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7 : 王家との話し合い...どうなるのかしら?
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「...王子宮にいることが分かっておられるのに、何故身柄を押さえないのでしょうか?
貴族の方々が幽閉場所から勝手に出されたのだと仰られましたけれど、元々幽閉なさっていたのでしたら罪を犯したと判定されているのでしょう?
それならば、捕縛することが出来ますわよね?
王城の敷地内にいらっしゃるのですもの...どうして手が出せないのかが分かりませんわ。
私、陛下方の権力の外にでもいらっしゃるのかと危惧いたしておりましたわ。」
「いや、連れ出されたことに気付いて直ぐに宰相に捕縛するようにと命じているのだが、阿呆貴族共に抵抗されているらしく悉く失敗している。」
「宰相閣下が、フローグ?とかいう一応は王族の方を利用して、王位簒奪でも狙っておられるのかしら?」
「その可能性が1番高いだろうな。」
宰相の暗躍が確定のようですわね。
私、宰相については、ただの臆病なバーコード禿で小太りのおじさんだと思っておりましたけれど、違いましたのね。
「?!まさか、そんなこと!
あの宰相がする筈ありませんわ!」
「王妃陛下、誰しも権力には惑わされるものですよ。
第2王子の側近にも、虎の威を借る狐がおりましたからね。」
「取り敢えず、宰相については後程調べてもらうとして、こちらの話し合いを先に片付けてしまおうか。」
「うむ、そうだな。
宰相については後で調べるとしよう。」
宰相閣下は、王妃陛下の又従兄弟ですものね。
もしも宰相閣下が王位簒奪を企んでいたとするのなら、ご自分にまで火の粉が降りかかるやもしれませんし、ご実家のことなどさぞやご心配でしょうね。
あら、陛下も青白い顔をなさった王妃陛下のことは無視なさるのですか?
まぁ、私達には一切関係ありませんから、申し訳ありませんが先に進めさせていただきますわね。
私、早く安心出来る領地に帰りたいですもの。
陛下が警備兵に扉を閉めるようにと合図を出されたので、警備兵さんは音を立てないようにゆっくりと丁寧に扉を閉められました。
「それでは、第2王子の処罰から聞こうかの?」
「はい...第2王子については、王子位を廃し貴族籍への臣籍降下をとの声もあったが、あのような重大時を犯したのだからそれだけでは足りぬと判断した。
因って、王族としての身分並びに、貴族としての身分も認めぬものとする。
子を産めぬように処置した後に、罪を犯した平民として西の開拓地に送ることが正式に決まった。」
「平民として...ですか。
アレも一応王族ですよね?
子を産めぬように処置したてしても、フローグとかいう阿呆みたいに担ぎ出されると面倒なのでは?」
平民となると聞いた瞬間に、アレ呼ばわりするのはどうかと思いますわ。
お兄様ったら、キョトンと可愛らしいお顔をしておられますけれど、その真っ黒なお腹の中では、面倒臭いなーと考えておられますわね?
「あぁ、その心配はない。
先日、若い騎士見習いとの密通について側妃を取り調べていて分かったのだが、どうやら第2王子は私の子では無いようなのだ。
隣国の強い媚薬を盛られてしまい出来てしまった子なのだと、私の弟に似たあの子の容姿に永らく信じてしまっていたのだが...どうやらその時には子が出来ていなかったらしい。
妊娠していないことに気付いた側妃は、直ぐに私と同じ髪と目の色をした男を見付け出して、子作りに励んだらしい。
産み月が合わないなとは思っていたんだよ。」
「あの、彼は陛下ではなく、王弟殿下に似ていらっしゃるのですか?」
「あぁ、10の頃に流行り病を得て亡くなった、末の弟に似ているよ。」
「そうでしたの。
お辛いことを聞いてしまいましたのね、申し訳ございません。」
「構わないよ。
末の弟は身体の弱い子で、きちんとしたお披露目もしていないから、君達若い世代は知らなくて当然なのだよ。
ユーティリカ嬢、貴女が謝ることでは無いよ。」
陛下は、末の弟さんのことがお好きでしたのね。
弟さんのことをお話しになられるとき、とてもお優しいお顔をなされておりますもの。
髪の色も目の色もお顔立ちも陛下とは違いますから、何故信じてしまわれたのか疑問でしたのよね。
色は違っても、容姿が王弟さんに似ていたのなら、騙されることもあり得るかもしれないわよね?
*
貴族の方々が幽閉場所から勝手に出されたのだと仰られましたけれど、元々幽閉なさっていたのでしたら罪を犯したと判定されているのでしょう?
それならば、捕縛することが出来ますわよね?
王城の敷地内にいらっしゃるのですもの...どうして手が出せないのかが分かりませんわ。
私、陛下方の権力の外にでもいらっしゃるのかと危惧いたしておりましたわ。」
「いや、連れ出されたことに気付いて直ぐに宰相に捕縛するようにと命じているのだが、阿呆貴族共に抵抗されているらしく悉く失敗している。」
「宰相閣下が、フローグ?とかいう一応は王族の方を利用して、王位簒奪でも狙っておられるのかしら?」
「その可能性が1番高いだろうな。」
宰相の暗躍が確定のようですわね。
私、宰相については、ただの臆病なバーコード禿で小太りのおじさんだと思っておりましたけれど、違いましたのね。
「?!まさか、そんなこと!
あの宰相がする筈ありませんわ!」
「王妃陛下、誰しも権力には惑わされるものですよ。
第2王子の側近にも、虎の威を借る狐がおりましたからね。」
「取り敢えず、宰相については後程調べてもらうとして、こちらの話し合いを先に片付けてしまおうか。」
「うむ、そうだな。
宰相については後で調べるとしよう。」
宰相閣下は、王妃陛下の又従兄弟ですものね。
もしも宰相閣下が王位簒奪を企んでいたとするのなら、ご自分にまで火の粉が降りかかるやもしれませんし、ご実家のことなどさぞやご心配でしょうね。
あら、陛下も青白い顔をなさった王妃陛下のことは無視なさるのですか?
まぁ、私達には一切関係ありませんから、申し訳ありませんが先に進めさせていただきますわね。
私、早く安心出来る領地に帰りたいですもの。
陛下が警備兵に扉を閉めるようにと合図を出されたので、警備兵さんは音を立てないようにゆっくりと丁寧に扉を閉められました。
「それでは、第2王子の処罰から聞こうかの?」
「はい...第2王子については、王子位を廃し貴族籍への臣籍降下をとの声もあったが、あのような重大時を犯したのだからそれだけでは足りぬと判断した。
因って、王族としての身分並びに、貴族としての身分も認めぬものとする。
子を産めぬように処置した後に、罪を犯した平民として西の開拓地に送ることが正式に決まった。」
「平民として...ですか。
アレも一応王族ですよね?
子を産めぬように処置したてしても、フローグとかいう阿呆みたいに担ぎ出されると面倒なのでは?」
平民となると聞いた瞬間に、アレ呼ばわりするのはどうかと思いますわ。
お兄様ったら、キョトンと可愛らしいお顔をしておられますけれど、その真っ黒なお腹の中では、面倒臭いなーと考えておられますわね?
「あぁ、その心配はない。
先日、若い騎士見習いとの密通について側妃を取り調べていて分かったのだが、どうやら第2王子は私の子では無いようなのだ。
隣国の強い媚薬を盛られてしまい出来てしまった子なのだと、私の弟に似たあの子の容姿に永らく信じてしまっていたのだが...どうやらその時には子が出来ていなかったらしい。
妊娠していないことに気付いた側妃は、直ぐに私と同じ髪と目の色をした男を見付け出して、子作りに励んだらしい。
産み月が合わないなとは思っていたんだよ。」
「あの、彼は陛下ではなく、王弟殿下に似ていらっしゃるのですか?」
「あぁ、10の頃に流行り病を得て亡くなった、末の弟に似ているよ。」
「そうでしたの。
お辛いことを聞いてしまいましたのね、申し訳ございません。」
「構わないよ。
末の弟は身体の弱い子で、きちんとしたお披露目もしていないから、君達若い世代は知らなくて当然なのだよ。
ユーティリカ嬢、貴女が謝ることでは無いよ。」
陛下は、末の弟さんのことがお好きでしたのね。
弟さんのことをお話しになられるとき、とてもお優しいお顔をなされておりますもの。
髪の色も目の色もお顔立ちも陛下とは違いますから、何故信じてしまわれたのか疑問でしたのよね。
色は違っても、容姿が王弟さんに似ていたのなら、騙されることもあり得るかもしれないわよね?
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