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3 出張
14日目 ベネチアの屋上
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12時
買い物を終え、アパートに戻ったぼくたちは、昼食を作っていた。
アナちゃんは、屋上への扉の鍵をピッキングで勝手に開けて、そこを自分だけのスウィートルームにする計画を、密かに実行していた。
それに乗り気なのは、ゲイリーくんとエドワードくん、そして、ジャンナちゃん。
3人は、アナちゃんについていき、そこを勝手に改装し始めた。
天気は曇りだったけれど、念の為にぼくは、吸血鬼のゲイリーくんに日傘とサングラスを渡した。
ぼくはというと、アパートの部屋でイリーナちゃん、オドレイちゃん、ジャスミンちゃん、イネスちゃんとくつろいでいた。
4人はインドア派のようで、ぼくが作り出したリビングのソファに腰掛けて、一冊の雑誌をネタに、お話をしていた。
買い物をしていると、オドレイちゃんが売店で足を止めたのだった。
売店の店員さんは、オドレイちゃんや、ジャスミンちゃんに警戒するような視線を向けたけれど、ぼくが財布を取り出してオドレイちゃんの肩を叩くと、ひとまずのところきつい目つきを引っ込めてくれた。
ぼくは、ファッション雑誌を3冊と、新聞を2冊、ガイドブックを2冊、子どもたちにねだられて、そのすべてを買った。
大人向けのファッション雑誌だったし、子どもたちはまだ9歳だけれど、3年以内に、大人の姿へと変わる。
早すぎるということはないだろう。
みんなからは、ホームレスになった経緯とかを聞いてみたいとも思ったけれど、長くても1週間から2週間の付き合いになるわけだし、無理に聞き出す必要もないだろう。
アナちゃんは、みんなの周囲や過去について気にしていた。
聞くところによると、ヨーロッパでは、ホームレスを脅したり小銭を渡すなりして、良くないことをする人たちがそれなりにいるらしい。
もしかすると、ぼくが知らないだけで、そういったことは日本にもあるのかも。
ぼくは、15歳の一人旅以来、旅に夢中になってしまったので、高等部からは、世界各地にある学園を渡り歩きながら、高校生活とインターンの仕事を両立してきた。世界中にある学園は、教育カリキュラムを統一しており、転入の際に必要な条件は試験をパスすることだけなので、そういった形で学生生活を送る生徒は多いのだった。
ヨーロッパ及び中南米各国の捜査機関で経験を積んできたぼくだけれど、関心を惹かれないことに関してはまだまだ理解が拙いのは認めなければいけないところだ。
7人の周辺を調べることについては、アナちゃんにすべて任せることにした。
ランチを作り終えたぼくは、それらを大きなトレイに載せた。「出来たよー」
4人は、ぱたぱたとこちらに走ってくると、ランチの乗ったトレイや、飲み物の入った水筒を持ってくれた。
ぼくたちは、持てるだけの食材や料理を持って、アナちゃんたちの待つ屋上へ向かった。
5m×10mほどの空間。
所々にパイプなどの配管もあって、パリのアパルトマンのような過ごしやすさはなかったけれど、広々としてて良い感じ。
周囲はアパートの屋上部分が囲っていた。
このアパートは、周囲のアパートに比べて、ほんの少しだけ低い作りにっているようだ。このときになって気がついたのだけれど、ベネチアの建物は、そのほとんどが、オレンジの瓦に覆われた三角屋根になっていた。周囲を囲っているのは、その三角屋根の部分で、窓も見えない。隠れ家カフェの様な、居心地の良さを感じられた。
ぼくは、雲の向こうから漏れてくる陽の光を浴び、背伸びをする。
イリーナちゃんは、ぼくの影から顔をのぞかせた。
彼女は、プラチナブロンドの頭に、ツバの大きな帽子を被っている。
ぼくは、アパートの中央に目を向けた。
大きなビーチパラソルが、焚き火を囲うようにして置かれている。
パラソルの下では、アナちゃんたちが、リクライニングチェアに腰掛けてくつろいでいた。
串刺しにされた大きな魚が、焚き火にあぶられていた。
やっぱり、狭い部屋よりも、屋上の方が落ち着く。
ぼくは、ビーチパラソルの下に入った。
「よいしょ」イリーナちゃんが影の中から這い出てきた。「良い天気だね」
「眩しくない?」ぼくは、手の平に作り出したサングラスを イリーナちゃんに渡した。
「ありがと」イリーナちゃんは、その乳白色の小さな手でサングラスを受け取った。「似合ってる?」
「うん。ちょっと小さいかな」手を添え、レンズを少し大きくすると、イリーナちゃんは笑顔を浮かべた。
「ありがと」
ぼくたちは、ローテーブルに料理や食材を並べ、ランチを始めた。
「こんなことしてて良いのかな」サンドウィッチを食べながら、イネスちゃんが言った。「わたしたちだけ」
アナちゃんは、イネスちゃんを見た。「他にもいるの?」
「うん。連れてきて良い?」
アナちゃんはぼくを見た。
ぼくは頷いた。
アナちゃんはイネスちゃんに頷いた。「良いよ」
「魔法が使えない子達だけど良い?」
「学園には人間の生徒もいるんだよ」ぼくは言った。
アナちゃんが、焼き魚の乗った皿をぼくに差し出してきた。
ぼくは、焚き火を見た。
よくわかんない魚があぶられていた。
以前、魚図鑑を見たことがあって、そのすべての写真とデータがぼくの記憶には刻まれているのだけれど、見覚えがなかった。
「アナちゃん、この魚なに?」
「わかんない」
「そっか、わかんないか」
まあ、毒があって死にかけても、魔法があればどうにかなるし、火も通ってるから大丈夫か。
ぼくは、箸で魚の身をほぐし、口に含んだ。
程よく脂が乗っていて、美味しい。
少し味わってみると、なんだか鯛っぽかったので、鯛だと思うことにした。
「たくさん釣れたんだよ」イリーナちゃんは言った。
「そっか。よく食べるの?」
「たまにね」
飢えた者には魚を与えるのではなく、魚の採り方を教えるのだ、と、先人は言ったけれど、イリーナちゃんたちはすでにその方法を知っているようだった。
ぼくは、鍋で炊いたご飯を茶碗によそった。
魚に醤油を垂らし、魚と一緒にご飯を頬張る。
やっぱり、醤油は最強だった。
鯛めしでも作ろうかな。
残りの2日間は、釣りをして過ごすのも良いかも知れない。
ぼくは、釣りとかサバイバルとか、そういうのにわくわくするタイプだった。
「ソラ」
ぼくは、アナちゃんを見た。「なに?」
「この子達日本語がわからないみたいだから」と、アナちゃんは言った。
「うん」精神の魔法や万能の魔法を使った脳内での会話は、精神の魔法使いに盗み聞きされることがある。たぶん、ジャスミンちゃんに知られたくない会話をしたいのだろう。
なんだか、少し嫌な予感がした。
「この子達と会話しながら頭の中も見たんだけど、変なの」
「変って?」
「読めない」
ぼくは、その言葉の意味を考えた。
万能の魔素を身に宿すアナちゃんは、ヒトの心を読むことが出来る。
学園の授業によれば、万能の魔法は、精神の魔法や生命の魔法、光の魔法や影の魔法などを、だいたい75%から95%くらいの精度で扱えるらしい。
これについて一例を挙げると、精神の魔法使いは万能の魔法使いの心を読むことが出来るが、万能の魔法使いは精神の魔法使いの心を読むことが出来ない。ぼくのような生命の魔法使いが一瞬で直せる傷を、万能の魔法使いが直そうと思えば1秒くらいかかってしまう。光の魔法使いがちょっと訓練すれば光速で動けるのに対して、万能の魔法使いはどんなに訓練をしても亜光速で動くのが精一杯。影の魔法使いが音よりも早く走れるのに対して、万能の魔法使いは音と同じくらいの速さでしか走れない。ただ、万能の魔法使いの長所は、その多彩さであり、例えば、ぼくが怪我してしまうようなことでも、影の魔法使いほどではなくともそれなりに強靭な肉体を持つ万能の魔法使いなら怪我をしない、ということがある。
ぼくは、この場にいる唯一の精神の魔法使いであるジャスミンちゃんの顔を頭に思い浮かべた。
アナちゃんがジャスミンちゃんの心を読めないのは当然のこと。
でも、他の子達はどうしてだろう。
「ソラならわかるでしょ。ソラの心もたまに読めない」
ぼくは頷いて、7人の子どもたちを見た。
みんな、嬉しそうな様子で、食事をしている。
昨日の今日で、ナイフとフォークを丁寧に扱えるようにもなった。
ぼくが今朝、教えてあげたからだ。
子どもたちは、笑顔を浮かべてぼくを見ていた。
その笑顔は、ぼくが違和感を持たないほどに自然なもの。
それでも、この子達は、心を閉ざしている。
あるいは、心を閉ざす術を持っているのだ。
買い物を終え、アパートに戻ったぼくたちは、昼食を作っていた。
アナちゃんは、屋上への扉の鍵をピッキングで勝手に開けて、そこを自分だけのスウィートルームにする計画を、密かに実行していた。
それに乗り気なのは、ゲイリーくんとエドワードくん、そして、ジャンナちゃん。
3人は、アナちゃんについていき、そこを勝手に改装し始めた。
天気は曇りだったけれど、念の為にぼくは、吸血鬼のゲイリーくんに日傘とサングラスを渡した。
ぼくはというと、アパートの部屋でイリーナちゃん、オドレイちゃん、ジャスミンちゃん、イネスちゃんとくつろいでいた。
4人はインドア派のようで、ぼくが作り出したリビングのソファに腰掛けて、一冊の雑誌をネタに、お話をしていた。
買い物をしていると、オドレイちゃんが売店で足を止めたのだった。
売店の店員さんは、オドレイちゃんや、ジャスミンちゃんに警戒するような視線を向けたけれど、ぼくが財布を取り出してオドレイちゃんの肩を叩くと、ひとまずのところきつい目つきを引っ込めてくれた。
ぼくは、ファッション雑誌を3冊と、新聞を2冊、ガイドブックを2冊、子どもたちにねだられて、そのすべてを買った。
大人向けのファッション雑誌だったし、子どもたちはまだ9歳だけれど、3年以内に、大人の姿へと変わる。
早すぎるということはないだろう。
みんなからは、ホームレスになった経緯とかを聞いてみたいとも思ったけれど、長くても1週間から2週間の付き合いになるわけだし、無理に聞き出す必要もないだろう。
アナちゃんは、みんなの周囲や過去について気にしていた。
聞くところによると、ヨーロッパでは、ホームレスを脅したり小銭を渡すなりして、良くないことをする人たちがそれなりにいるらしい。
もしかすると、ぼくが知らないだけで、そういったことは日本にもあるのかも。
ぼくは、15歳の一人旅以来、旅に夢中になってしまったので、高等部からは、世界各地にある学園を渡り歩きながら、高校生活とインターンの仕事を両立してきた。世界中にある学園は、教育カリキュラムを統一しており、転入の際に必要な条件は試験をパスすることだけなので、そういった形で学生生活を送る生徒は多いのだった。
ヨーロッパ及び中南米各国の捜査機関で経験を積んできたぼくだけれど、関心を惹かれないことに関してはまだまだ理解が拙いのは認めなければいけないところだ。
7人の周辺を調べることについては、アナちゃんにすべて任せることにした。
ランチを作り終えたぼくは、それらを大きなトレイに載せた。「出来たよー」
4人は、ぱたぱたとこちらに走ってくると、ランチの乗ったトレイや、飲み物の入った水筒を持ってくれた。
ぼくたちは、持てるだけの食材や料理を持って、アナちゃんたちの待つ屋上へ向かった。
5m×10mほどの空間。
所々にパイプなどの配管もあって、パリのアパルトマンのような過ごしやすさはなかったけれど、広々としてて良い感じ。
周囲はアパートの屋上部分が囲っていた。
このアパートは、周囲のアパートに比べて、ほんの少しだけ低い作りにっているようだ。このときになって気がついたのだけれど、ベネチアの建物は、そのほとんどが、オレンジの瓦に覆われた三角屋根になっていた。周囲を囲っているのは、その三角屋根の部分で、窓も見えない。隠れ家カフェの様な、居心地の良さを感じられた。
ぼくは、雲の向こうから漏れてくる陽の光を浴び、背伸びをする。
イリーナちゃんは、ぼくの影から顔をのぞかせた。
彼女は、プラチナブロンドの頭に、ツバの大きな帽子を被っている。
ぼくは、アパートの中央に目を向けた。
大きなビーチパラソルが、焚き火を囲うようにして置かれている。
パラソルの下では、アナちゃんたちが、リクライニングチェアに腰掛けてくつろいでいた。
串刺しにされた大きな魚が、焚き火にあぶられていた。
やっぱり、狭い部屋よりも、屋上の方が落ち着く。
ぼくは、ビーチパラソルの下に入った。
「よいしょ」イリーナちゃんが影の中から這い出てきた。「良い天気だね」
「眩しくない?」ぼくは、手の平に作り出したサングラスを イリーナちゃんに渡した。
「ありがと」イリーナちゃんは、その乳白色の小さな手でサングラスを受け取った。「似合ってる?」
「うん。ちょっと小さいかな」手を添え、レンズを少し大きくすると、イリーナちゃんは笑顔を浮かべた。
「ありがと」
ぼくたちは、ローテーブルに料理や食材を並べ、ランチを始めた。
「こんなことしてて良いのかな」サンドウィッチを食べながら、イネスちゃんが言った。「わたしたちだけ」
アナちゃんは、イネスちゃんを見た。「他にもいるの?」
「うん。連れてきて良い?」
アナちゃんはぼくを見た。
ぼくは頷いた。
アナちゃんはイネスちゃんに頷いた。「良いよ」
「魔法が使えない子達だけど良い?」
「学園には人間の生徒もいるんだよ」ぼくは言った。
アナちゃんが、焼き魚の乗った皿をぼくに差し出してきた。
ぼくは、焚き火を見た。
よくわかんない魚があぶられていた。
以前、魚図鑑を見たことがあって、そのすべての写真とデータがぼくの記憶には刻まれているのだけれど、見覚えがなかった。
「アナちゃん、この魚なに?」
「わかんない」
「そっか、わかんないか」
まあ、毒があって死にかけても、魔法があればどうにかなるし、火も通ってるから大丈夫か。
ぼくは、箸で魚の身をほぐし、口に含んだ。
程よく脂が乗っていて、美味しい。
少し味わってみると、なんだか鯛っぽかったので、鯛だと思うことにした。
「たくさん釣れたんだよ」イリーナちゃんは言った。
「そっか。よく食べるの?」
「たまにね」
飢えた者には魚を与えるのではなく、魚の採り方を教えるのだ、と、先人は言ったけれど、イリーナちゃんたちはすでにその方法を知っているようだった。
ぼくは、鍋で炊いたご飯を茶碗によそった。
魚に醤油を垂らし、魚と一緒にご飯を頬張る。
やっぱり、醤油は最強だった。
鯛めしでも作ろうかな。
残りの2日間は、釣りをして過ごすのも良いかも知れない。
ぼくは、釣りとかサバイバルとか、そういうのにわくわくするタイプだった。
「ソラ」
ぼくは、アナちゃんを見た。「なに?」
「この子達日本語がわからないみたいだから」と、アナちゃんは言った。
「うん」精神の魔法や万能の魔法を使った脳内での会話は、精神の魔法使いに盗み聞きされることがある。たぶん、ジャスミンちゃんに知られたくない会話をしたいのだろう。
なんだか、少し嫌な予感がした。
「この子達と会話しながら頭の中も見たんだけど、変なの」
「変って?」
「読めない」
ぼくは、その言葉の意味を考えた。
万能の魔素を身に宿すアナちゃんは、ヒトの心を読むことが出来る。
学園の授業によれば、万能の魔法は、精神の魔法や生命の魔法、光の魔法や影の魔法などを、だいたい75%から95%くらいの精度で扱えるらしい。
これについて一例を挙げると、精神の魔法使いは万能の魔法使いの心を読むことが出来るが、万能の魔法使いは精神の魔法使いの心を読むことが出来ない。ぼくのような生命の魔法使いが一瞬で直せる傷を、万能の魔法使いが直そうと思えば1秒くらいかかってしまう。光の魔法使いがちょっと訓練すれば光速で動けるのに対して、万能の魔法使いはどんなに訓練をしても亜光速で動くのが精一杯。影の魔法使いが音よりも早く走れるのに対して、万能の魔法使いは音と同じくらいの速さでしか走れない。ただ、万能の魔法使いの長所は、その多彩さであり、例えば、ぼくが怪我してしまうようなことでも、影の魔法使いほどではなくともそれなりに強靭な肉体を持つ万能の魔法使いなら怪我をしない、ということがある。
ぼくは、この場にいる唯一の精神の魔法使いであるジャスミンちゃんの顔を頭に思い浮かべた。
アナちゃんがジャスミンちゃんの心を読めないのは当然のこと。
でも、他の子達はどうしてだろう。
「ソラならわかるでしょ。ソラの心もたまに読めない」
ぼくは頷いて、7人の子どもたちを見た。
みんな、嬉しそうな様子で、食事をしている。
昨日の今日で、ナイフとフォークを丁寧に扱えるようにもなった。
ぼくが今朝、教えてあげたからだ。
子どもたちは、笑顔を浮かべてぼくを見ていた。
その笑顔は、ぼくが違和感を持たないほどに自然なもの。
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