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新婚旅行はミレンハン国へ!猫になったシャルロットとポチたま大論争勃発!?
ナージャ王妃様と異世界からやってきた魔女
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ゲーテはナージャ王妃の長男で赤ん坊の頃から病気一つしない元気な男の子だった。そして1~2年ごとに王妃は沢山子供を授かった。
健康な王子を連続で産む、男腹で多産な王妃だと大陸では専ら有名だった。
実はゲーテ王子が産まれる数年前にも、ナージャ王妃は初産で女の子を出産していた。
しかし、産まれて半年も経たずに大切な娘は流行りの病に罹患して、あっけなく死んだ。
当時、大陸では死神病と呼ばれる疫病がどの国でも大流行しており、深刻な問題だった。
この異世界では医学も発達していないので、産まれたばかりの赤ん坊や出産後の母親が感染症にかかったり、衰弱して死んでしまうのは珍しくなかった。
出産はまさに命懸けなのだ。
しかし、赤ん坊を亡くしたナージャ王妃は目も当てられないほど嘆き悲しみ、困ったミレンハン国の王は気晴らしに海辺の離宮へ療養のために連れて行く。
それから数日経ったある日、王妃は近くの海辺で黒髪のオリエンタル風な顔付きの女と出逢う。
ターニャと名乗った女は、東大陸から貿易船に乗りやって来た。
貿易船では、食糧を害獣から守るために複数の猫を飼っていた。その内の1匹をナージャ王妃に献上した。
猫は子供の健康や出産する女性を加護する生き物で、食糧を食い漁ったり疫病を運ぶネズミを駆除してくれる。
それに動物は人の心を癒してくれるパワーがあると言っていた。
その後、産んだゲーテは安産で健康な男児だった。
その話は国中に広がって、王妃を真似して猫を飼う民が激増した。
「ここが宮殿の正殿だ。正殿の西側には王子宮がある。裏手には宴会場とか大きな池があるぞ」
正殿にやって来たゲーテ。
ゲーテは楽しそうに実家の宮殿をシャルロットに案内していた。
「まあ、本当に豪華よね。私の実家のお城なんか古くて地味よ」
「うちの国の奴らは派手好みだからな」
彼の腕の中にちょこんと収まった子猫姿のシャルロットは初めてくる場所に興味津々で、忙しく視線を動かしていた。
豪華な絵画が並ぶ広い廊下で、弟王子のトーマと宰相グリムに出会った。
「お帰りなさい、兄上。それから、シャルロット妃殿下」
「おう」
「お久しぶりですわ、トーマ王子、グリムさん」
「ふふ、ようこそおいでくださいました!聞きましたよ。シャルロット姫、猫コンテストに出るとか?」
グリムはニコニコ笑う。
「は、はい」
「ゲーテ王子はそのコンテストで3年連続グランプリを取って殿堂入りしたことがあるんですよ。今年のコンテストはシャルロット姫が本命かなあ」
「ふん!当たり前だろ、俺様の圧勝に決まっている!」
ドヤ顔のゲーテ。
「ふふ、ゲーテ王子のシャルロット姫と、去年の優勝者トーマ王子のべべ…。それにオーギュスト国から猫神様が場外乱闘!今年のコンテストは面白くなりそうですね。さてさて、大々的に宣伝しなきゃ!」
グリムは楽しそうにはしゃいでいた。
トーマ王子も腕にオス猫抱いている。
チョコレート色の毛をした若いソマリ猫だ。べべという名前らしい。
会った瞬間から同じソマリの子猫姿のシャルロットを熱い眼差しで凝視してくるのだ。
「……?」
健康な王子を連続で産む、男腹で多産な王妃だと大陸では専ら有名だった。
実はゲーテ王子が産まれる数年前にも、ナージャ王妃は初産で女の子を出産していた。
しかし、産まれて半年も経たずに大切な娘は流行りの病に罹患して、あっけなく死んだ。
当時、大陸では死神病と呼ばれる疫病がどの国でも大流行しており、深刻な問題だった。
この異世界では医学も発達していないので、産まれたばかりの赤ん坊や出産後の母親が感染症にかかったり、衰弱して死んでしまうのは珍しくなかった。
出産はまさに命懸けなのだ。
しかし、赤ん坊を亡くしたナージャ王妃は目も当てられないほど嘆き悲しみ、困ったミレンハン国の王は気晴らしに海辺の離宮へ療養のために連れて行く。
それから数日経ったある日、王妃は近くの海辺で黒髪のオリエンタル風な顔付きの女と出逢う。
ターニャと名乗った女は、東大陸から貿易船に乗りやって来た。
貿易船では、食糧を害獣から守るために複数の猫を飼っていた。その内の1匹をナージャ王妃に献上した。
猫は子供の健康や出産する女性を加護する生き物で、食糧を食い漁ったり疫病を運ぶネズミを駆除してくれる。
それに動物は人の心を癒してくれるパワーがあると言っていた。
その後、産んだゲーテは安産で健康な男児だった。
その話は国中に広がって、王妃を真似して猫を飼う民が激増した。
「ここが宮殿の正殿だ。正殿の西側には王子宮がある。裏手には宴会場とか大きな池があるぞ」
正殿にやって来たゲーテ。
ゲーテは楽しそうに実家の宮殿をシャルロットに案内していた。
「まあ、本当に豪華よね。私の実家のお城なんか古くて地味よ」
「うちの国の奴らは派手好みだからな」
彼の腕の中にちょこんと収まった子猫姿のシャルロットは初めてくる場所に興味津々で、忙しく視線を動かしていた。
豪華な絵画が並ぶ広い廊下で、弟王子のトーマと宰相グリムに出会った。
「お帰りなさい、兄上。それから、シャルロット妃殿下」
「おう」
「お久しぶりですわ、トーマ王子、グリムさん」
「ふふ、ようこそおいでくださいました!聞きましたよ。シャルロット姫、猫コンテストに出るとか?」
グリムはニコニコ笑う。
「は、はい」
「ゲーテ王子はそのコンテストで3年連続グランプリを取って殿堂入りしたことがあるんですよ。今年のコンテストはシャルロット姫が本命かなあ」
「ふん!当たり前だろ、俺様の圧勝に決まっている!」
ドヤ顔のゲーテ。
「ふふ、ゲーテ王子のシャルロット姫と、去年の優勝者トーマ王子のべべ…。それにオーギュスト国から猫神様が場外乱闘!今年のコンテストは面白くなりそうですね。さてさて、大々的に宣伝しなきゃ!」
グリムは楽しそうにはしゃいでいた。
トーマ王子も腕にオス猫抱いている。
チョコレート色の毛をした若いソマリ猫だ。べべという名前らしい。
会った瞬間から同じソマリの子猫姿のシャルロットを熱い眼差しで凝視してくるのだ。
「……?」
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