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妖精国
無謀な侵略
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人間だけの国、獣人だけの国、人間と獣人が暮らす国などの様々な国が所属する連合国家【シャイ】。そして妖精達だけの国、【妖精国】。
昔、魔法が使える妖精達を意のままに操ろうと【シャイ】は【妖精国】に戦争を仕掛けた。
各国最強と言われた兵士達、名だたる大将軍、各国の王族の大軍団で妖精国に向けて進軍していく。国中で【妖精国】への勝利を確信し、これからは妖精に魔法を使わせ豊かな生活がおくれると期待に満ち溢れていた無知な民。
魔法を使える相手になぜ勝てると思うのかと問う声は黙殺された。目の前に並べられた魅力的な言葉だけを盲目的に信じ、笑顔で大軍団を送り出した人々。
【妖精国】を取り囲んだ【シャイ】の大軍。各国の王族と将軍達が自ら先頭に立ち奇襲攻撃をしかけた。
【妖精国】にあと数分で到達しそうな場所まで来た時、先頭にいた王族に大将軍達が何かに弾き飛ばされるように吹き飛んだ。
凄まじい力で吹き飛ばされた彼らの体。勢いよく四方に飛び散り、肉片や血の雨が後続の兵士達に降り注いだ。
超えにならない叫び声をあげてパニックに陥っている様子の兵士達。味方を押しのけ踏み潰し逃げていく。
そんな彼らをつまらなそうに眺めていたのは妖精達だった。
1人の幼く可愛らしい美少年の妖精が【妖精国】から出てきた。
「国に入れない事すら分からないなんて、本当に無能だね。勝てもしない戦争を仕掛ける愚かさ、妖精を手に入れ都合よく使おうという強欲さ・・・・・・。 」
少年の顔が侮蔑に歪む。
「馬鹿な事をしなければ、こんな犠牲を払わずにすんだのに。
たった一人の妖精だけで、お前達など消し去ってしまえるという事を。生き残った者達はきちんと理解して頭に刻み込むんだよ。
次はない。」
少年が人差し指を前に出した。すると手のひらサイズの赤い球体が出現する。
少年の言葉に振り返って動きを止めていた兵士達。恐怖の悲鳴を上げて慌てて逃げ出した。兵士達の足音が地面を揺らす。
狂乱の中赤い球体が彼の指から放たれた。球体は兵士達に向かって進みながら大きく膨れ上がると、全てを飲み込んだ。球体が消えると兵士達の姿は消えて熱で赤黒くなった台地が広がっていた。
球体から放たれた熱風はそのまま勢いよく【シャイ】の国に襲い掛かる。木々や作物そこで暮らしている人々が熱風に燃やされて死んでいった。
【妖精国】に戦争を仕掛けた【シャイ】。この戦争で大勢の国民、王族、優秀だった将軍や兵士達、そして緑豊かだった大地の多くを失った。
赤い球体が兵士達を飲み込んだ場所の地面には大きなひびが入り下に崩れ落ちていた。
「あれ、ちょうどいい境が出来たね。【シャイ】【妖精国】の間に、下も見えないくらいの広大な深淵が出来ちゃった。これは人間は飛び越えて来れないな。まあ、僕達には何の問題もないけれどね。」
少年は満足そうに笑うと妖精国へと帰っていった。
昔、魔法が使える妖精達を意のままに操ろうと【シャイ】は【妖精国】に戦争を仕掛けた。
各国最強と言われた兵士達、名だたる大将軍、各国の王族の大軍団で妖精国に向けて進軍していく。国中で【妖精国】への勝利を確信し、これからは妖精に魔法を使わせ豊かな生活がおくれると期待に満ち溢れていた無知な民。
魔法を使える相手になぜ勝てると思うのかと問う声は黙殺された。目の前に並べられた魅力的な言葉だけを盲目的に信じ、笑顔で大軍団を送り出した人々。
【妖精国】を取り囲んだ【シャイ】の大軍。各国の王族と将軍達が自ら先頭に立ち奇襲攻撃をしかけた。
【妖精国】にあと数分で到達しそうな場所まで来た時、先頭にいた王族に大将軍達が何かに弾き飛ばされるように吹き飛んだ。
凄まじい力で吹き飛ばされた彼らの体。勢いよく四方に飛び散り、肉片や血の雨が後続の兵士達に降り注いだ。
超えにならない叫び声をあげてパニックに陥っている様子の兵士達。味方を押しのけ踏み潰し逃げていく。
そんな彼らをつまらなそうに眺めていたのは妖精達だった。
1人の幼く可愛らしい美少年の妖精が【妖精国】から出てきた。
「国に入れない事すら分からないなんて、本当に無能だね。勝てもしない戦争を仕掛ける愚かさ、妖精を手に入れ都合よく使おうという強欲さ・・・・・・。 」
少年の顔が侮蔑に歪む。
「馬鹿な事をしなければ、こんな犠牲を払わずにすんだのに。
たった一人の妖精だけで、お前達など消し去ってしまえるという事を。生き残った者達はきちんと理解して頭に刻み込むんだよ。
次はない。」
少年が人差し指を前に出した。すると手のひらサイズの赤い球体が出現する。
少年の言葉に振り返って動きを止めていた兵士達。恐怖の悲鳴を上げて慌てて逃げ出した。兵士達の足音が地面を揺らす。
狂乱の中赤い球体が彼の指から放たれた。球体は兵士達に向かって進みながら大きく膨れ上がると、全てを飲み込んだ。球体が消えると兵士達の姿は消えて熱で赤黒くなった台地が広がっていた。
球体から放たれた熱風はそのまま勢いよく【シャイ】の国に襲い掛かる。木々や作物そこで暮らしている人々が熱風に燃やされて死んでいった。
【妖精国】に戦争を仕掛けた【シャイ】。この戦争で大勢の国民、王族、優秀だった将軍や兵士達、そして緑豊かだった大地の多くを失った。
赤い球体が兵士達を飲み込んだ場所の地面には大きなひびが入り下に崩れ落ちていた。
「あれ、ちょうどいい境が出来たね。【シャイ】【妖精国】の間に、下も見えないくらいの広大な深淵が出来ちゃった。これは人間は飛び越えて来れないな。まあ、僕達には何の問題もないけれどね。」
少年は満足そうに笑うと妖精国へと帰っていった。
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