女王様と犬、時々下克上

吉川一巳

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女王様と犬、時々下克上 17

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 薄暗い室内には、はあはあという男の息遣いが響いている。

「奈緒ちゃん、これ、とるの、まだだめっ?」

 ごしごしとソコを擦る速度は驚くほど速い。

 摩擦で痛くならないんだろうか。

 興奮で潤んだ瞳、上気した頬、赤い唇。顔立ちが整った男のすがるような眼差しはとても心地よい。

 平凡な私が美形な彼を従える事は、私を支配者の気分にさせてくれる。

 たまらなくなって、私は恭平さんの頭を胸元に抱き寄せた。

 恭平さんは大きく目を見開くと、アソコを擦る手はそのままに、私の胸に顔をこすり付けてくる。

 かと思ったら、服ごしに乳首を食まれた。シャワーを浴びた後なので私は部屋着姿である。下着なんて着けていないので、恭平さんからすれば、デザートを目の前に差し出されたようなものなんだろう。

 勃起した性器を擦りあげる大人の男に、胸を吸われている。服のその部分は唾液で色が濃くなっている。

 視覚から入ってくる倒錯的な情報に、下半身がきゅんと切なくなった。

「赤ちゃんみたい。でもおちんちんこんなにして、すごくえっちな赤ちゃんです」

「はっ、じかっ……! じかに、すわせてっ……!」

 切羽詰まった懇願の声にくすりと笑うと、私は部屋着のTシャツを脱ぎ捨てた。

 あらわになったおっぱいがふるりと揺れる。

「んっ……」

 直にむしゃぶりつかれて私は思わず声を漏らした。

 ちゅうちゅう人の胸を吸って、腰を揺らしながら、性器をこすりたてて。

「こんな姿、私以外の誰にも見せれませんね」

「そう、だよ。奈緒ちゃんだけ……っ」

 どろりと濁ったまなざしが愛しくて、私は恭平さんの唇を奪うと、性器に手を伸ばし、根元を戒める紐をほどいた。

「んあああああああ!!」

 恭平さんは絶叫すると、びくびくと体を痙攣させた。性器からは噴水のように白い液体が飛び出す。

「すごい量ですね。こんなとこにまで」

 私は恭平さんの顔に飛び散った飛沫をぬぐってやった。当の本人は、岸に打ち上げられた魚のように、はくはくと酸素を求め、荒い息を繰り返している。





「まだ、信じてもらえない?」

 ぽつりと呟いた恭平さんの頭を、私は髪を梳く様に撫でた。

「まだって言ったらどうします?」

「好きにしていいよ。奈緒ちゃんの気が済むまで。俺には奈緒ちゃんだけだから」

 そう言って恭平さんは、髪に触れる私の手を掴むと頬ずりした。



 わたしも、恭平さんだけですよ。



 私は恭平さんの耳元にささやいた。



 女王様と、犬。



 こんな性癖、私にはなかったはずなのに。

 恭平さんは私のせいだって言うけれど、私だって恭平さんのせいでこうなったんだ。
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みんなの感想(1件)

Molly
2021.04.24 Molly

面白かったです!
全てが私にとっては
ちょーーーーど良かった♪
ずっとドキドキしてました笑

これからもドキドキ作品、
楽しみにしてます!!

吉川一巳
2021.05.09 吉川一巳

感想のご記入ありがとうございます。
このお話を気に入って頂けて嬉しいです。

解除
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