(本編完結)あら...私、何か悪いこといたしました？

8 : スッキリ爽快！好きに生きますわ！！

59*

「じゃあ、この２羽にする！
お兄、お姉、ありがとう。」

「くっ、いつまで経っても可愛いなぁ。」

「本当よね...スリゼル、いつでも帰っておいでね？
あっ、別に１人でもいいけど、どうせなら皆で帰ってくるのよ？」

「はーい！」

良い子の返事を返したスリゼルの頭の中には、多分もうひよこさんの名前のことしかありませんわね。
間違えたら駄目よ？
貴方が選んだのは、両方共男の子よ？

「シローとクロー...うん。」

[ピー？ピヨッピョピヨ！]

[ヒーヨ？ピョッピー！]

「あら、逆ね。
スリゼル、その子達、逆に覚えようとしてるわよ？」

「え？そうなの？
えっとね？白い子がシローだよ。」

[ピョッ！ピピーピョッピョッ！]

「それで、黒い子がクローだよ。」

[ピヨッ？ピヨッピョピヨピーピヨッ！]

「今度はちゃんと分かったみたい。
シロー君、クロー君、格好良い名前を付けて貰えたわね。」

[[ピヨッ！ピィー！]]

２羽を見つめながら付けたから、逆に覚えちゃったのよね。
ひよこさん達は首を傾げていたけれど、ちゃんと覚えられたみたいで安心したわ。
羽を拡げてパタパタしたり、お尻を振ってみたり、なんだか陽気な子達ね。
後はお兄様なのだけれど、姿が見えないのよねぇ。
どこに行ったのかしら？

「ティリー！スリゼル！僕はこの子にしたよ！」

いつの間に、私達の背後を取られましたの？！びっくりしましたわ！！

[ピーヨー？ピッピィー！ピヨッ！ピョピヨッ！！]

「あれ？怒られちゃった...。
ごめんよ？ティリー達なら、気付いてると思ったんだよー。」

[ピヨ？ピーピヨッ？]

「あら、お兄様を怒ってくださったのね？ありがとう。
とても礼儀正しくて優しいひよこさんなのね。」

[ピヨー。ピョー。]

お兄様の持っている薄い紫のひよこさんが、お兄様を怒ってくださいましたわ。
羽をバタバタと拡げて、嘴で手の平をツンツンとつついてますわ。
ひよこさんの嘴もかなり痛いのよ。
頭を撫でてお礼を言うと、お兄様の手の平でゴロゴロと転がりながら照れてますわね。
ウフフ、とても可愛いわ。

[ピヨ？ピョピヨ！]

「リーフィ？勿論、貴女も可愛いわよ？」

[ピーピヨッ！ピヨッ！]

「これからも一緒に住むのだから、お友達よ？」

[ピョー？ピーピヨッ！]

[ピヨピヨピヨッ！ピィーピヨッ！]

ひよこさん同士でのお話しが始まりましたので、好きに交流していただきましょう。
そう言えば、リーフィとお兄様の子以外は男の子だらけですけれど、大丈夫かしら？
リーフィとお兄様の子だけ小屋を別にした方が良いのかしら？
後で奥様に聞いておきましょう。

「その子に名前は付けましたの？」

「ユカリか、フジか、シキブのどれかにしようと思ったんだけど、全部嫌がられた。」

「それ、日本の名前でしょ？
こちらの名前で付けないと、大体の子が嫌がるわよ。」

「むぅ、悩ましいな。」

「いっぱい悩んで、可愛らしい名前を付けてあげてね？」

「うん、頑張るよ。」

「グレイシオって、名前付けるの苦手だよね。」

「えぇ、他のことなら何でも出来るけれど、お兄様には名付けのセンスが無いのよね。」

「決めた！！パフィーにする！どうかな？」

[ピヨッ！ピィー！ピヨッピョピヨ！]

「良かったー、気に入ってくれた？」

[ピョー！]

無事に決まりましたわね。
じゃあ、そろそろ家に帰りましょうか。
じぃやもセブ爺もマリーも、皆が領地で待っておりますわ。





*