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お兄様の結婚式
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「お兄様...それで、どうなさいますの?結婚のこと。」
「ティリー、お兄様もとっても悩んでいるんだよ。
ああ、どうしたら良いのかな?」
「今回のことは、私のアノ事件が発端とも言えますから、私の出来る範囲でお手伝いいたしますわ。
そうですわねぇ......まずは、シェリーお姉様のお心を聞く為にお茶会でもいたしましょうか。
きっと、シェリーお姉様のご両親が騒いでいるだけでしょうけれど...一応確認しておきましょう。
スリゼル、ミーリスさんと今連絡出来るかしら?」
アノ事件のおかげで私の疎ましい婚約は無かったこととなりましたが、そのことがお兄様のご婚約にまで波及するとは...考えておりませんでしたわ。
王家との話し合いの日に領地へと向かう予定でしたけれど、王妃陛下により
『この事件については、今日の午後に公表するわ。
そして、明日、卒業記念のパーティーをすることになっているの。
貴女がパーティーに参加するのは、この国では明日が最後になるでしょうから、出た方が良いわよ。』
と促されたこともありまして、パーティーの翌日に領地へと旅立ちましたの。
マリオさんのご家族も合流されて、姉君様も体調を崩されることなく楽しい旅路でしたわ。
けれど、私達が領地へとついて3日程経った先週末に、突然シェリーお姉様のご両親から婚約破棄の申し出がございましたの。
結婚まで半年をきっておりますのに、理由も告げない破棄の申し出などあり得ませんわ。
「うん、ティリーがお茶会するなら、是非参加するってー。」
「ありがとう。
今回のお茶会の名目はどうしたら自然かしら?
.........そうですわ!
今回のお茶会は、シェリーお姉様とルーさんと私の3人で開きましょう。
新しい我が家の菓子職人になられたルーさんをご紹介するという名目で...ルーさん特製の前世で有名だったアノ甘味を出せば、シェリーお姉様も少しは安らいでくださいますわよね。
お兄様とスリゼルは、途中から参加なさってくださいね?」
「あら、私も参加していいの?」
「えぇ、何故かは分かりませんが、ご両親は我が家を嫌悪されているご様子ですのよ。
シェリーお姉様をお呼びするには、何か話題が必要ですわ。
ルーさんを利用するみたいになってしまって、ごめんなさい。」
「いいえ、私は構わないわ。
ただ、グレイ君のお嫁さんなんでしょう?
お会いするの、緊張するわね。」
頬に手を当てて、キョトンっと目をぱちくりしているルーさんが可愛いですわ。
ルーさんを利用するようで申し訳無いのだけれど、結婚についてシェリーお姉様のご意志を聞くために呼び出したのだということがご両親に知れたら面倒なのよね。
全く、問題が次から次へと沸いてきますわ!
「ミーリスさんが、菓子職人って男なの?女なの?って、聞いてくるんだけど?」
「あら、身体は男性で心は女性よ?と真実をお伝えして?
こういうことで隠し事をするのは良くないもの。」
護衛も兼ねているミーリスさん的には、私の紹介する人と言えど色々と気になるわよね。
でも、ルーさん...随分と開き直ってませんこと?
私は、ルーさんのそういうところが潔くて好きですわ!
「んー、シェリーが、会えるの楽しみ!って言ってるってー。」
「ふふふっ!シェリーお姉様は、寛容ですものね。」
「あら、この家の人達と同様に、そういうのを気にしない人なのね...嬉しいですわ。
それじゃあ、どんなお菓子を作ろうかしら?」
「スワンシュークリームを作ってほしいわ。
シェリーお姉様は、美しい甘味がお好きなの。」
「あら、じゃあ...プチシューも作る?
シュータワーにして、チョコを細くかけたら美しいのではない?」
「えぇ、きっと美しいわ!」
「分かったわ、任せて!
色んな味のクリームも作らないといけないわね!
日にちが決まったら教えてね?
私は、色々と試作してくるわ!
あ、食べられないものとかも後で教えてくれる?」
「リストにしておきますわ!」
「お願いねぇー?」
これから作る甘味のことをある程度固めたら、楽しそうに鼻唄を歌いながら満面の笑みでサロンを出て行かれましたわ。
ルーさんは、前世からお菓子作りが趣味だったのですもの、好きなことを仕事にするなんて憧れますわよね。
*
「ティリー、お兄様もとっても悩んでいるんだよ。
ああ、どうしたら良いのかな?」
「今回のことは、私のアノ事件が発端とも言えますから、私の出来る範囲でお手伝いいたしますわ。
そうですわねぇ......まずは、シェリーお姉様のお心を聞く為にお茶会でもいたしましょうか。
きっと、シェリーお姉様のご両親が騒いでいるだけでしょうけれど...一応確認しておきましょう。
スリゼル、ミーリスさんと今連絡出来るかしら?」
アノ事件のおかげで私の疎ましい婚約は無かったこととなりましたが、そのことがお兄様のご婚約にまで波及するとは...考えておりませんでしたわ。
王家との話し合いの日に領地へと向かう予定でしたけれど、王妃陛下により
『この事件については、今日の午後に公表するわ。
そして、明日、卒業記念のパーティーをすることになっているの。
貴女がパーティーに参加するのは、この国では明日が最後になるでしょうから、出た方が良いわよ。』
と促されたこともありまして、パーティーの翌日に領地へと旅立ちましたの。
マリオさんのご家族も合流されて、姉君様も体調を崩されることなく楽しい旅路でしたわ。
けれど、私達が領地へとついて3日程経った先週末に、突然シェリーお姉様のご両親から婚約破棄の申し出がございましたの。
結婚まで半年をきっておりますのに、理由も告げない破棄の申し出などあり得ませんわ。
「うん、ティリーがお茶会するなら、是非参加するってー。」
「ありがとう。
今回のお茶会の名目はどうしたら自然かしら?
.........そうですわ!
今回のお茶会は、シェリーお姉様とルーさんと私の3人で開きましょう。
新しい我が家の菓子職人になられたルーさんをご紹介するという名目で...ルーさん特製の前世で有名だったアノ甘味を出せば、シェリーお姉様も少しは安らいでくださいますわよね。
お兄様とスリゼルは、途中から参加なさってくださいね?」
「あら、私も参加していいの?」
「えぇ、何故かは分かりませんが、ご両親は我が家を嫌悪されているご様子ですのよ。
シェリーお姉様をお呼びするには、何か話題が必要ですわ。
ルーさんを利用するみたいになってしまって、ごめんなさい。」
「いいえ、私は構わないわ。
ただ、グレイ君のお嫁さんなんでしょう?
お会いするの、緊張するわね。」
頬に手を当てて、キョトンっと目をぱちくりしているルーさんが可愛いですわ。
ルーさんを利用するようで申し訳無いのだけれど、結婚についてシェリーお姉様のご意志を聞くために呼び出したのだということがご両親に知れたら面倒なのよね。
全く、問題が次から次へと沸いてきますわ!
「ミーリスさんが、菓子職人って男なの?女なの?って、聞いてくるんだけど?」
「あら、身体は男性で心は女性よ?と真実をお伝えして?
こういうことで隠し事をするのは良くないもの。」
護衛も兼ねているミーリスさん的には、私の紹介する人と言えど色々と気になるわよね。
でも、ルーさん...随分と開き直ってませんこと?
私は、ルーさんのそういうところが潔くて好きですわ!
「んー、シェリーが、会えるの楽しみ!って言ってるってー。」
「ふふふっ!シェリーお姉様は、寛容ですものね。」
「あら、この家の人達と同様に、そういうのを気にしない人なのね...嬉しいですわ。
それじゃあ、どんなお菓子を作ろうかしら?」
「スワンシュークリームを作ってほしいわ。
シェリーお姉様は、美しい甘味がお好きなの。」
「あら、じゃあ...プチシューも作る?
シュータワーにして、チョコを細くかけたら美しいのではない?」
「えぇ、きっと美しいわ!」
「分かったわ、任せて!
色んな味のクリームも作らないといけないわね!
日にちが決まったら教えてね?
私は、色々と試作してくるわ!
あ、食べられないものとかも後で教えてくれる?」
「リストにしておきますわ!」
「お願いねぇー?」
これから作る甘味のことをある程度固めたら、楽しそうに鼻唄を歌いながら満面の笑みでサロンを出て行かれましたわ。
ルーさんは、前世からお菓子作りが趣味だったのですもの、好きなことを仕事にするなんて憧れますわよね。
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