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6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
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「そうだね...お祖父様は、いつまでも僕の憧れの人だよ。」
お兄様のみならず、私もお祖父様のことが大好きですもの...早く帰って久しぶりのお祖父様を堪能いたしませんと!
かれこれ...7年振りの再会ですのよ?
リリスお祖母様とお祖父様のいらっしゃらない7年は、とても長かったですわ。
あの阿呆様方が...分不相応な望みを持って、後先考えずに余計なことをするから、お兄様が無駄な労力を強いられて......。
お祖父様によって平民に落とされましたけれど、3人仲良く助け合えているのかしら?
我が家に悪影響が無ければ良いのですけれど...監視は付けておりますもの、大丈夫ですよね?
「ティリー様、グレイシオ様、いつでも出られますよー。」
スリゼル...そういえば、最後まで気付かなかったのね?貴方。
尻尾はブンブン、耳はぺたぺた、忙しなく動いてますわね!可愛いわ!
「スリゼル...いつ言おうかなーって思ってたんだけど、裁判で証言した辺りから人化が解けてきてるよ?
僕としては可愛いからそのままでも良いんだけど。」
「...?!..........。」
お兄様が、スリゼルのお耳をモフモフしながら言っちゃいましたわね。
ショックを受けて、完全に獣化してしまいましたわねぇ...可愛いわ!
この様子なら、直ぐには復活しないでしょうから...私が抱っこしても文句は言われないでしょう?
お兄様、スリゼルを頂戴な?
「ん?ティリーが抱っこするの?はい。」
「ありがとうございます。
スリゼル?お家に帰りましょうね!」
「ギルノさん、馬車を出してください。」
「はいよっ!」
スリゼルは、普通の狐さんよりも2倍くらいは大きいので、安全のために椅子ではなく床に直接座りましょう。
こんなこともあるかな?と、馬車の床にはクッション性の良い絨毯を敷き詰めて、もちもちのクッションも大量に準備してありますのよ。
スリゼルのモフモフな毛皮に顔を埋めて、横たわった身体に抱き付いて、至福のリラックスタイムを堪能いたしましょう。
今は、お臍を曲げて拗ねてしまっているので、可愛らしく前足で顔を隠しておりますけれど、その仕草が余計に可愛さを増しているということに、まだ気付いておりませんのね。
「スリゼル!卒業記念のパーティで、私のエスコートをしてくれるのでしょう?」
「う、うん......する。」
「ティリー、エスコートは僕じゃ駄目なの?
ティリーは、お兄様のことが嫌いかい?」
「何を言っているの?
お兄様には、シェリーお姉様がいらっしゃるじゃない。
今度のパーティは、4人で出られるまたとない機会ですのよ?」
「ティリーとパーティ...嬉しい。
グレイシオもシェリーもいるんだよね?」
あら、やっと頭が上がったわね!
そうよ!卒業記念のパーティには、お兄様もシェリーお姉様を伴って一緒に参加する予定なのよ。
折角疎ましい婚約が無くなるのですもの、卒業記念のパーティーでは楽しく過ごしたいですわ。
お祖父様は、リリスお祖母様がお体を病まれてから、リリスお祖母様を伴えないのならパーティーには出席しないと仰いましたのよね...。
私のデビュタントはお祖父様がエスコートしてくださる予定でしたけれど、その前にリリスお祖母様の祖国に送られてしまいましたから、お兄様がエスコートしてくださいましたわ。
「ティリーもシェリーも綺麗だろうなぁー。
グレイシオ...皆で参加するの、駄目なの?」
くっ!こてんって...狐さんの姿でこてんってするの可愛いわ!
「くっ!スリゼルの可愛さに免じて、4人で出ようか...。
分かっててやってるだろ...反則だよ?それ。」
「わーい!!ティリー!皆で出れるってー!!」
「良かったわ!皆一緒が良いものねー!!」
「うん!皆一緒ぉー!!」
お兄様、スリゼルにエスコートのお願いをしていたのを知っておられましたのに、話しを合わせてくださってありがとうございました。
落ち込む狐さんのスリゼルも可愛らしいですけれど、楽しそうにしている方がもっと可愛いですものね。
*
お兄様のみならず、私もお祖父様のことが大好きですもの...早く帰って久しぶりのお祖父様を堪能いたしませんと!
かれこれ...7年振りの再会ですのよ?
リリスお祖母様とお祖父様のいらっしゃらない7年は、とても長かったですわ。
あの阿呆様方が...分不相応な望みを持って、後先考えずに余計なことをするから、お兄様が無駄な労力を強いられて......。
お祖父様によって平民に落とされましたけれど、3人仲良く助け合えているのかしら?
我が家に悪影響が無ければ良いのですけれど...監視は付けておりますもの、大丈夫ですよね?
「ティリー様、グレイシオ様、いつでも出られますよー。」
スリゼル...そういえば、最後まで気付かなかったのね?貴方。
尻尾はブンブン、耳はぺたぺた、忙しなく動いてますわね!可愛いわ!
「スリゼル...いつ言おうかなーって思ってたんだけど、裁判で証言した辺りから人化が解けてきてるよ?
僕としては可愛いからそのままでも良いんだけど。」
「...?!..........。」
お兄様が、スリゼルのお耳をモフモフしながら言っちゃいましたわね。
ショックを受けて、完全に獣化してしまいましたわねぇ...可愛いわ!
この様子なら、直ぐには復活しないでしょうから...私が抱っこしても文句は言われないでしょう?
お兄様、スリゼルを頂戴な?
「ん?ティリーが抱っこするの?はい。」
「ありがとうございます。
スリゼル?お家に帰りましょうね!」
「ギルノさん、馬車を出してください。」
「はいよっ!」
スリゼルは、普通の狐さんよりも2倍くらいは大きいので、安全のために椅子ではなく床に直接座りましょう。
こんなこともあるかな?と、馬車の床にはクッション性の良い絨毯を敷き詰めて、もちもちのクッションも大量に準備してありますのよ。
スリゼルのモフモフな毛皮に顔を埋めて、横たわった身体に抱き付いて、至福のリラックスタイムを堪能いたしましょう。
今は、お臍を曲げて拗ねてしまっているので、可愛らしく前足で顔を隠しておりますけれど、その仕草が余計に可愛さを増しているということに、まだ気付いておりませんのね。
「スリゼル!卒業記念のパーティで、私のエスコートをしてくれるのでしょう?」
「う、うん......する。」
「ティリー、エスコートは僕じゃ駄目なの?
ティリーは、お兄様のことが嫌いかい?」
「何を言っているの?
お兄様には、シェリーお姉様がいらっしゃるじゃない。
今度のパーティは、4人で出られるまたとない機会ですのよ?」
「ティリーとパーティ...嬉しい。
グレイシオもシェリーもいるんだよね?」
あら、やっと頭が上がったわね!
そうよ!卒業記念のパーティには、お兄様もシェリーお姉様を伴って一緒に参加する予定なのよ。
折角疎ましい婚約が無くなるのですもの、卒業記念のパーティーでは楽しく過ごしたいですわ。
お祖父様は、リリスお祖母様がお体を病まれてから、リリスお祖母様を伴えないのならパーティーには出席しないと仰いましたのよね...。
私のデビュタントはお祖父様がエスコートしてくださる予定でしたけれど、その前にリリスお祖母様の祖国に送られてしまいましたから、お兄様がエスコートしてくださいましたわ。
「ティリーもシェリーも綺麗だろうなぁー。
グレイシオ...皆で参加するの、駄目なの?」
くっ!こてんって...狐さんの姿でこてんってするの可愛いわ!
「くっ!スリゼルの可愛さに免じて、4人で出ようか...。
分かっててやってるだろ...反則だよ?それ。」
「わーい!!ティリー!皆で出れるってー!!」
「良かったわ!皆一緒が良いものねー!!」
「うん!皆一緒ぉー!!」
お兄様、スリゼルにエスコートのお願いをしていたのを知っておられましたのに、話しを合わせてくださってありがとうございました。
落ち込む狐さんのスリゼルも可愛らしいですけれど、楽しそうにしている方がもっと可愛いですものね。
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