63 / 125
未定
63.家族会議(1人足りない)
しおりを挟む理由が何にせよ死んだ被害者は自分で取ってきたスクロールを使わなかったのが悪い。
人任せにして楽をするからこんな事になるんだ。
自分で取ってきた筈の俺は激痛で苦しんだけどな(涙)
「母さん。死んだ人はどんな人だったんだ?」
「ん? スクロールをお金で買った外国のお金持ちよ~」
「なら良かった」
「良かったって人が死んでいるのよ~?」
「そいつは唯楽をしてスキルを手に入れたかっただけだろ? 死んで当然、とまではいかないが最初の犠牲者がその人で良かったと俺は思うよ」
「どうして?」
「なんでだ?」
俺のあんまりな答えに2人は少し悲しげな表情を浮かべる。
「そうだな。例え話をしよう。まず自分の子供が病気だ、病気はなんでもいい、兎に角現代では治せない病気で、その子供は外出が出来る様な状態じゃない。
そんな時、その病気を治せるかもしれないスキルスクロールが売りに出されたとしたら買ってしまうだろう。
そして、そのスクロールを子供に使ったら死にました。なんて事故が起きたら少し気分が悪い。
これは確かに例え話だけど、無くはない話だと思うよ」
「光希が言いたいのはそんな人物が出る前に前例が出たから良かったという事か」
「うん」
「確かに無くはない話ね~ 私も同じ立場ならスクロールに縋ってしまうかもしれないわ~」
「如何にかして、lvを1でも上げる事が出来れば解決する問題なんだと思うけど、重病の患者がそんな事出来るとは思えない」
「難しいだろうな」
「そうね~」
前例が出てくれて本当に良かった。
実は俺はダンジョンが民間に開放されたら、春にスクロールを上げようかな?と密かに考えていた。
俺の時みたいにlv0でスクロールを使い、EPが無制限な間にスキルレベル上げをさせてやればと思っていたからな。
勿論スクロールを使わせる前に、俺が使った時に失明するかと思うぐらいの激痛があった事を伝えて、使うかどうかは春に任せようと思っていた。
でも俺の妹だからな。迷わず使ってしまっていただろう。
こういう物は使ってしまったら後戻りは出来ない。
俺達兄妹なら思い切って使い、激痛が走っている間は全力で後悔して、喉元過ぎれば得したと涙目で言う様なタイプだ。
だからスクロールを渡してしまう前に前例が出てくれて本当に良かった。自分が上手くいったからと言って春も上手くいくとは限らないからな。
「まあ、前例が出たんだから、これで迂闊な犠牲者は減るだろうね。話を戻そうか」
「ダンジョン関連の話が聞きたいんだったな」
「うん。母さんはもう無い?」
「無いわね~」
「父さんの方は?」
「他にも何か聞いていたかな? あ、一つだけあるぞ。これも会社の部下が言っていた事なんだが、飛び道具ではモンスターにとどめを刺してもlvは上がらないらしい」
父さんの部下はオタクなのかもな。ダンジョンについて興味津々な様だ。
「父さん、それももう知っている。ネットで調べた時に自衛隊で刀を使い戦っている人がいて、最初はその人だけの身体能力が上がった話があったよ」
「もう知っていたのか。ならもう無いぞ」
2人ともまだ知らないみたいだな。
「そうなんだ。まだ広まっていないみたいだね」
「何がだ?」
「元々、俺が話そうとしていた事だよ」
「光ちゃんだけが知っている事なの~?」
「違うよ。これは慶から聞いた話なんだ。実はモンスターはダンジョン外に出られるみたいなんだよ」
こう言う事は伝えといた方がいい。
「ん? それはおかしいぞ、光希。モンスターがダンジョンから出られないのは確認されている」
「そうよ~、ニュースでもそう言っていたわ~」
「ああ、それは知ってる。だから俺も安心していたんだけど、慶の所の門下生が山で実際に見つけて倒したらしい。警察には連絡したそうだから、その内ニュースでも報道されると思うよ」
本当は慶が倒したんだけどな。
「佐久間の門下生がって事は近所なのか?」
「この辺で1番大きな山だよ。だから俺は近い内に民間に開放されるダンジョンに父さんや母さんにも入って欲しいんだ」
「…そうか。こんな嘘をつく必要は無いから本当なんだろう。父さんはあまりダンジョンに興味は無かったが、ダンジョンからモンスターが出てくるなら戦う力が必要になるという事だな」
「うん。最低限のlvがないとモンスターから逃げる事すら出来ない」
「そんな事、私には無理よ~」
「母さん、駄目だ」
母さんには悪いが家族全員のlv上げは必須だ。これからの世の中ではな。
「俺や父さんも一緒に付いて行ってサポートするから頑張って。外でモンスターに遭遇しても逃げられる程度にはlvアップしてもらわないと困るよ」
「そうだぞ、和香。いつでも側に居られる訳じゃない。私も協力するから一緒に頑張ろう」
「………わかったわ~貴方。私も頑張ってみるわ~!」
よし。これでダンジョンが民間に開放されれば、家族全員がlv上げに参加してくれるだろう。
「ねぇ~、春ちゃんには伝えなくてもいいの~?」
「春は駄目だよ。モンスターがダンジョン外に出ているなんて伝えたら、絶対に探しに行くに決まってる。
だから母さんと父さんも春にはこの事は黙っておいて。
どうせ春ならダンジョンが民間に開放されれば、行くなって言っても勝手にダンジョンに行くんだから、確認なんてしなくても大丈夫だよ」
「春ちゃんには黙っておくわ~」
「それが賢明だな。春に黙っているのはいいが、光希お前はどうなんだ。モンスターを探していたりしていないだろうな?」
「そんな事はする必要がないよ。今回の事でダンジョンの民間への開放は決まったも同然なんだから」
「そうか。それならなら良い」
そう、モンスターは探してない。見つけただけだ。
ダンジョンも管理しているが、その事については聞かれていないからな。
12
あなたにおすすめの小説
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる