乙女ゲームの結末にはさせない

小梅カリカリ

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レティシア、魔法研究所へ行く

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 ルーサーは朝から張り切っていた。
今日はレティシアが研究所に見学に来る日なのだ。
 お昼を食べて帰宅することになっていた為、人気のレストランにするか研究所の食堂にするか悩んだ末に、王妃が送ってきたルーサー恋愛補助メイド、コイとアイに聞く。

「どっちがいいと思う、レティシア嬢は忙しいから、ここで食べて家に帰宅出来た方が良いかな。でもやっぱり一緒にレストラン、行きたいよな。」
「研究所の食堂で良いですよ。そこまで親しい関係ではありませんから。」
「そうです。一般人からすると研究所の食堂で食べる機会がないので、レストランと迷ったけれど、珍しいからここにしたと言えば良いです。」
「後、レティシア様がお忙しいのは皆知ってますから、レストランに移動するよりレティシア様がゆっくり過ごせると思ったという事も言ってください。」
「分かった。ありがとう。」

 ルーサーとコイとアイの相談は続く。
「そして、最後にお土産で街で人気のカフェのお菓子を渡すんですよ。」
「その際ここはテイクアウト以外もあって、ケーキもお勧めなんだ。今度機会があればご一緒したいと、相手が引いたらそれ以上は言わず、社交辞令のように終わらして、次の機会を狙います。」
「うん。分かった。」

「歩くときは大人の女性と同じようにエスコートですよ。公爵家令嬢ですからね。」
「緊張すると早足になるので、それも気を付けてください。」
 最後3人は円陣を組み、黙ってこぶしを突き上げた。(声を出したら職員に怒られる)

 レティシアが到着するのを外で待っている3人。念の為、若い男性職員は出張させた。
「来ましたよ。ルーサー様、落ち着いて優しい笑顔を。デレっとしないで。」
 レティシアが到着し、ルーサーたちは出迎える。
「おはよう、レティシア様。今日はよくいらっしゃいました。」
「おはようございます。ルーサー様と皆様。
魔法研究所を見学させて頂いて、ありがとうございます。
昨日から、楽しみにしておりました。今日はよろしくお願いいたします。」
 爽やかなクリーム色のワンピースにルーサーが上げたブローチを付け、髪は両サイドを編み込みにして下の方で結んでいる。
 一見シンプルだが、ブローチとレティシアの愛らしさを存分に引き立たせてている。

「こちらこそ、よろしくお願いします。まず、魔道具の製作所へご案内します。
ブローチとてもよくお似合いです。使って頂けて嬉しいです。」

 そういうと、レティシアをエスコートしてゆっくりと歩きだした。
「ありがとうございます。素晴らしいブローチですし、色々なお洋服と合うのでよく使わせて頂いているんです。先日お友達のミーナ・ロレーヌ様にも褒めて頂いたんですよ。」
「それは良かった。ロレーヌ公爵令嬢と仲が宜しいんですね。」

 嬉しそうなレティシアを見て、ルーサーも微笑んでいる。
「ええ、婚約者候補達で何回か教育が始まる前にお会いしようと思いまして、先日1回目のお茶会をしましたの。
残念な事にカトリーナ・ドレーブ様は参加できなかったので、次回はお会いしたいですわ。
 街で人気のお店でお会いしたんですよ。 ”シェリーメイ” というお店なんです。
とても楽しかったですわ。」
 話しているうちに、魔道具が並べられている部屋へ着いた。

「ここが、よく使う魔道具を保管してある部屋です。完成していて貸出書などで使うことのできる魔道具が集められています。
受付と普段は魔法研究所所属の魔導士と騎士が待機しています。」
「街の魔道具店との差はどういった点なのでしょうか。」
「そうですね、一般的に街の方が簡易で値段も手ごろなので使いやすいですね。
違法品を高価格で取引している店もあると思いますが、捜索権限のある治安部隊と騎士団が頑張ってくれていると思います。
 違法店の周囲も危険です。レティシア様が街に行かれるときは通りや店、周囲の人々の雰囲気に気を付けてくださいね。」
「はい、隠れられるお店という事はかなり危険ですわね。気を付けます。」
(確か、薬の違法店が映像で合ったわ。私お腹壊す薬買ってたわね)


「では、次は魔道具の開発と研究を行う部屋へ案内します。書類や物が多く散らかっていますが、発明なので想像力が必要なので大変ですし、片付けても散らかるものなのです。」
 中はいくつかの机があり、どの机も書類や本で溢れている。
「熱中すると何日も研究所に泊まり込む人間が多いので、隣のにシャワールームと仮眠室。前の部屋に無人雑貨店が置いてあります。最低限の事は必要ですから。
乱雑ぶりに驚かれたでしょう。」
「いえ、でも皆様の恋人や奥様は寂しいのでは。夢中になるのは分かりますけれど。」
「結婚すると泊まり込み禁止になります。でも、家でも籠ってしまいそうなので、家族との時間と自分の時間のバランスを取らないと駄目ですね。
 私は、まだどなたもいないのですが、恋人とは時間を作って会えるようにします。会えたら元気を貰えて仕事もはかどるでしょうから。」
 それを聞いてレティシアは、可愛らしく笑みを浮かべた。

「レティシア様は、何かお困りのことはございませんか。」
「私の今の悩みは魔道具というより、魔法です。魔力量の大きさが必ずしも魔法の強さにつながる訳ではないのではないか、というものです。
 魔力量が少なくても、消費の少ない魔法の組み合わせや魔法同士の相性などで、強さは変わるのではないだろうかと思いまして。魔力量も多い方は逆に繊細な魔力のコントロールが難しそうに思えるんです。
 魔導師になる方ならば魔力量も必要でしょうけれど、騎士や学生はそこまで魔力量にこだわらなくてもいいのではないかと。」

「面白い研究テーマですね。魔力量は大きい方が有利と決まっていて、今まで疑問に思い研究している方は・・・・・・。いるかもしれませんが、発表したかたはいませんね。」

「私もサポートしますし、せっかくレティシア様が思いついたのです。
やってみませんか、研究所を使えるようにしますよ。魔力量が少なくて諦めた職や夢を、諦めずともよくなる人がでるかもしれませんね。
 例えこの研究が成果が出なくても、他の誰かの研究の役に立つかもしれない。
レティシア様はお忙しいでしょうし、難しいでしょうか。」

 考えるレティシア。魔道具が無理でも魔法の研究なら出来るかもしれない。
「いえ、両親とも相談してみます。研究とは考えもしませんでした。
ルーサー様は天才と言われる方ですが、その閃きはルーサー様の宝物の1つですね。」
「ありがとうございます。いつでも何でも相談に乗りますから、仰ってくださいね。」
「はい、よろしくお願いします。」
 なんとか、会えそうな用事を作ってほっとする。
お土産と絡めてさり気なく次はカフェに誘おうと思いながら、昼食の時間になったので、ルーサーはレティシアを食堂に誘った。

「食堂は始めてきましたわ。学校の食堂も同じかしら。」
「大体どこも同じですね。あそこでメニューを見て、選んだら自分で先に支払い最後に受け取る。一緒にやってみましょう。」
「はい、自分でやるのが良いですね。楽しそうですわ。」
 嬉しそうにやりだすレティシアをやさしい笑顔で見守るルーサー、ほのぼのとした空気が流れていた。

 食事の後、ルーサーはお土産を渡す。
「ここはお土産のお菓子も美味しいのですが、ケーキもお勧めですよ。今度機会があればご一緒したいですね。」
「まあ、それは楽しみですわ。見学だけでなく昼食もお土産まで頂いて、ルーサー様本日はありがとうございました。」
「レティシア様に喜んで頂けて嬉しいです。今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました。次にお会いできるのを楽しみに待っています。」
 最後、ルーサーに見送ってもらいレティシアは帰っていった。

 一緒に研究するだけでなく、ケーキを一緒に食べに行けるかもしれない。
ルーサーとコイとアイは、万歳をして喜んだ。
「おめでとうございます。ルーサー様、第一関門は突破です。」
「ご立派でしたよ、スムーズな会話運び、周りと違って自分は恋人大切にする発言。」
「2人ともありがとう。2人のアドバイスのおかげだよ。これからもよろしくね。」

 この結果はすぐ王妃にも届けられ、王妃は王に涙ぐみながら報告、2人とも大喜びした。

 王妃は思う。バレット家は優秀だから、こちらの思いに気づくだろうが、バレット家を怒らしてレティシアを逃がさない様に、慎重にゆっくりと2人の関係を進めて行こうと。
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