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3 : 武術や魔術の訓練がイジメですの?
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「第2王子の生家である王家にも、学園の長である学園長にも、授業中の戦闘以外での怪我...所謂第2王子が故意的にユーティリカ嬢に怪我を負わせたのにも関わらず、報告が無いというのはどういうことだ??」
「「......。」」
「陛下の問いに答えなさい。
それとも、ユーティリカ嬢と王家との確執が生まれることを狙っての...反逆ですか?」
「「...?!」」
2人仲良く黙り決め込んでないで、さっさと話してくれません??
お2人の目の前までゆったりと歩いて行き、腹黒さ満点のニッコリとした笑顔で問う学園長の言う通り、もしも私と王家との確執を狙ったのなら、正しく反逆罪ですわね。
まぁ...お2人は違うのでしょうけれど。
「自分は、第2王子殿下に命じられました。」
「私は、主家であるノーベン様に命じられました。」
ツンツンと逆立った茶髪に極太の眉と同色のつり目をしたアミフェン先生は、平民の冒険者出身の方です。
この国の王子に命令されて、無視など出来なかったのでしょうね......お母上のこともありますもの。
まさか、脅されてはいないわよね?
「何を命じられたのですか?」
「「これは、授業中の事故として処理せよ...と。」」
「でなければ、ノーベン様の兄君に嫁いだ妹を...子供も産めぬ欠陥品としてイラクサ修道院に送ると.....。」
サラサラのさっぱりとした短めに整えた金髪にそれ、見えてるの?と不安になるくらいに細い青い目をしたヌーシュ先生は、アルトリス男爵家のご次男です。
殿下の背後に自慢気に立っておられました、腰まである無駄に長い深緑の髪を1つに纏め、勝ち気なアーモンド型のグレーの猫目を見開いてるのが、ノーベン様でして...ヌーシュ先生のご実家の主家に当たりますの。
まぁ、ノーベン様もご次男でございますけれど...偉そうなのよね。
「ノーベン殿、これはどう言うことかしら?
貴方の兄君に嫁がれたヌーシュ先生の妹君と言えば、ルージュ嬢よね?
彼女は、貴方の兄君との間に、娘さんを6人もお産みになられていたわよね?
どこが子供も産めぬ欠陥品ですの??
貴方の兄君も、男児が産まれなかったことは残念がっているけれども、ルージュ嬢がお産みになられた娘さん方を大層可愛がっておいでだと、そう貴方の母君からは伺っておりますわ。
ルージュ嬢をイラクサ修道院に送るとなれば、娘さん方も同様にイラクサ修道院に送らなければならなくなりますのよ??
娘さん方を溺愛している貴方の兄君が、そのようなことを許すと思っておりますの?
それから、ヌーシュ先生、早まりましたわね。
妹君であるルージュ嬢や姪子さん方を護りたかったとはいえ、少し考えれば分かることでしょう?
次男であるノーベン殿が、ルージュ嬢や姪子さん方に関しての決定権を持っていないことくらい。」
「?!姪達までイラクサ修道院に送るだと?
そんな必要はないだろう?!」
「あら、ご存じありませんの??
学園で何を学ばれていたのかしら??
貴族家から妻を修道院に送る場合、男児は跡取りとして家に残せますけれど、女児は妻と共に修道院に送ることと定められておりますのよ?
それも、子供を産めなかったことを理由としているのに、娘と共に入るなんて可笑しいでしょう??
子供産めてるじゃないのって、送り返されるだけよ。
そもそも、女児しか産まれなかったとしても、優秀な方を婿養子にとれば済みますわ。
そんなことも知らないなんて...ノーベン殿もヌーシュ先生も、お勉強が足りませんわね。」
王妃陛下の指摘に、その時には思い至らなかったのか、ヌーシュ先生が頭を抱えていらっしゃいますわね。
姪子さんに会うときは、いつもルージュ様とその旦那様がご一緒されてるとお聞きしておりましたのに、イラクサ修道院という言葉でポーンッと抜けてしまわれたのね?
女性にとって、婚家より修道院に送られるということは大変な不名誉ですもの。
ノーベン様に至っては、悲壮なお顔をされておりますけれど...もう処置なしですわ。
自身の通う学園の先生を、7人もの人質を使って脅していますもの。弁解の余地なしですわね。
ご実家からも何かしらあることでしょう。
この話を聞いた兄君がお怒りになられてますもの...あの様子で、何もしないなんてありえないわ。
ご本人であるルージュ様と兄君がこの場にいらっしゃいますもの、隠せないわよね。
ノーベン様も卒業生ですもの...その父兄としてご参加されておりますのよ。
ウフフ、私は絶対に左側を見ませんわよ?
お兄様に匹敵する程の、どす黒オーラが感じられますもの。
あんなもの、直接見たくありませんわ!!
*
「「......。」」
「陛下の問いに答えなさい。
それとも、ユーティリカ嬢と王家との確執が生まれることを狙っての...反逆ですか?」
「「...?!」」
2人仲良く黙り決め込んでないで、さっさと話してくれません??
お2人の目の前までゆったりと歩いて行き、腹黒さ満点のニッコリとした笑顔で問う学園長の言う通り、もしも私と王家との確執を狙ったのなら、正しく反逆罪ですわね。
まぁ...お2人は違うのでしょうけれど。
「自分は、第2王子殿下に命じられました。」
「私は、主家であるノーベン様に命じられました。」
ツンツンと逆立った茶髪に極太の眉と同色のつり目をしたアミフェン先生は、平民の冒険者出身の方です。
この国の王子に命令されて、無視など出来なかったのでしょうね......お母上のこともありますもの。
まさか、脅されてはいないわよね?
「何を命じられたのですか?」
「「これは、授業中の事故として処理せよ...と。」」
「でなければ、ノーベン様の兄君に嫁いだ妹を...子供も産めぬ欠陥品としてイラクサ修道院に送ると.....。」
サラサラのさっぱりとした短めに整えた金髪にそれ、見えてるの?と不安になるくらいに細い青い目をしたヌーシュ先生は、アルトリス男爵家のご次男です。
殿下の背後に自慢気に立っておられました、腰まである無駄に長い深緑の髪を1つに纏め、勝ち気なアーモンド型のグレーの猫目を見開いてるのが、ノーベン様でして...ヌーシュ先生のご実家の主家に当たりますの。
まぁ、ノーベン様もご次男でございますけれど...偉そうなのよね。
「ノーベン殿、これはどう言うことかしら?
貴方の兄君に嫁がれたヌーシュ先生の妹君と言えば、ルージュ嬢よね?
彼女は、貴方の兄君との間に、娘さんを6人もお産みになられていたわよね?
どこが子供も産めぬ欠陥品ですの??
貴方の兄君も、男児が産まれなかったことは残念がっているけれども、ルージュ嬢がお産みになられた娘さん方を大層可愛がっておいでだと、そう貴方の母君からは伺っておりますわ。
ルージュ嬢をイラクサ修道院に送るとなれば、娘さん方も同様にイラクサ修道院に送らなければならなくなりますのよ??
娘さん方を溺愛している貴方の兄君が、そのようなことを許すと思っておりますの?
それから、ヌーシュ先生、早まりましたわね。
妹君であるルージュ嬢や姪子さん方を護りたかったとはいえ、少し考えれば分かることでしょう?
次男であるノーベン殿が、ルージュ嬢や姪子さん方に関しての決定権を持っていないことくらい。」
「?!姪達までイラクサ修道院に送るだと?
そんな必要はないだろう?!」
「あら、ご存じありませんの??
学園で何を学ばれていたのかしら??
貴族家から妻を修道院に送る場合、男児は跡取りとして家に残せますけれど、女児は妻と共に修道院に送ることと定められておりますのよ?
それも、子供を産めなかったことを理由としているのに、娘と共に入るなんて可笑しいでしょう??
子供産めてるじゃないのって、送り返されるだけよ。
そもそも、女児しか産まれなかったとしても、優秀な方を婿養子にとれば済みますわ。
そんなことも知らないなんて...ノーベン殿もヌーシュ先生も、お勉強が足りませんわね。」
王妃陛下の指摘に、その時には思い至らなかったのか、ヌーシュ先生が頭を抱えていらっしゃいますわね。
姪子さんに会うときは、いつもルージュ様とその旦那様がご一緒されてるとお聞きしておりましたのに、イラクサ修道院という言葉でポーンッと抜けてしまわれたのね?
女性にとって、婚家より修道院に送られるということは大変な不名誉ですもの。
ノーベン様に至っては、悲壮なお顔をされておりますけれど...もう処置なしですわ。
自身の通う学園の先生を、7人もの人質を使って脅していますもの。弁解の余地なしですわね。
ご実家からも何かしらあることでしょう。
この話を聞いた兄君がお怒りになられてますもの...あの様子で、何もしないなんてありえないわ。
ご本人であるルージュ様と兄君がこの場にいらっしゃいますもの、隠せないわよね。
ノーベン様も卒業生ですもの...その父兄としてご参加されておりますのよ。
ウフフ、私は絶対に左側を見ませんわよ?
お兄様に匹敵する程の、どす黒オーラが感じられますもの。
あんなもの、直接見たくありませんわ!!
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