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6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
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「スリゼル、良かったね。
ティリー、そろそろ学園長達にご挨拶に行こうか。」
「お兄様!そうでしたわ!
早くご挨拶を済ませて、早く帰りましょう?
お祖父様がお家で、首を長ーく伸ばして待っていらっしゃいますわ!」
「ティリー様、走ると転けますよー...って、聞いてない。」
「ティリーは、こうと決めると猪突猛進なところがあるからね。
スリゼル、僕らも行こう。」
お兄様に声をかけられていなかったら、忘れる所でしたわ!危ない危ない...。
お祖父様がお1人で待っておりますのに、早く帰りませんと!
あっ!学園長、見付けましたわ!
「学園長ー!
ウフフ、とても清清しいお顔をしておられますわね。」
「ユーティリカ嬢、走ったら危ないよ?」
「はっ!すみません。
随分とはしたないことをしてしまいましたわ...お祖父様が久しぶりに帰って来られましたので、少し気が急いてしまって...失礼いたしました。」
「ルーベリン公爵様が帰って来られているのかい?
...それは、良かったと言って良いのかな?」
清清しいお顔をした学園長は、用務員さん達に片付けの指示を出されておりましたのね。
私ったら、昔のお転婆が戻ってきたのかしら...きっと、にやにやとしたお兄様に猪娘とからかわれてしまいますわ。
お恥ずかしいですこと...穴があったら、目撃者の方々を埋めてしまいたいわ。
学園長も、お祖父様が帰国されるときは、リリスお祖母様が亡くなられてからになるということを知っておられますものね。
ですが、気になさらないでほしいですわ。
用務員の方々はテキパキと片付けをなさっておいでですけれど、事務官さん達は今日の裁判での書類などを難しいお顔で睨み付けておられますが、どうなさったのかしら?
後で聞いてみましょう。
「えぇ、私は良かったと思っておりますわ。
お祖父様のことですから、きっとリリスお祖母様もご一緒ですもの。
お祖母様のお墓とリリスお祖母様のお墓で、将来入ることになるお祖父様のお墓を挟んだ位置になるように、リリスお祖母様のお墓を作りたいと思っておりますの。
建立の時、もしも学園長のご予定がよろしければ、式にお出でになられませんか?
リリスお祖母様の従弟の子供である学園長に来ていただけるのなら、お祖父様もとても喜びますわ。」
「ティリー、リリスお祖母様のお墓は、今ティリーが言った場所にもう作ってあるよ?
中はまだ空だけど。」
「え?もう作ってありますの?!」
「うん、あちらへと送られる際に、リリスお祖母様に頼まれたからね。
だから、学園長には安置式に来ていただかないと...困るんだけど?」
お兄様......リリスお祖母様のことなのですから、私に教えてくださっていてもよろしいでしょう?
私の頬をむにゅんっと撫でて誤魔化そうったって、そうはいきませんわ!
このっ、なんで、お兄様ったらっ、こんなに背が高いのよ!
もうっ!お兄様の柔らかい頬に、全っ然手が届かないですわ!
お兄様もいつも私の頬を触っているのですから、私も触りたいのですわ!
お兄様!男なら潔く、その柔らか頬っぺをお寄越しになられてくださいませ。
はっ!大幅に脱線してしまいましたわ...失礼いたしました。
「行っても良いのなら、参加したいな。
リリス叔母上は、色々とあの家の事情で大変な苦労をされてきたし、突然15という若さで嫁ぐと聞いたときには、どうなることかと父や母と心配していたんだよ。
叔母上は、本当に良い家族に恵まれたんだね。」
「勿論ですわ!
私達は、先代の陛下に感謝しておりますの。
リリスお祖母様という慈愛に満ちた天使を、我が家に授けてくださったのですもの。
式の日程につきましては、決まり次第案内を送らせていただきますわね。」
「ありがとう。」
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ティリー、そろそろ学園長達にご挨拶に行こうか。」
「お兄様!そうでしたわ!
早くご挨拶を済ませて、早く帰りましょう?
お祖父様がお家で、首を長ーく伸ばして待っていらっしゃいますわ!」
「ティリー様、走ると転けますよー...って、聞いてない。」
「ティリーは、こうと決めると猪突猛進なところがあるからね。
スリゼル、僕らも行こう。」
お兄様に声をかけられていなかったら、忘れる所でしたわ!危ない危ない...。
お祖父様がお1人で待っておりますのに、早く帰りませんと!
あっ!学園長、見付けましたわ!
「学園長ー!
ウフフ、とても清清しいお顔をしておられますわね。」
「ユーティリカ嬢、走ったら危ないよ?」
「はっ!すみません。
随分とはしたないことをしてしまいましたわ...お祖父様が久しぶりに帰って来られましたので、少し気が急いてしまって...失礼いたしました。」
「ルーベリン公爵様が帰って来られているのかい?
...それは、良かったと言って良いのかな?」
清清しいお顔をした学園長は、用務員さん達に片付けの指示を出されておりましたのね。
私ったら、昔のお転婆が戻ってきたのかしら...きっと、にやにやとしたお兄様に猪娘とからかわれてしまいますわ。
お恥ずかしいですこと...穴があったら、目撃者の方々を埋めてしまいたいわ。
学園長も、お祖父様が帰国されるときは、リリスお祖母様が亡くなられてからになるということを知っておられますものね。
ですが、気になさらないでほしいですわ。
用務員の方々はテキパキと片付けをなさっておいでですけれど、事務官さん達は今日の裁判での書類などを難しいお顔で睨み付けておられますが、どうなさったのかしら?
後で聞いてみましょう。
「えぇ、私は良かったと思っておりますわ。
お祖父様のことですから、きっとリリスお祖母様もご一緒ですもの。
お祖母様のお墓とリリスお祖母様のお墓で、将来入ることになるお祖父様のお墓を挟んだ位置になるように、リリスお祖母様のお墓を作りたいと思っておりますの。
建立の時、もしも学園長のご予定がよろしければ、式にお出でになられませんか?
リリスお祖母様の従弟の子供である学園長に来ていただけるのなら、お祖父様もとても喜びますわ。」
「ティリー、リリスお祖母様のお墓は、今ティリーが言った場所にもう作ってあるよ?
中はまだ空だけど。」
「え?もう作ってありますの?!」
「うん、あちらへと送られる際に、リリスお祖母様に頼まれたからね。
だから、学園長には安置式に来ていただかないと...困るんだけど?」
お兄様......リリスお祖母様のことなのですから、私に教えてくださっていてもよろしいでしょう?
私の頬をむにゅんっと撫でて誤魔化そうったって、そうはいきませんわ!
このっ、なんで、お兄様ったらっ、こんなに背が高いのよ!
もうっ!お兄様の柔らかい頬に、全っ然手が届かないですわ!
お兄様もいつも私の頬を触っているのですから、私も触りたいのですわ!
お兄様!男なら潔く、その柔らか頬っぺをお寄越しになられてくださいませ。
はっ!大幅に脱線してしまいましたわ...失礼いたしました。
「行っても良いのなら、参加したいな。
リリス叔母上は、色々とあの家の事情で大変な苦労をされてきたし、突然15という若さで嫁ぐと聞いたときには、どうなることかと父や母と心配していたんだよ。
叔母上は、本当に良い家族に恵まれたんだね。」
「勿論ですわ!
私達は、先代の陛下に感謝しておりますの。
リリスお祖母様という慈愛に満ちた天使を、我が家に授けてくださったのですもの。
式の日程につきましては、決まり次第案内を送らせていただきますわね。」
「ありがとう。」
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