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7 : 王家との話し合い...どうなるのかしら?
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「痛いところを突かれるのですね。
彼女のことを被害者なのだと擁護している貴族の殆どが、彼女の母親の顧客か彼女自身の顧客ですの。
ですから、顧客リストによって未成人であった彼女自身の顧客だったと証明された方は、貴族という身分を剥奪してから10年間という期限付きの鉱山奴隷とすることが決まっておりますわ。
ただ、彼女の母親の顧客が面倒なのです。
彼女の母親を売春婦として買うこと自体は犯罪ではありませんから。」
「あら、この国では下級娼婦は法的に許されておりますけれど、売春婦は認められないのではありませんか?」
「売春婦を国が守れないというだけで、売春婦となるのが罪になるわけではありませんの。
無くしたいとは思っておりますが、スラムには仕方なく売春婦となる者がおりますから...。」
「下級貴族といえど、貴族が売春婦を買っても良いのですか?」
「それは、未婚の時ならば多少の目溢しをされるが、既婚であれば貴族法として駄目だ。
既婚で売春婦を買ったとなれば貴族法により裁くこととなる。」
「では、その方を擁護されている方々は、皆様未婚の貴族なのですか?」
「いえ、今は全員既婚でしたわね。
顧客リストをもう一度精査しなければなりませんわ!
彼らの婚姻時期と、買った時期とを見極めなければ!」
「そのように手配いたします。」
ルーさん、とっても格好良いわ!
仕事の出来る女って感じで、とても惚れ惚れするわね。
両陛下ともスムーズに会話が出来ているし、気付いていなかった事実を導いてくれるし、流石はルーさんね。
「それでは、フェリス?だったかな?については、犯罪奴隷として慰謝料の半分を稼ぐまで働かせることとしよう。
元第2王子であったあの者には、西の開拓地での給与から半分を支払わせると約束する。」
「えぇ、私としてはそれで構いませんわ。」
「慰謝料の額はどうする?」
「我々も悩みましたが、ルーベリン公爵、貴方が提示してください。」
「ほう...それでは、元第2王子とフェリスとやらには二百万ルベル支払ってもらおう。
このくらいなら5年ほどで支払えるだろう?
王家からは、金ではなく王都に近い領地を返上することの許可と、国境に近い公爵領の自治権を認めていただこうかな?」
「やはり、そう来ましたか...良いでしょう。
王都に近い公爵領を王領とし、国境に近い公爵領の自治権を認めることとする。
婚約の際に取り決めていた税収の免除についてなのだが、これは慰謝料とは違うので受けて欲しい。」
領地の返上と自治権をすんなり認めていただけるなんて、話しが早くて嬉しいですわ。
けれど、婚約不履行での税収の免除は、我が領地から入るであろう税収を10年ほど3分の2免除する...でしたかしら?
いえ、20年ほど半額免除だったわね。
「ルーベリン公爵領から入る筈の税収を...20年分半額免除だったかしら?」
「あぁ、そうなるな。
膨大な額となるが、これは王家のミスである...仕方あるまい。」
そうでしょうね...我が家の税収はこの国の国庫の5分の2近くおりますものね。
「では、これで話し合いは終わりということで良いかな?」
「あぁ、我々も納得している。。」
「では、今取り決めた内容で直ぐに書類を作成してくるので、公爵家の方々はこちらでお待ちを...。」
「あぁ、ここで待っていよう。」
「王妃陛下、シュリルさんは青の応接室でお待ちですわ。」
「えぇ、シュリルに会ってくるわ。
本当に、色々とごめんなさい...ありがとう。」
「王妃陛下が悪いのではなく、国王陛下の不手際ですわ。
キッチリと締め上げてくださいませ!」
「えぇ!任せてちょうだい!!
キッチリと締め上げて殺りますわ!!」
「!!失礼する。」
あら、王妃陛下の気迫に負けて、そそくさと逃げたていかれましたわね。
陛下って...案外残念な人なのね。
*
彼女のことを被害者なのだと擁護している貴族の殆どが、彼女の母親の顧客か彼女自身の顧客ですの。
ですから、顧客リストによって未成人であった彼女自身の顧客だったと証明された方は、貴族という身分を剥奪してから10年間という期限付きの鉱山奴隷とすることが決まっておりますわ。
ただ、彼女の母親の顧客が面倒なのです。
彼女の母親を売春婦として買うこと自体は犯罪ではありませんから。」
「あら、この国では下級娼婦は法的に許されておりますけれど、売春婦は認められないのではありませんか?」
「売春婦を国が守れないというだけで、売春婦となるのが罪になるわけではありませんの。
無くしたいとは思っておりますが、スラムには仕方なく売春婦となる者がおりますから...。」
「下級貴族といえど、貴族が売春婦を買っても良いのですか?」
「それは、未婚の時ならば多少の目溢しをされるが、既婚であれば貴族法として駄目だ。
既婚で売春婦を買ったとなれば貴族法により裁くこととなる。」
「では、その方を擁護されている方々は、皆様未婚の貴族なのですか?」
「いえ、今は全員既婚でしたわね。
顧客リストをもう一度精査しなければなりませんわ!
彼らの婚姻時期と、買った時期とを見極めなければ!」
「そのように手配いたします。」
ルーさん、とっても格好良いわ!
仕事の出来る女って感じで、とても惚れ惚れするわね。
両陛下ともスムーズに会話が出来ているし、気付いていなかった事実を導いてくれるし、流石はルーさんね。
「それでは、フェリス?だったかな?については、犯罪奴隷として慰謝料の半分を稼ぐまで働かせることとしよう。
元第2王子であったあの者には、西の開拓地での給与から半分を支払わせると約束する。」
「えぇ、私としてはそれで構いませんわ。」
「慰謝料の額はどうする?」
「我々も悩みましたが、ルーベリン公爵、貴方が提示してください。」
「ほう...それでは、元第2王子とフェリスとやらには二百万ルベル支払ってもらおう。
このくらいなら5年ほどで支払えるだろう?
王家からは、金ではなく王都に近い領地を返上することの許可と、国境に近い公爵領の自治権を認めていただこうかな?」
「やはり、そう来ましたか...良いでしょう。
王都に近い公爵領を王領とし、国境に近い公爵領の自治権を認めることとする。
婚約の際に取り決めていた税収の免除についてなのだが、これは慰謝料とは違うので受けて欲しい。」
領地の返上と自治権をすんなり認めていただけるなんて、話しが早くて嬉しいですわ。
けれど、婚約不履行での税収の免除は、我が領地から入るであろう税収を10年ほど3分の2免除する...でしたかしら?
いえ、20年ほど半額免除だったわね。
「ルーベリン公爵領から入る筈の税収を...20年分半額免除だったかしら?」
「あぁ、そうなるな。
膨大な額となるが、これは王家のミスである...仕方あるまい。」
そうでしょうね...我が家の税収はこの国の国庫の5分の2近くおりますものね。
「では、これで話し合いは終わりということで良いかな?」
「あぁ、我々も納得している。。」
「では、今取り決めた内容で直ぐに書類を作成してくるので、公爵家の方々はこちらでお待ちを...。」
「あぁ、ここで待っていよう。」
「王妃陛下、シュリルさんは青の応接室でお待ちですわ。」
「えぇ、シュリルに会ってくるわ。
本当に、色々とごめんなさい...ありがとう。」
「王妃陛下が悪いのではなく、国王陛下の不手際ですわ。
キッチリと締め上げてくださいませ!」
「えぇ!任せてちょうだい!!
キッチリと締め上げて殺りますわ!!」
「!!失礼する。」
あら、王妃陛下の気迫に負けて、そそくさと逃げたていかれましたわね。
陛下って...案外残念な人なのね。
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