独自ダンジョン攻略

sasina

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未定

120.教育方針間違えました

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【名前:試練の扉
 条件:供物の杯≪限定条件:自力≫
 効果:挑戦    】

【名前:供物の杯
 条件:0/200
 効果:扉の開閉  】

 さて、扉を開けてみますか。

 供物の杯の必要魔石量はたったの200。この試練の扉の難易度はそこまで高くはない。

 春が部屋に入っても驚いていない事からも分かると思うが、実はここの試練の扉と供物の杯は俺が挑戦した事のあるスライムダンジョンの試練の扉よりも遥かに小さかった。

 スライムダンジョンの試練の扉は高さ20m横幅15m厚さ1mの片側300tの合計約600tの扉だった。

 かなりlvアップした今でも開けられるとは思えないが、ここの試練の扉は高さ2m横幅1,5m厚さ10㎝の片側約300㎏の合計600㎏の普通サイズの扉だ。

 今のlvなら開けられない事もないと思う。

 いや、サイズは普通でも重さは非常識な上、扉と地面の摩擦で想像以上に重いと思うが。

 まあ、頑張ってみるしかない。

「お姉ちゃんが無視する」

 はい、無視しましたよ。

 でもさ、こういうボス部屋の扉が開けられないのはテンプレだが、それはアニメや漫画の話だ。

 確かに俺は何故開けられるのかと言う説明は咄嗟に思いつかず、こうして無視しているが、今は美月達を助ける事を優先する。

 それにアニメや漫画の話を現実に持ち込むなって話は2度目になるしな。

「それよりも春開けるぞ。手伝え」

「はーい」

「せーので押すぞ」

「うん」

「せーのっ!」

 俺と春が同時に扉を押すと、ゴゴゴゴゴッ!と地面と扉が擦れ合う音を立てながら、試練の扉は思ったよりもスムーズに開く。

 中はどうなっている?
 
 と思っている間に神眼で状況把握。

 お邪魔しました。

 俺はゴゴゴと音を立てながら試練の扉を閉めようとする。

「ちょっとお姉ちゃん! 何で閉めるの? 美月さん達を助けに来たんでしょ!」
 
 春は必死に扉を閉めようと俺に抗っているみたいだが、lvが違う。
 俺の力に押し負けて扉は閉まっていく。

「お兄ちゃん!」

「くっ」

 そう呼ばれると弱い。

 まあ、冗談は置いておいて扉を閉めた。

「ふぅ~」

 汗はかいてないが腕で額を拭う。

「お姉ちゃん、何がしたいの? 美月さん達は?」

 おお、春が珍しくマジギレ寸前なんだ。
 そんなに怒らなくてもいいだろ?

 いや、友達の生死が掛かっているから、普通殴られても文句は言えないか。

「えっと、慶達はちょっとお取込み中だったから、ちょっとな?」

「ええっ!? 男女が密室でお取込み中って本当に?」

 変わり身早いな。

 まあ、春も問題が無かったから俺が扉を閉めたと気がついたんだろう。

「赤面している処悪いが、そういった如何わしい事じゃない。唯のグロ注意状態だっただけだ。透視で見えた」

 春には暗くて中の状況は分からなかったか。

「なんだ、つまらない。別にグロくらい大丈夫だって、
心配性だな~お姉ちゃんは」

「いや、俺は春の精神を気遣った訳ではないぞ。その先のグロ注意の不快感で、春がダンジョンから距離を置いたら俺達のダンジョンの事がバレるかもしれないだろ?」

「そこは思ってても口に出さないのが出来る女だよ」

 突っ込むと喜びそうなので無視。
 
 それに試練の扉の向こうがグロ注意だったのは本当だが、その程度なら態々扉を閉じたりしない。

 春も俺達と同じで大概おかしいからな。今更多少のグロを見たくらいでダンジョンから引き下がる玉ではないだろう。

 実際に俺が神眼で見た光景は、試練の扉の向こうで刺し傷だらけで倒れている角の折れたデカい狼と、そのへし折ったと思われる鋭い角を片手に返り血塗れで突っ立っている慶の姿だった。

 マジでその時の慶の顔は怖くて、思わず扉を閉めてしまった。慶、興奮し過ぎ。

 そう言えば、慶は武器持たずにダンジョン入っていってたな。

 それで武器が必要になったから、凛に頼んで角をへし折ってもらったのか。

 凜は何故か猫耳状態になっていたこで、多分そんな感じだろう。

 美月と咲良は部屋の隅で気絶していた。角狼戦で早々に負けたのか。

 まあ、美月達も武器無しでダンジョンに入っていたからな。オールラウンダーな凜や慶でないなら、試練の扉の同格以上のモンスターに負けてもしょうがない。

「さて、そろそろ出てくるぞ」

「やっぱり、もう倒していたんだ」

 当たり前だろ。まだ戦闘中なのに一度開けた扉を助けもしないで、もう一度閉めるとか冗談でもしない。

 俺が閉めた試練の扉は、再度ゴゴゴと扉と地面が擦れ合う音を出しながら、今度は独りでに開いた。

 すると、扉の中から気絶した咲良を慶が、美月を凛がそれぞれ背負いながら出てきた。

「何で閉めるんだよ」

「いや、慶の姿が春の教育上良くないから?」

「ダンジョンに連れてきている時点で教育も何もあったものではないじゃん」

「確かに。まあ、それはそれとして俺が咲良を背負おうか?」

「なんで、ああ~」

 血塗れの慶が背負っている所為で、背負われている咲良の服も段々赤く染まってきていた。

 それ大丈夫? 咲良に後で怒られないか?

 いや、既に遅いな。それに怒るのは多分こちら側だろう。

 まあ、幸いダンジョンに入る為に汚れてもいい服に予め着替えていたから、別に問題無いな。

「頼む」

「頼まれた」

 俺は慶から咲良を受け渡されて背負った。

「一先ず外に出ようか。話も聞きたい」

 さっきから黙っていた凜を見ると、バツの悪そうな表情をして顔を背ける。

 隠し部屋に勝手に入ったのは凜が原因か?

 はあ、俺が渡したミスリルリングのお陰で第四開放まで使えてしまうからな。その所為でまた慢心してしまったのか?

 何の苦労を課す事も無く、渡したのは失敗だったかかもしれない。

 まあ、指輪を取り上げるかはダンジョンを出て、話を聞いた後に考えるか。

 


 
 
 
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