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未定
102.ドロップアイテム管理
しおりを挟むダンジョンでウルフを倒していきドロップアイテムがリュックに入りきらなくなってきたので、一旦ダンジョンを出る事にした。
「2人共、ダンジョンを出るぞ」
「はーい」「はい」
ーーー
2人を連れてダンジョンを出ると、既に慶達3人がダンジョンの前で待っていた。
「遅かったな。と言えば良いのか?」
「まあ、それは手に入れたドロップアイテムの大きさにも寄るだろ?」
大きいドロップアイテムばかりなら、それだけ場所を取るからんs。
「それもそうか。それで春ちゃんは初めてのダンジョンだったけどどうだった?」
「疲れたー」
慶に初めてのダンジョンについて聞かれた春は、その場に座り込んで脱力しながらそう答える。
「ふふ、初めてですしそんなものですよ」
「ん、咲良達も同じだった」
美月達の言う通り春も初めてのダンジョンで精神的に疲れたのかもな。
まあ、動物を殺している割には正常な精神状態様だけど。
やはり、春も俺達と同様に普通では無いみたいだ。
「さて、春も疲れている様だから今日の所は俺は帰る事にする。慶達がどうするか分からないけど、明日も学校があるんだから程々にな」
「いや、俺も今日は帰る事にするわ」
「兄さんがそう言うなら私も」
「ん」
慶も帰ると言うと、美月と咲良も立ち上がって一緒に帰る様だ。
「凛はどうする?」
「今日の所は帰ります」
なら今日はもう全員帰るのか。
「それより光希。持ち帰ったドロップアイテムはどうするんだ?」
あ、忘れていた。
「家に持ち帰っても良いが、持ち帰る事が出来ないならここに置いていくしかないな」
そう言って俺は近くに隠してあったブルーシートの包みを皆の前に持ってくる。
「このブルーシートの上に置いてくれ。それと凛ここに置いてあるドロップアイテムはどうするんだ? 昨日置いて帰ったけど」
「どうするとは?」
「このブルーシートに包んでおくドロップアイテムはここにいるダンジョンの会全員の共有財産にしようかなと思ってな」
「そうなんですか」
凛は俺に言った事について暫く考え込んでいたが、答えが出た様だった。
「ならこのナイフ以外は要りません」
凛はそう言ってブルーシートの上からドロップアイテムのナイフを2本取ってそう言った。
「そうか」
まあ、俺が見た感じでも目ぼしい物は無い様だからな要らないか。
ナイフ2本を取ったのは、王獣化(猫)と言う速度特化のスキルにはナイフが相性が良いと判断して選んだんだろう。
いつまでも素手だけで対応出来るとは限らないからな。
「慶達も持って帰れない物はここに置いていって良いからな」
そう伝えながら俺は価値の無さそうなドロップアイテムをブルーシートの上にばら撒く。
「う~ん、俺達は持って帰るかな。これからも増えていくドロップアイテムをあんまり置いていくと邪魔になるだろ」
「それもそうか。慶の所なら使われていない蔵もあるだろうしな」
「そう言う事。何ならダンジョンの会でウチの使ってない蔵を貸そうか?」
そうだな。これからどんどんドロップアイテムが増えていく。
その時にいつまでもダンジョン前に大量のドロップアイテムを置いていれば、ここにダンジョンがある事を教えている様なものだ。
これは佐久間家の蔵を貸してもらう事も、想定して考えておかないと。
「考えとく。それとこのポーションも一緒に入れておくから必要に応じて使ってくれ」
そう言いながらリュックから出している様に見える様、ポーションを取り出してブルーシートの上に置いていく。
「光希。必要に応じてって言われても、俺達はその瓶に入っているカラフルな液体の効果を知らないんだけど?」
慶がそう言うと、自分達も同じだと言う様に美月と咲良も慶の言葉に頷く。
「あれ? 慶達も知らないのか」
今度はさっきみたいな冗談は抜きでポーションの効果について説明する。
ーーー
「と言う感じで、回復ポーション以外は特に使わないかもしれないが、3種類ともここに置いておくからな」
「分かった。しかし謎の液体がそんな便利な物だったとはな。ダンジョンのシステム的に何かしらの回復手段があるとは思っていたけどさ」
「ファンタジーでしたら回復魔法が基本ですよね」
「ん、でもスクロールが必要」
「咲良の言う通りスクロールはそう簡単に手に入るものじゃない。種類も結構あるから回復魔法のスクロールがあったとしても覚える事が出来る人は、かなり少数だろうな」
例え手に入れる事が出来たとしてもEPの量は決まっているので、他のスキルとの兼ね合いで覚える事が出来ない場合もある。
「まあ、何であれ回復手段が出来たのはいい事だね。原材料不明という所で使用意欲が削がれるけど、保険として持っておくだけでもダンジョン探索で気持ち的余裕を持って行動する事が出来るよ」
「そうだな。そういう事でポーションは自由に使って良いからな。それでは今日はもう解散にしよう」
さっきから会話に入ってこないと思ったら、春が寝ていた。
「春ちゃんは疲れて寝てしまったか」
俺は座ったまま寝ている春を背負う。
「ああ、だから俺らは先に帰らしてもらう」
「分かった。また明日」「さようなら」「ん」「おやすみなさい」
「ああ、また明日」
俺は手を振ってから春を背負ったまま、裏山を歩いて家に帰る。
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