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伯爵家
第1話 伯爵家
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部屋を出た後すぐに受付に向かい手続きを済ませるとすぐに目的地に向かった。幸いにも依頼されたアイヴァー伯爵領は魔導馬車で数時間ほどで着くほどの距離だった。魔導馬車は馬の代わりに魔力で動くゴーレムを使った馬車だ。馬と比べると約二倍の速度で走ることができ、休む必要もないのでさらに効率的である。ただ、かなりの速さであるため貴人の移動には向かない。
馬車に乗ってから数時間後無事目的地に着くと思わずため息をつく。これから確実に貴族の厄介ごとに巻き込まれるのが目に見えているとため息をつかずにはいられない。伯爵家と関係のない王家からの依頼、関連性がまるで見えてこない。貴族関係の情報も集めてはいるが深い部分の情報はそうそう得られない。特に迷宮攻略が俺の目標であったので攻略してからは燃え尽き症候群気味であり、精力的に活動していなかった。重たい足を動かし屋敷に向かう。しばらく進むと大きな門が見えてくる。その左右には白銀の甲冑で身を包んだ門番が立っていた。
「ブラッド様ですね。お待ちしておりました。中で主がお待ちしております」
そう言うと門が荘厳な音を立てながらひとりでに開く。おそらく魔道具だろう。俺は堂々と胸を張り通り抜ける。門から屋敷までの道には白亜の石が敷き詰められており、木々は切りそろえられ、道の左右には草原を思わせる庭が広がっている。流石は伯爵家だなと感心しながら進む。ちょうど屋敷にたどり着くと扉が開き赤いドレスを身に纏い緋色の長い髪を結った女性と燕尾服を着こなす白髪の老人が出てきた。
「ようこそ、我が伯爵家へ。私はフランシス・フォン・アイヴァ―と申します。世にも名高い冒険者の方とお会いできて光栄ですわ」
「ブラッド・ヴォルテンと申します。こちらこそお会いできて光栄です」
「早速で申し訳ないですが依頼のお話をしましょう。クロム、案内を」
「では、ご案内いたします。お荷物のほうがございましたらお部屋のほうに運んでおきますが」
「いえ、結構です。嵩張るようなものは持ち歩いていないので」
「承知しました」
一礼するとくるりと身をひるがえし老紳士は先導して歩き出す。目の前には燦然と輝くシャンデリアと二階へ続く大きな階段が見えている。いかにも貴族の屋敷だなと益体のない感想を抱きながら老人の後を追っていると階段の隣の通路に入ってすぐの部屋に通された。アイヴァー夫人と俺は対面するようにソファーに腰かけ老人は夫人の後ろに控えた。
「実は今回の依頼は第一王子の独断なのよ。先月主人が亡くなったことは知っているわよね。亡くなった主人と王子は仲が良くてね、生前主人がよく言っていた娘に最高の教育をってセリフを真に受けてしまわれたらしいの」
「そうでしたか。王家からの依頼の理由がわかり安心しました。期間は今日から一週間ということでしたがよろしいですか」
「ええ、分かっているわ。後であなたが止まる部屋もクロムに案内させます。まずは指導のほうを宜しくお願い致しますね」
「分かっております。このプレートに恥じない成果を上げることをお約束します。それでは早速お嬢様のもとに向かおうと思うのですがどこに居られるのでしょうか」
「そうね。中庭にいると思うけど……クロム案内して差し上げて」
「かしこまりました、奥様」
「では俺様ご案内いたします」
俺もその席を立ち、その背について退出しようとした。しかし、何かを思い出したように振り返り夫人に問いかける。
「不躾な質問なのですが、最近が外出する予定はございますか」
「ええ、ありますよ。ちょうど一週間後に。都合が合えばあなたとご一緒するかもしれませんね」
「それだけ聞ければ十分です。ありがとうございます」
俺は踵を返し、歩を進める。振り返ることはなかったがたぶんいい顔はしていないだろうと思いながら部屋を後にした。
馬車に乗ってから数時間後無事目的地に着くと思わずため息をつく。これから確実に貴族の厄介ごとに巻き込まれるのが目に見えているとため息をつかずにはいられない。伯爵家と関係のない王家からの依頼、関連性がまるで見えてこない。貴族関係の情報も集めてはいるが深い部分の情報はそうそう得られない。特に迷宮攻略が俺の目標であったので攻略してからは燃え尽き症候群気味であり、精力的に活動していなかった。重たい足を動かし屋敷に向かう。しばらく進むと大きな門が見えてくる。その左右には白銀の甲冑で身を包んだ門番が立っていた。
「ブラッド様ですね。お待ちしておりました。中で主がお待ちしております」
そう言うと門が荘厳な音を立てながらひとりでに開く。おそらく魔道具だろう。俺は堂々と胸を張り通り抜ける。門から屋敷までの道には白亜の石が敷き詰められており、木々は切りそろえられ、道の左右には草原を思わせる庭が広がっている。流石は伯爵家だなと感心しながら進む。ちょうど屋敷にたどり着くと扉が開き赤いドレスを身に纏い緋色の長い髪を結った女性と燕尾服を着こなす白髪の老人が出てきた。
「ようこそ、我が伯爵家へ。私はフランシス・フォン・アイヴァ―と申します。世にも名高い冒険者の方とお会いできて光栄ですわ」
「ブラッド・ヴォルテンと申します。こちらこそお会いできて光栄です」
「早速で申し訳ないですが依頼のお話をしましょう。クロム、案内を」
「では、ご案内いたします。お荷物のほうがございましたらお部屋のほうに運んでおきますが」
「いえ、結構です。嵩張るようなものは持ち歩いていないので」
「承知しました」
一礼するとくるりと身をひるがえし老紳士は先導して歩き出す。目の前には燦然と輝くシャンデリアと二階へ続く大きな階段が見えている。いかにも貴族の屋敷だなと益体のない感想を抱きながら老人の後を追っていると階段の隣の通路に入ってすぐの部屋に通された。アイヴァー夫人と俺は対面するようにソファーに腰かけ老人は夫人の後ろに控えた。
「実は今回の依頼は第一王子の独断なのよ。先月主人が亡くなったことは知っているわよね。亡くなった主人と王子は仲が良くてね、生前主人がよく言っていた娘に最高の教育をってセリフを真に受けてしまわれたらしいの」
「そうでしたか。王家からの依頼の理由がわかり安心しました。期間は今日から一週間ということでしたがよろしいですか」
「ええ、分かっているわ。後であなたが止まる部屋もクロムに案内させます。まずは指導のほうを宜しくお願い致しますね」
「分かっております。このプレートに恥じない成果を上げることをお約束します。それでは早速お嬢様のもとに向かおうと思うのですがどこに居られるのでしょうか」
「そうね。中庭にいると思うけど……クロム案内して差し上げて」
「かしこまりました、奥様」
「では俺様ご案内いたします」
俺もその席を立ち、その背について退出しようとした。しかし、何かを思い出したように振り返り夫人に問いかける。
「不躾な質問なのですが、最近が外出する予定はございますか」
「ええ、ありますよ。ちょうど一週間後に。都合が合えばあなたとご一緒するかもしれませんね」
「それだけ聞ければ十分です。ありがとうございます」
俺は踵を返し、歩を進める。振り返ることはなかったがたぶんいい顔はしていないだろうと思いながら部屋を後にした。
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