ぽぽぽぽいぞなぁ!~物騒すぎるジョブになっちゃったので、私、スローライフは諦めます~

藤原キリオ

文字の大きさ
23 / 171
第一章 毒娘、冒険者になる

20:超絶美少女は色々と前途多難なようです

しおりを挟む


「ど、【毒殺屋】……」

「暗殺者みたいです……」


 うっさいわ。

 でもシェラちゃんは、だから吹聴しちゃいけないのかって実感してくれたらしい。
 こういう物騒な固有職ユニークジョブもあるから他言無用って事なんだよね。

 ポロリンは自分のジョブ以上の衝撃だったのか、同類と見たのかは分からないが、さっきよりも幾分表情が柔らかくなった。
 うんうん、身を削ったかいがあるよ。HAHAHA。


「まー私はそんな感じなんだけど、ポロリンはそもそも戦闘系なの?」

「えっとステータス的にはそうだと思います」

「んじゃもう冒険者になっちゃえばいいじゃない」


 戦闘系の固有職ユニークジョブでなるべく他人に知られず学校にも行きたくないってなると、もう限られると思うんだよね。

 非戦闘系の仕事を探したところで国的にはレベルを上げさせて未知のスキルとか知りたいんだろうし、結局はレベルの為に戦うはめになると思う。

 非戦闘系のジョブだったらレベルを上げる条件が『魔物を倒して経験値を稼ぐ』とかじゃないらしいけど、戦闘職ならほぼ間違いなく魔物と戦う事になりそうだしね。


 だったら最初から自分の能力探りつつ地道に冒険者してた方が良いんじゃないかと。
 ジョブ管理局に説明するにも自分で把握しておいて損はないし。


「でも、冒険者になってパーティー組もうと思っても固有職ユニークジョブって組めるんですか? 組んだらボクのジョブも知らせなくちゃ……」

「あー、確かにね。私もそれが気掛かりでソロやってるんだけど」

「やっぱそうですよねぇ……」

「だったら私と組めばいいんじゃないの?」

「えっ」


 二人して固有職ユニークジョブで他人に知られたくないんなら、二人で組んで秘密を共有し合えばいいじゃない。
 私もソロ卒業じゃない。あ、いい案じゃない? これ。


「いいんですか!?」

「私がお願いしたいくらいだよ。私だって出来ればパーティー組みたいし」

「うわぁ! 是非お願いします!」


 良かった。やっと笑顔になったね。
 多分、冒険者も選択肢の一つとして考えてたんだろうな。
 でもソロでやるには自信がなかったと。
 当然だよね。十歳の子が自分だけしか頼れない状況で魔物と戦おうとか思えないよ、普通。


「よかったです! ポロリン!」

「ありがとう! シェラちゃんも、ピーゾンさんも!」


 涙ぐむシェラちゃん。
 この子八歳のはずなんだけど、なんかポロリンよりお姉さんな感じなんだよね。


「んで、結局ポロリンのジョブって何なの?」

「あ……そうですよね、パーティー組むのに言わないわけには……」

「まぁいくらなんでも【毒殺屋】より酷いってことないでしょ?」

「いや、えっとですね……ボクのジョブ……」


 ……溜めるねぇ! 焦らすねぇ!
 思わずゴクリと生唾飲むよ!
 シェラちゃんも顔を近づける。












「…………【セクシーギャル】です」

「ッ! ゲホッ! ゴホッ! ゴホッ!」


 むせた。


「はぁ……やっぱそうなりますよね……」

「ご、ごめんっ! いや、マジで? ジョブの名前が【セクシーギャル】なの?」

「はい……」


 そんな職業ねーよ! と大声で叫びたい。

 ゲームのアレは『職業』じゃなくて『性格』じゃなかったっけ!?
 そりゃ閉じこもるわ。言えないわ「私、セクシーギャルです!」とか。罰ゲームじゃん。
 ある意味【毒殺屋】以上の破壊力だね。なぜか敗北感があるよ。

 しかし【セクシーギャル】かぁ……。
 今は超絶美少女だけど成長したらセクシーになるんだろうなぁ。
 どこがポロリンするんだか……。

 で、中年になって老人になっても【セクシーギャル】ってか? 益々恥ずかしいわ!
 年を負うごとに恥ずかしくなるジョブとかマジ罰ゲームだわ。同情します。

 あ、もしかしてレベル上げれば派生する? セクシーじゃなくなる?


「いやいや、待って。戦闘職なの? それ」

「えっと多分……」

「悪いけどステータス読み上げてくれる?」

「はい、えー……」


―――――
名前:ポロリン
職業:セクシーギャルLv1
装備:武器・なし
   防具・布の服(防御+0)

HP:30
MP:10
攻撃:15
防御:19
魔力:2
抵抗:3
敏捷:7
器用:12
運 :18

スキル:挑発Lv1、呼び込みLv1、セクシートンファー術Lv1
―――――


「ハハハハ! セ、セ、セクシートンファー! ハハハハッ!」

「わ、笑わないで下さいよっ!」

「ハァ、ハァ、あー、ごめんごめん。いや確かに戦闘職だわ。間違いない」


 ネタ職だなぁ。久々に笑った。

 まぁ真面目に見るとタンク系かな?
『抵抗』が低いのが気になるけど前衛なのは間違いない。

 でも盾じゃなくてトンファーかぁ。
 トンファーがこの世界にあるのも初めて知ったけど、出来るのか? タンク。
 しかもただのトンファーじゃなくて<セクシートンファー術>だからね! 意味が分からないよ!


「もうっ! ……で、ピーゾンさん、反応したってことは知ってるんですか? この<セクシートンファー術>って。ボク全然分かんなくて……」

「ん? トンファーが分からないってこと?」

「はい」


 あー、やっぱ一般的じゃないのか。この世界、基本的に剣とかだからね。
 武器屋とかでもトンファーなんて見た事ないし。


「えっと、こんな感じの……棒? で、こう持つと。んで防いだり、突いたり、回して殴ったり……」

「……よく分かんないです。ホントにボクに使えるのかな……」

「【剣士】になると<剣術>が付いて振ったことなくても扱えるようになるらしいよ? だからポロリンもトンファー持てば使えると思う」

「そうですかね……」


 と言うか【セクシーギャル・挑発・呼び込み】って、もう娼婦か何かにしか思えないんだけどね。
 攻撃・防御が高くてトンファーがあるから戦闘職だって言えるようなもので。
 非戦闘職だとステータスも【無職】に毛が生えたようなもんらしいし。


 ふと隣のシェラちゃんを見る。
 座ったまま白目むいて気絶してた。


「シェ、シェラちゃあああん!」


 そう言えばポロリンが【セクシーギャル】だって言ってからずっと固まってたな!
 まさか気絶してたとは!
 私とポロリンで揺すって起こす。


「ハッ!」

「「シェラちゃん! 大丈夫!?」」

「おねーさん、ポロリン……そ、そうです! 大丈夫じゃないです!」


 復活したシェラちゃんは立ち上がり、ポロリンの肩に手を乗せ険しい表情で顔を寄せた。


「ポロリン、本当に【セクシーギャル】になったのですか!?」

「う、うん……」

「どうしたの? シェラちゃん……」


 シェラちゃんの様子がどこかおかしい。
 この様子……まさか【セクシーギャル】の事を知っているとか?
 実は未知のジョブじゃなくて昔に居て、それを知ってるとか?
 大人びてて知識豊富なシェラちゃんならばありうる……!


「そんなぁ…………



















  だってポロリン、男の子じゃないですか!」


 …………え?




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

生きるために逃げだした。幸せになりたい。

白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。 2020/9/19 第一章終了 続きが書け次第また連載再開します。 2021/2/14 第二章開幕 2021/2/28 完結

追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─

石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」 貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。 「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」 かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。 ときどき舞い込んでくるトラブル。 慌ててミーナを探しているルカ。 果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。 甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。 *サイトより転載になります。

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

処理中です...