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3 : 武術や魔術の訓練がイジメですの?
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「その女は、授業中に故意にフェリスを狙って怪我をさせました!!」
「授業中とは、具体的に何の授業だ?」
「訓練です!」
ん?.........訓練って、魔術や武術を用いますもの、多少の怪我くらいはいたしますわよね?
それが罪になるのなら、学園に通う皆が断罪されてますわよ?
「...その訴えに関しても、ユーティリカ嬢に罪はない。」
「何故です?!!
あの女は、フェリスを狙って怪我をさせたのですよ?!!」
「反論させていただきますわ。
訓練の授業は、クラス対抗という形で学年全体で行われますわ。
私とその方はクラスが違いますので、授業中に戦うのは当たり前のことでしょう??」
「お前は怪我をさせたのだぞ??!
フェリスに申し訳ないとは思わないのか?!」
「私は、お相手に怪我をさせてしまった場合には、その場で謝罪いたしておりますわ。」
「は?フェリスにはしていないだろう!!
フェリスは、1度も謝罪されていないと言っていたぞ!!」
「では、その方の意識が無かったのかもしれませんわね。
私は学園の規定通りに生活しておりますので、訓練の授業中に怪我をさせてしまった場合には、その場で謝罪いたしております。
学園の規定としては、重傷以外は、謝罪の際に意識が無かったとしても、その場で謝罪していれば追加での謝罪は必要ないと明記されておりますわ。」
「証人は...」
「必要ない。
訓練の授業中に、多少の怪我をするのは当然だろう。」
陛下も、疲れたようですわね...殿下の仰られる私の罪が、阿呆過ぎますもの。
貴族と平民とが同じ授業を受けるにあたって、幾度も話し合いを重ねられて決まった規定を守っておりますのに、それについて文句を言う方もおられるのね。
あ、そうですわ!
私、両陛下にお聞きしたいことがありましたのよね。
「あら、そう言えば、私も授業中に怪我をしたことが何度かございますわ。
その際に、皆様その場で謝罪してくださいましたが、お一人だけ、1度も謝罪していただけておりませんのよね...。
そうそう、殿下、貴方によって負わされた怪我でしたわね!
それも、重傷でしたわ!
まさか、忘れたとは言わせませんわよ?!
クラス対抗での模擬戦で、
[お前のような悪辣な下衆に、俺のクラスメイトを潰されては叶わん!!]
と、戦う前に身体を解していた私のことを、側付き方と共に思いっきり突き飛ばされましたわよね??
私、予想外のことに防御も間に合わず、頭と腰を強く打ち付けまして...1週間も昏睡状態でしたのよ?
ベッドから出られたのは、目が覚めて1月も経ってからでしたわ。
私と貴方、どちらが悪辣なのかしら??」
「んぐっ?!お、あれは、お前が!!」
___ゴンッゴンッゴンッ___
「学園長?私は初耳なのだが...?
授業中とはいえ、戦う前に故意的に、ユーティリカ嬢に怪我を負わせたのか?」
「...私もそのような報告、聞いておりませんねぇ。
訓練の担当は、ヌーシュ先生とアミフェン先生でしたかね?
ご両名は、前に出てきてください。」
あぁ、やっぱり..........先生方からの報告が無かったのですね?
いえ、可笑しいな?とは思っておりましたのよ?
我が家に対して、王家からも学園からも一言の謝罪もありませんでしたから...。
双方に殴り込みに行こうとするお兄様を止めるのに、私はベッドの住人と化してましたからとっても苦労したんですからね??
あのシスコンったら、怒らせるとニッコリとした爽やかな笑顔で破壊行為を繰り返そうとするんですもの...野放しにしていたら、王城や学園が瓦礫の山になってしまいますわ。
罪の無い方々を巻き込むなんて、そんな非道なことは許しませんわ!!
「「はい、此方に。」」
にこやかーに凄みを効かせて微笑んでる学園長に気圧されて.....お2人とも渋々、出ていらっしゃいましたわね?
あぁ、お兄様が射殺さんばかりにどす黒いオーラを発しておりますわ。
あのオーラは、耐性の無い方々にとっては軽く毒のようになりますのよね...ご愁傷様ですわ。
けれど、他の方々が誰も苦しんでいないということは、器用にもあのお2人にだけ発しているみたいね.....訓練の指導をしている猛者の筈のお2人共、フルフルと小刻みに震えてらっしゃいますわ。
お可哀想に...殿下やその側付き方に要請されたのでしょうけれど、きちんと報告しておけばよろしかったのに......ね?
「...裁判が終わったら、アイツら全員ズタボロにしてやる。」
お兄様?怖いことをボソッと呟かないでくださいます?
ほらぁ、スリゼルがさっきまでとは違う意味でワクワクしているじゃない。
...もぅ、お兄様もスリゼルも似た者同士、考え方が過激なんだから。
*
「授業中とは、具体的に何の授業だ?」
「訓練です!」
ん?.........訓練って、魔術や武術を用いますもの、多少の怪我くらいはいたしますわよね?
それが罪になるのなら、学園に通う皆が断罪されてますわよ?
「...その訴えに関しても、ユーティリカ嬢に罪はない。」
「何故です?!!
あの女は、フェリスを狙って怪我をさせたのですよ?!!」
「反論させていただきますわ。
訓練の授業は、クラス対抗という形で学年全体で行われますわ。
私とその方はクラスが違いますので、授業中に戦うのは当たり前のことでしょう??」
「お前は怪我をさせたのだぞ??!
フェリスに申し訳ないとは思わないのか?!」
「私は、お相手に怪我をさせてしまった場合には、その場で謝罪いたしておりますわ。」
「は?フェリスにはしていないだろう!!
フェリスは、1度も謝罪されていないと言っていたぞ!!」
「では、その方の意識が無かったのかもしれませんわね。
私は学園の規定通りに生活しておりますので、訓練の授業中に怪我をさせてしまった場合には、その場で謝罪いたしております。
学園の規定としては、重傷以外は、謝罪の際に意識が無かったとしても、その場で謝罪していれば追加での謝罪は必要ないと明記されておりますわ。」
「証人は...」
「必要ない。
訓練の授業中に、多少の怪我をするのは当然だろう。」
陛下も、疲れたようですわね...殿下の仰られる私の罪が、阿呆過ぎますもの。
貴族と平民とが同じ授業を受けるにあたって、幾度も話し合いを重ねられて決まった規定を守っておりますのに、それについて文句を言う方もおられるのね。
あ、そうですわ!
私、両陛下にお聞きしたいことがありましたのよね。
「あら、そう言えば、私も授業中に怪我をしたことが何度かございますわ。
その際に、皆様その場で謝罪してくださいましたが、お一人だけ、1度も謝罪していただけておりませんのよね...。
そうそう、殿下、貴方によって負わされた怪我でしたわね!
それも、重傷でしたわ!
まさか、忘れたとは言わせませんわよ?!
クラス対抗での模擬戦で、
[お前のような悪辣な下衆に、俺のクラスメイトを潰されては叶わん!!]
と、戦う前に身体を解していた私のことを、側付き方と共に思いっきり突き飛ばされましたわよね??
私、予想外のことに防御も間に合わず、頭と腰を強く打ち付けまして...1週間も昏睡状態でしたのよ?
ベッドから出られたのは、目が覚めて1月も経ってからでしたわ。
私と貴方、どちらが悪辣なのかしら??」
「んぐっ?!お、あれは、お前が!!」
___ゴンッゴンッゴンッ___
「学園長?私は初耳なのだが...?
授業中とはいえ、戦う前に故意的に、ユーティリカ嬢に怪我を負わせたのか?」
「...私もそのような報告、聞いておりませんねぇ。
訓練の担当は、ヌーシュ先生とアミフェン先生でしたかね?
ご両名は、前に出てきてください。」
あぁ、やっぱり..........先生方からの報告が無かったのですね?
いえ、可笑しいな?とは思っておりましたのよ?
我が家に対して、王家からも学園からも一言の謝罪もありませんでしたから...。
双方に殴り込みに行こうとするお兄様を止めるのに、私はベッドの住人と化してましたからとっても苦労したんですからね??
あのシスコンったら、怒らせるとニッコリとした爽やかな笑顔で破壊行為を繰り返そうとするんですもの...野放しにしていたら、王城や学園が瓦礫の山になってしまいますわ。
罪の無い方々を巻き込むなんて、そんな非道なことは許しませんわ!!
「「はい、此方に。」」
にこやかーに凄みを効かせて微笑んでる学園長に気圧されて.....お2人とも渋々、出ていらっしゃいましたわね?
あぁ、お兄様が射殺さんばかりにどす黒いオーラを発しておりますわ。
あのオーラは、耐性の無い方々にとっては軽く毒のようになりますのよね...ご愁傷様ですわ。
けれど、他の方々が誰も苦しんでいないということは、器用にもあのお2人にだけ発しているみたいね.....訓練の指導をしている猛者の筈のお2人共、フルフルと小刻みに震えてらっしゃいますわ。
お可哀想に...殿下やその側付き方に要請されたのでしょうけれど、きちんと報告しておけばよろしかったのに......ね?
「...裁判が終わったら、アイツら全員ズタボロにしてやる。」
お兄様?怖いことをボソッと呟かないでくださいます?
ほらぁ、スリゼルがさっきまでとは違う意味でワクワクしているじゃない。
...もぅ、お兄様もスリゼルも似た者同士、考え方が過激なんだから。
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