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6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
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「学園長、今回、卒業式後に起こりました第2王子殿下の暴走を止めることが出来ず、申し訳ございませんでした。
私、あの方に全く興味関心を抱けませんでしたので、お噂は色々と聞いておりましたけれど、対応が面倒で放置してしまいましたの。
婚約者としては、許されないことだったと理解しておりますわ。」
「ユーティリカ嬢、殿下は、貴女を見当違いの勘違いから毛嫌いされておられました。
たしか、例の側仕えの家が第2王子の婚約者候補にと推していたご令嬢が、最初の選定で落とされたと聞いております。
彼が、裏で糸を引いていたのやもしれません。
先ほど事務員に聞いたところによると、ルビスへと制服の改造について注意を促したところ、第2王子側から、
『諸事情によりルビスの改造された制服を許可しているという旨の略式命令文を出されましたので、黙認せざる負えなかったのです。』
と言われました。
...あの様子では、その命令文が偽造されていた可能性がありますので、きっちりと精査して事務員や第2王子、ルビスらを厳重に処罰致します。
このことは王家にも報告しますし、事務員達の不手際の責任は最高責任者である私にもありますのが、これは人の忖度などが起こしたことでもあります。
私や教師、事務員達の処罰はあっても、学園側への処罰はあまりきつくならないでしょう。
ユーティリカ嬢が気に病むことはありませんよ。」
学園長の浮かべるたおやかな笑みに、つい見とれてしまいましたわ。
本当に男性なのかしら?と疑ってしまうレベルでお綺麗ですわよね。
やはり、可笑しいとは感じておりましたのよ...学園側がこの3年間1度もあの方に注意をなさらないのですもの。
聖国よりの留学生の方々は、あの格好に不愉快さを隠さずに学園へと抗議して、2月という留学期間を返上して早々にお国に帰られましたわ。
あの方が聖国の第2巫女家の血を引いていることは、明白ですけれど、聖国としてはどうなさるのかしら?
申し訳ありませんけれど、少しわくわくいたしますわね。
第2王子殿下の側仕え達の私への態度はとても酷いものでしたし、それを訴えた私に対して王妃様が放ったお言葉もそれは酷いものでしたわ。
帰ったらお祖父様に一言一句違えずにお伝えして、王家との話し合いに臨んでいただきましょう。
王家との諸々の柵なんて我が家には不要ですから、見も心も軽くして領地に帰りたいわね。
「それでは、事務官さん達にもご挨拶してから、私達も帰りますわ。」
「えぇ、貴女に声をかけていただけると、彼等も喜びます。」
「それでは、失礼いたします。」
「ティリー様、そろそろ馬車の用意をしてきますね。」
「えぇ、お願いね?」
「グレイシオ様、くれぐれも、ティリー様をお願いしますね?」
「分かっているよ。
僕の大事なティリーに、誰も指一本触れさせないから。」
学園長へのご挨拶を済ませてから、事務官さん達の方へ向かっております。
途中で、スリゼルが帰りの馬車を用意する為に厩舎へ向かいましたが、行く前にお兄様を輝かしい笑顔で見つめて私のことを頼んで行ったのですけれど、この学園の事務官さん達ならば大丈夫ですわ。
私達生徒が困っていると、色々と助けてくださる優しい方達ですのよ?
2人して、変に心配性なんだから...もう。
*
私、あの方に全く興味関心を抱けませんでしたので、お噂は色々と聞いておりましたけれど、対応が面倒で放置してしまいましたの。
婚約者としては、許されないことだったと理解しておりますわ。」
「ユーティリカ嬢、殿下は、貴女を見当違いの勘違いから毛嫌いされておられました。
たしか、例の側仕えの家が第2王子の婚約者候補にと推していたご令嬢が、最初の選定で落とされたと聞いております。
彼が、裏で糸を引いていたのやもしれません。
先ほど事務員に聞いたところによると、ルビスへと制服の改造について注意を促したところ、第2王子側から、
『諸事情によりルビスの改造された制服を許可しているという旨の略式命令文を出されましたので、黙認せざる負えなかったのです。』
と言われました。
...あの様子では、その命令文が偽造されていた可能性がありますので、きっちりと精査して事務員や第2王子、ルビスらを厳重に処罰致します。
このことは王家にも報告しますし、事務員達の不手際の責任は最高責任者である私にもありますのが、これは人の忖度などが起こしたことでもあります。
私や教師、事務員達の処罰はあっても、学園側への処罰はあまりきつくならないでしょう。
ユーティリカ嬢が気に病むことはありませんよ。」
学園長の浮かべるたおやかな笑みに、つい見とれてしまいましたわ。
本当に男性なのかしら?と疑ってしまうレベルでお綺麗ですわよね。
やはり、可笑しいとは感じておりましたのよ...学園側がこの3年間1度もあの方に注意をなさらないのですもの。
聖国よりの留学生の方々は、あの格好に不愉快さを隠さずに学園へと抗議して、2月という留学期間を返上して早々にお国に帰られましたわ。
あの方が聖国の第2巫女家の血を引いていることは、明白ですけれど、聖国としてはどうなさるのかしら?
申し訳ありませんけれど、少しわくわくいたしますわね。
第2王子殿下の側仕え達の私への態度はとても酷いものでしたし、それを訴えた私に対して王妃様が放ったお言葉もそれは酷いものでしたわ。
帰ったらお祖父様に一言一句違えずにお伝えして、王家との話し合いに臨んでいただきましょう。
王家との諸々の柵なんて我が家には不要ですから、見も心も軽くして領地に帰りたいわね。
「それでは、事務官さん達にもご挨拶してから、私達も帰りますわ。」
「えぇ、貴女に声をかけていただけると、彼等も喜びます。」
「それでは、失礼いたします。」
「ティリー様、そろそろ馬車の用意をしてきますね。」
「えぇ、お願いね?」
「グレイシオ様、くれぐれも、ティリー様をお願いしますね?」
「分かっているよ。
僕の大事なティリーに、誰も指一本触れさせないから。」
学園長へのご挨拶を済ませてから、事務官さん達の方へ向かっております。
途中で、スリゼルが帰りの馬車を用意する為に厩舎へ向かいましたが、行く前にお兄様を輝かしい笑顔で見つめて私のことを頼んで行ったのですけれど、この学園の事務官さん達ならば大丈夫ですわ。
私達生徒が困っていると、色々と助けてくださる優しい方達ですのよ?
2人して、変に心配性なんだから...もう。
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