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婚約
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人々が音楽に合わせて踊り、歓談をする中、噂の的である二人は会場に入って来た。
「あ、来ましたわよ!」
長い銀髪を後ろで束ね、グレーの煌びやかな装飾が施された衣服にに身を包み、隣の美丈夫に腰に手を添えられて笑顔をたたえて現れたのはこの国の第三王子であった。
「美しい・・・」
ほぅっと人々はため息をつきつつ見惚れている。
王子は銀色ののまつ毛に彩られたターコイズの瞳を細め、微笑みながら人々の挨拶に手を挙げ応えながら国王が待つ王座まで足を進めていく。
「あの隣の方が王子の婚約者の・・・」
そしてもう一人同じように人々の話題に上がるのが王子の隣にいる美丈夫である。
男は少し長めの黒髪をオールバックにしており、王子よりも顔一つ分背が大きく、スラッとしているがよく鍛えられていることがわかる身体つきをしている。
加えて顔立ちは美しく精悍で目元はハッキリしており、隣の王子と並んでいても遜色ない。緑の瞳は王子を慮るように見つめていた。
「お似合いだわ~。やっぱり、王子はΩなのかしら」
「婚約者の方はあのオーキンス侯爵の御令息でαのラルガ様よ?そうなるとそういうことなんじゃないかしら」
その様子を見る人々は羨ましそうに、しかし以前から皆が気にしていた王子の第二次性についてこそっと噂話をし始めた。
王族の第二次性については貴族を含め、国民に明かされることはないため、以前から人々の噂の的なのである。
そんな二人が王座の前まで辿り着く頃には人々の会話も鎮まり、今日の本題に移ることを察して王座に注目した。
二人は王に最敬礼をすると人々の方に向き直った。
王が立ち上がり、人々はその場に跪く。
「今宵は我が王子の婚約披露に集まってもらい感謝する。我が第三王子、ヨキ・アルスヴァインはラルガ・オーキンスと此度婚約することとなった。二人から挨拶を。」
国王の前振りに二人は再度前へ出た。
「今宵、ラルガと婚約を結ぶこととなった。皆には私たちを祝福してもらえると幸いだ。」
そう言ってヨキ第三王子ははにかみながら隣の美丈夫、ラルガの手を握った。
ラルガは整った顔を緩めることなく、前を見据え
「これからヨキ様をお支えできればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。」
そう言って手を胸に当て、頭を下げた。
その仲睦まじく、王子を支えようという美丈夫の言葉に王子の第二次性はオメガなのだと確信にも似た気持ちを抱く貴族たちであった。
「今宵は二人の祝いの席である。皆存分に祝い、楽しむように。」
国王がそう話を締めくくると再度拍手が巻き起こり、お祝いの言葉を手向に王子たちの元に順番に歩み寄って行く。
「此度は大変おめでとうございます、王子」
「ありがとうございます、ミラー伯爵」
次々に挨拶にくる貴族たちを笑顔で対応していく王子に美丈夫、ラルガは王子を守るように寄り添い同じく笑顔で対応しているのであった。
2時間ほどで披露の場はお開きになり、国王に挨拶したヨキとラルガは王城の一角にあるヨキ王子の部屋へと今宵は帰って行く。
その仲睦まじい姿を使用人たちも微笑ましく見つめていた。
「あ、来ましたわよ!」
長い銀髪を後ろで束ね、グレーの煌びやかな装飾が施された衣服にに身を包み、隣の美丈夫に腰に手を添えられて笑顔をたたえて現れたのはこの国の第三王子であった。
「美しい・・・」
ほぅっと人々はため息をつきつつ見惚れている。
王子は銀色ののまつ毛に彩られたターコイズの瞳を細め、微笑みながら人々の挨拶に手を挙げ応えながら国王が待つ王座まで足を進めていく。
「あの隣の方が王子の婚約者の・・・」
そしてもう一人同じように人々の話題に上がるのが王子の隣にいる美丈夫である。
男は少し長めの黒髪をオールバックにしており、王子よりも顔一つ分背が大きく、スラッとしているがよく鍛えられていることがわかる身体つきをしている。
加えて顔立ちは美しく精悍で目元はハッキリしており、隣の王子と並んでいても遜色ない。緑の瞳は王子を慮るように見つめていた。
「お似合いだわ~。やっぱり、王子はΩなのかしら」
「婚約者の方はあのオーキンス侯爵の御令息でαのラルガ様よ?そうなるとそういうことなんじゃないかしら」
その様子を見る人々は羨ましそうに、しかし以前から皆が気にしていた王子の第二次性についてこそっと噂話をし始めた。
王族の第二次性については貴族を含め、国民に明かされることはないため、以前から人々の噂の的なのである。
そんな二人が王座の前まで辿り着く頃には人々の会話も鎮まり、今日の本題に移ることを察して王座に注目した。
二人は王に最敬礼をすると人々の方に向き直った。
王が立ち上がり、人々はその場に跪く。
「今宵は我が王子の婚約披露に集まってもらい感謝する。我が第三王子、ヨキ・アルスヴァインはラルガ・オーキンスと此度婚約することとなった。二人から挨拶を。」
国王の前振りに二人は再度前へ出た。
「今宵、ラルガと婚約を結ぶこととなった。皆には私たちを祝福してもらえると幸いだ。」
そう言ってヨキ第三王子ははにかみながら隣の美丈夫、ラルガの手を握った。
ラルガは整った顔を緩めることなく、前を見据え
「これからヨキ様をお支えできればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。」
そう言って手を胸に当て、頭を下げた。
その仲睦まじく、王子を支えようという美丈夫の言葉に王子の第二次性はオメガなのだと確信にも似た気持ちを抱く貴族たちであった。
「今宵は二人の祝いの席である。皆存分に祝い、楽しむように。」
国王がそう話を締めくくると再度拍手が巻き起こり、お祝いの言葉を手向に王子たちの元に順番に歩み寄って行く。
「此度は大変おめでとうございます、王子」
「ありがとうございます、ミラー伯爵」
次々に挨拶にくる貴族たちを笑顔で対応していく王子に美丈夫、ラルガは王子を守るように寄り添い同じく笑顔で対応しているのであった。
2時間ほどで披露の場はお開きになり、国王に挨拶したヨキとラルガは王城の一角にあるヨキ王子の部屋へと今宵は帰って行く。
その仲睦まじい姿を使用人たちも微笑ましく見つめていた。
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