「やり直しなんていらねえ!」と追放されたけど、セーブ&ロードなしで大丈夫?~崩壊してももう遅い。俺を拾ってくれた美少女パーティと宿屋にいく~

風白春音

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56話 リミットギアは傲慢者の集まりです

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        ♦

 【リミットギア】と呼ばれるパーティーはAランクだ。

 Sランクに近いと自分たちで豪語しているが実際はSランクには程遠い。

 【リミットギア】のメンバーは全部で五人。

 メンバー構成はこうだ。


 アタッカー:ライデル、ケーデル、グレネス

 バッファー:マーリー

 ヒーラー:エステラ


 この五人だ。

 ライデルは【リミットギア】のパーティーリーダーだ。

 黒いショートカットの男で凄く傲慢な性格である。

 銀の鎧に身を包んでいる。


 ケーデルはライデルの弟であり、ライデル同様黒髪で凄く傲慢な性格だ。

 兄をとても良く慕っている。


 グレネスはオレンジ色の髪で巨体の男だ。

 自分が最強だと思い込んでいる勘違い野郎だ。

 よく他人を見下す癖がある。


 マーリーはピンク色の髪の少女でこのパーティーの要を担っている。

 男遊びが激しく、無類のイケメン好きだ。


 エステラは金髪の少女であり普段は猫を被っている。

 本心は他人を見下す癖があり、他人を常に利用しようと考えている。


 このパーティーは常に他人を見下す癖がついた連中の集まりだ。


 【リミットギア】はそこそこ名の知れたパーティーだと自分たちは思い込んでいる。

 実態は並より上ではあるがSランクには遠く及ばない。


 「そう言えばデビルメイデンのラークに会ったよ」
 「兄貴、ラークってあの無能の腰巾着のかい?」
 「ああそうだ。今はデビルメイデンを追放されてホワイトアリスとかいうパーティーに所属しているらしい!!」
 「ホワイトアリス? そんなパーティー聞いたことないな? どこの雑魚だい?」
 「どうやら調べたらBランクらしい。あの無能にはピッタリのパーティーだな!!」
 「兄貴、何故そんな雑魚パーティーに興味を持っているんだい?」
 「ラークはどうでもいいんだが、ラークと一緒にいた女は最高の上玉だった!!」
 「兄貴、そいつを犯したいのか?」
 「屈辱の顔を見たいのさ。あの女は僕に口答えをした。許せないからね!!」
 「じゃあホワイトアリスを壊滅させるかい兄貴?」
 「先ずはパーティーメンバーの実態を調べるのが先だね!!」


 二人は【ホワイトアリス】壊滅を目論む。

 そしてリアを犯そうとする。

 自分たちに屈服させようとする。


 食堂でライデルとケーデルお酒を飲みながら話していると、遅れてグレネス、マーリー、エステラがやって来た。

 そして【ホワイトアリス】壊滅の目論見を話す。

 全員下卑た笑いで賛成した。


 「いいじゃねえか。俺達に楯突く奴は全員屈服させればいい!!」
 「そうそう。私はラークとか言う男を屈服させたいね!! 絶望の表情が見たいよ!!」
 「私はホワイトアリスに利用価値があるなら賛成です!!」
 

 三人ともライデルとケーデルの作戦に賛成する。

 そして彼らは【ホワイトアリス】に接触を試みる。

 後に後悔することになるのだが、彼らはまだ知らない。

 自分たちの愚かさを自覚していない。

 醜い連中である。


   ♦

 
 俺達はファイシード国の冒険者ギルドに来ていた。

 かなり広大な冒険者ギルドで数々の冒険者が集っていた。

 中にはAランク冒険者も混ざっている。

 流石にSランクはそうそういない。


 「何受注する?」
 「Aランクに上がる為には難しいクエストも受注した方がいいですよね?」
 「まあな。でもドラゴン系はやめた方がいい。まだ早い」
 「じゃあこのダークゴブリン討伐はどうですか?」
 「おっ、いいな!!」


 俺達はクエストボードに貼られたダークゴブリン討伐を受注する。

 詳細は以下だ。

 ==========================

 ダークゴブリン討伐 金貨10枚

 
 危険度★★★★★★★★★


 待遇 強回復薬×5、魔力回復剤、馬車


 依頼主 ファイシード国近隣住民

 ==========================


 まあまあ難しいクエストだ。

 ダークゴブリンはA-ランクのモンスターだ。

 Bランクパーティーでも挑む者は多い。

 俺達はこのダークゴブリン討伐クエストを受注した。


 「セーブ」


 =========================

 スロット1 ファイシード国冒険者ギルド

 スロット2 ファイシード国宿屋

 スロット3 空き

 =========================


 俺はスロット1に上書きセーブをした。

 これで万が一があっても大丈夫だろう。

 セーブはこまめにしておいて損はないからな。


 「じゃあ行くか!!」
 「ええ!!」
 「うむ!!」
 「はーい!!」
 「はい!!」
 「うん!!」
 「オッケー!!」


 俺達はダークゴブリン討伐に向けて出発した。

 背後から何かが付いてきているのを俺は感じ取った。

 同じくパーティーメンバーの全員が感じ取っていた。

 だが俺達は進む。

 それはいつでもロードが出来るからだ。


 ストーカーされるような理由は思い当たらないんだがな。

 敵の可能性もあるからと俺は小声で皆に言った。

 皆は静かに、でも力強く頷いた。
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