「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

文字の大きさ
50 / 108

50話 妖精を保護しました

しおりを挟む
 「ふぁああ。おはよう」
 「おはようございます!!」
 「相変わらず朝早いな」
 「慣れですかね」
 

 俺が目覚めるとアリスだけが起きている。

 リア、ヴィクトリカ、ラフレア、ネールはぐっすりと眠っている。

 ネールは普段外では見せない姿で眠っている。

 耳が鋭く尖り頬に毛が三本ずつ生えている。

 猫のようで可愛いな。

 俺はついネールを撫でた。


 「何故頭を差し出して?」
 「何となくです!!」
 「じゃあ、なでなで」
 「えへへっ!!」


 俺がアリスを撫でるとアリスは凄く喜んでいた。

 うちのパーティーリーダーは凄く可愛いな。


 俺がシャワーを浴び終わって出てくると全員起きていた。

 寝癖が皆酷い。

 俺も人の事は言えないが。


 「今日はどうする?」
 「休息日にするのじゃ!!」
 「おっ、流石に疲れたか?」
 「森でピクニックなのじゃ!!」


 ヴィクトリカの言葉に皆が「おおー」と反応する。

 まあ偶には冒険者ギルドでクエスト受注しない日があってもいいよな。


 「よしじゃあ朝支度済ませたらフィーフィーマウンテンでピクニックにしようか」
 「お弁当はどうするの?」
 「そうだな、露天商で買うか」
 「オッケー。じゃあシャワー浴びてくるわね」
 「ああ」


 リアの裸体を妄想する。

 やばい興奮してきた。

 別の事を考えよう。

 それと一旦セーブだ。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 デイル国宿屋

 スロット2 ダンデル国路地裏

 スロット3 空き

 =========================


 俺はスロット1に上書きセーブをした。

 このスロット3空けているけど何かの役に立つ日が来るかな?

 まあいいや。

 俺も朝支度済ませよう。


 朝支度を済ませ朝食を取ったあと俺達はフィーフィーマウンテンを散歩する。

 木漏れ日の日差しが心地よい。

 新緑樹が俺の心を癒す。


 「綺麗ですね!!」
 「ああ凄い綺麗だな!!」
 「ラーク鳥が飛んでいますよ!!」
 「本当だ。フィーフィー鳴いているな」


 あの鳥の名前は何て言うんだろうか?

 フィーフィー鳴くからフィーフィー鳥?

 うーん謎の鳥だ。


 「はーっ」


 リアが落ち葉の上に寝転ぶ。

 仰向けになって快晴の空を見上げる。

 胸が大きく強調されていて俺の目が自然とそちらに向く。

 相変わらずの大きさである。


 「俺も寝転がるか」
 「妾もじゃ」
 「じゃあ私も」
 「私もです」
 「私も」


 全員仰向けになって寝転ぶ。

 自然と一体化した気分を味わえた。

 空気が澄んでいてとても居心地がいい。

 心を癒す最適の場所だな。

 偶にはこういう日があってもいいだろう。


 暫く寝転がっているとネールが突如起き上がった。

 耳を澄ましている。

 どうしたんだ?


 「ネールどうした?」
 「何か声が聞こえる」
 「何!? 奴隷狩り?」
 「いや違う。か細い少女の声」
 「どっちだ?」
 「数百メートル先。真っ直ぐ行ったところ」
 「行ってみよう」
 「うん」


 俺は寝てしまったラフレアを起こして急いで向かう。

 一体こんなところに何故少女が?

 迷い込んだなら助けないと。


 俺達がネールが声が聞こえたという場所まで行くとそこには羽の生えた小さな精霊がいた。

 いやこれは妖精か。

 金色の髪に人間と同じような服を着ている。

 だが人間と決定的に違うのは、羽とサイズだ。

 俺の手のひら位しかない。


 「おい大丈夫か」
 「うーん。お腹すいた」
 「え!?」
 「お腹すいた」


 どうやら空腹で倒れていたようだ。

 俺達は露天商の食料市場で購入したお弁当を妖精に差し出す。

 すると妖精は目の色を変えて涎を垂らし食べ始める。

 小さい体なのによく食べるな。

 そもそも人間の食事を妖精が食べられるんだな。

 てっきり妖精は魔力や自然エネルギーを食事にするものばかりと思い込んでいた。


 「ぷはあっー。御馳走様」
 「どういたしまして。それで名前は?」
 「私の名前はナーフィ。空飛んで旅してたら空腹で落っこちちゃって」
 「そうか。俺はラークだ宜しくな」
 「うん宜しく!!」


 どうやら本物の妖精らしい。

 凄く小さくて可愛いな。


 「帰れるか?」
 「帰りたくない。だって妖精の国は暇だもの。ねえ私も一緒に旅していい?」
 「え!?」
 「駄目?」


 そんな小さい体で上目遣いで見られると困る。

 断れない。

 というか断る理由もないのだが。


 「どうする?」 
 「私はいいよ!! だって妖精なんて初めて見たもの」
 「妾もじゃ!! 可愛いのう」
 「私も可愛くて好き!!」
 「もう可愛すぎです!! 食べちゃいたくらいです!!」
 「いいよ私も。人外同士仲良くしようよ!!」


 どうやら満場一致のようだ。


 「じゃあ一緒に来るか? 俺達は冒険者だぞ。それでもいいのか?」
 「うん全然オッケー。凄いワクワクする!!」
 「そうか。よしじゃあ今日からナーフィも仲間だ」
 「うん!!」


 こうしてナーフィという妖精が【ホワイトアリス】に加わった。

 妖精って凄くレアな種族だよな。

 一度妖精の国に行ってみたいものだな。

 さてセーブしよう。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 フィーフィーマウンテン

 スロット2 ダンデル国路地裏

 スロット3 空き

 =========================


 俺はスロット1に上書きセーブをした。

 
 その後日が沈むまでフィーフィーマウンテンで遊びまくった。

 今日一日は凄く楽しい一日だった。

 ああ最高だな【ホワイトアリス】は。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...