓練してるときに、大きくなったら体力作りにだけでも良いから参加したいって言った筈だよね?!
そしたらさ?今は駄目だけど、大きくなったら訓練に参加しても良いって言ってたじゃん??
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あー、そっか...エリザの発言に驚いてるのは私だけみたいだね。
皆知ってたんだ...知ってて、黙ってたんだ......最低。
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