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十章 運命
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とん、とん、と階段を登る靴音が響く。
敖暁明は、まるで天まで続いているような永月楼の最上階を目指していた。
彼は小二に話しかけるよりも先に、中を捜索することにしたのだ。
──臭いものは上にあると、相場が決まっている。
朱丽を银义と二人きりにしておくのだけは、気がかりだ。しかしわざわざ来たからには、何かを拾って帰らなければならない。
ならばできるだけ早く終わらせようと、敖暁明は速度を上げて階段を上り切る。途端、開けた景色が視界に入った。
高い楼の上から見る街は小さく、人も米粒のようだ。
敖暁明は欄干に肘をつき、外を軽く見渡す。
やや遠くに見える城を見た彼の顔には感情がなく、冷え切った眼差しをしていた。
敖暁明はふと、血の繋がった肉親たちを思い、その日が来たらどうしてくれようかと考える。しかし、突然聴こえた軽い足音に振り向いた。
すると、琴を抱えた若くしなやかな妓女が一人立っていた。
彼女の横に広い平行二重の瞳は色気があり、粉色の唇はふっくらとしている。
「本日のお客様……でしょうか?遅れてしまい申し訳ありません。わたくしは凌玉と申します」
敖暁明は薄く微笑んだ妓女を前に、面倒だな、と思わずにいられない。目の前の人間は所謂美人なのだろうが、彼は全く興味がなかった。
──知らないふりをしようか。いや、妓楼に来ている客が妓女を前にして素通りするなど、怪しまれるか。
しかも、この妓女の服装といい随分と金がかかっていそうだ。永月楼の稼ぎ頭か? ということは、彼女は朱丽が指名した妓女の筈だ。何故ここに居る?
敖暁明はほんの僅かな間に多くのことを考え、すぐに他所行きの笑みを貼り付ける。
「少し気分が悪くなって。部屋を出てきたんだ」
朱丽のことが気になりつつも、彼は様子を伺うことにした。
若く美しい客に凌玉も警戒を緩めたのか、柔らかい表情を浮かべる。
「そうでございましたか。では、そちらの卓にお掛けください。わたくしでよろしければお相手を。一曲弾かせて頂けませんか?」
・・・
「あなたに会えないかと思った。永月楼には初めて来たから」
静かな廊下に、繊細な琴の音が響く。
適当に話を合わせて口を開いた敖暁明に、凌玉は口元を隠して可憐に笑った。
「ご冗談を。ここには様々な身分の方がいらっしゃいますから」
──つまり金さえ払えば、一見でも売れてる妓女を呼べる下品な妓楼というわけだ。これは朱丽も相当積んだな……ということは、背後の部屋に朱丽が居るのかもしれない。
敖暁明は内心では、本当にくだらない場所だと一蹴し、目の前の凌玉を密かに観察する。
「確かに。これだけ美しい妓女が居れば、貴い方もくるだろう」
すると一瞬、凌玉の白い指先が僅かに弦に触れた──まるで、動揺したかのように。
敖暁明は確信した。
やはり、この女は何か情報を持っている。
こういう性質の人間は普段ぼろを出さない筈だが……少し焦っているのか?
「公子も、貴い身分のお方でしょう。ふふ、どうかわたくしめを揶揄わないでくださいませ」
敖暁明は否定も肯定もせず、黙って笑うに留めた。
目の前の魚を、逃すわけにはいかない。凌玉は何かの事情で焦っている。ならば、口を開くのもそう遠くないだろう。
それにいい加減、朱丽を探さなくてはならない。何故朱丽が呼んだであろう凌玉がここにいるのか、気になって仕方がないからだ。
敖暁明は余計なことは言わず、腹の黒さをひた隠しにして、好青年が浮かべる正しい笑顔を彼女に見せた。
「演奏ありがとう。私はそろそろ出るよ」
敖暁明が椅子から立ち上がり、凌玉に背を向けた時、彼女が声を上げた。
「公子!」
「うん?」
「その……」
凌玉は声をかけたものの逡巡しているのか、僅かに口籠る。
敖暁明は根気強く、暫くの間黙っていた。
そして彼女が再び口を開き、言葉を発すより先に、背後の部屋からどんっと低い音が響いた。
敖暁明はちらりと部屋の入り口を見やり、凌玉に目線を戻す。
「連れの様子を見てくるから、気にしないで。また会いに来る」
「いえっ公子、今夜会えませんか」
ぐっと琴を抱いた凌玉は、何か覚悟を決めたらしい。
今度は敖暁明が焦る気持ちを抑え、頷いた。
「わかった。今夜また」
階段を降りていく凌玉を見送り、敖暁明は素早く部屋の扉を開け放つ。
慌ただしく中に入り、真っ赤な牀から白い裸足が垂れ下がっていることに気づいた。
敖暁明の顔から色が失せ、走り寄った牀の天蓋を引き裂く勢いで開く。
焦る彼の視界に入ってきたのは、気を失った朱丽の上に跨る若い妓女だった。
彼女は朱丽の襟を乱し、剥き出しの胸元に唇を寄せている。
微かに漂う甘ったるい匂いに、全てを察した敖暁明は噴き出しそうになる殺意を堪え、女を突き飛ばした。
「出て行け!」
楼の下に落とす勢いで童顔の妓女を追い出し、扉を閉める。
「朱丽!」
彼は周りを見渡し香炉を探すが、それらしき物はない。恐らく、ここに居ない银义が処理したのだろう。
敖暁明は懐から二つ買った香の内、白い方を取り出した。それは唯一、催淫香を鎮めることができる、謂わば解毒薬になる対の静心香だ。
小さな香炉も取り出し、中に灰と粉を入れる。火を灯しやっと一息ついたところで、背後から白い手が伸び──敖暁明は牀に引き摺り込まれた。
暗い天蓋の中。
敖暁明はぼんやりと面をつけた男を見つめ、掠れた声で名を呼ぶ。
「朱丽……?」
朱丽の外衣は牀の上に落ち、肌蹴た中衣の隙間から汗ばんだ胸元が顕になっている。しっとりとした肌に生地が張り付き、桃色の突起が薄く透けていた。
押し倒された敖暁明は喉を鳴らし、折れてしまいそうな程細い腰に目を遣る。
その間に白い手首がゆっくりと近づいてきたのに気づき、息を呑んだ。
香草の匂いが鼻腔を突き、敖暁明の握り締めた手も汗ばむ。
腿の上に跨った朱丽の手が、いやらしく彼の肌の上を滑った。
敖暁明はぞくぞくとした刺激が尾骶骨に走り、軽く腰を揺らす。下肢が朱丽の臀部と擦れ、硬くなり始めていた。
長い指が淫らに頬をなぞり、顎を撫で、首をたどる。
そして突然、朱丽は敖暁明の首を締め上げた。
「っ!……はッ、っ」
恐ろしく強い力に、一瞬で気道が締まる。
ひゅっと喉が鳴り、反射的に敖暁明の足が跳ねた。彼は朦朧とする意識の中、膝で朱丽の脇腹を押し上げ、朱丽と上下入れ替わる。
上背のある男二人が絡れ合い、牀が激しく軋んだ。
朱丽は押し倒されたにも関わらず、素早く敖暁明の右手首を掴む。
途端、彼の手首に木が折れたような衝撃が走り、痛みに顔を歪めた。
「──ゔッ!」
二回目だ。
朱丽に骨を折られるのは。
敖暁明は瞬く間に利き手を折られ、嘆きたいところだったが気にしている余裕はない。
再び伸びてきた馬鹿力な手を左手で振り払った時、指が朱丽の面に当たった。
甲高い音を立てて、面が床に落ちる。
敖暁明は杏眼を見開き、息を呑んだ。
面の下から現れたのは、傾国と呼ばれても決して間違いではない。恐ろしく美しい人──その額に描かれている花鈿は紛れもなく、幼い頃の恩人と同じ図案だった。
敖暁明の鼓動が騒ぎ、一瞬で体が暑くなる。
──運命だ。
いや、そんな言葉では言い表せない。
私は元から、朱丽を知っていた。
この美しい人を。
朱丽の桃花眼は目尻が下がっている為、輪をかけて艶めかしい。その上、内包されている瞳は濡れたように潤んでいる。しかし垂れ目とは対照的に釣り上がった眉が、抜き身の剣のように危うい雰囲気を漂わせていた。
美しく、鋭く、危険で、人を惹きつけてやまない。
そして敖暁明は花に群がる蝶のように。朱丽の鮮やかな唇に吸い寄せられた。
──齧って、食べて、腹の中に飲み込んでしまいたい。
次の瞬間、ぼんやりとしていた朱丽は驚きに目を見開いた。
顔に敖暁明の影が落ち、唇が熱い何かに塞がれる。濡れた軟体が歯列の隙間に滑り込み、舌が絡め取られた。
男の腰を押し付けられた下腹部が跳ね、指先が敷布を引っ掻く。
朱丽の細腰が、びくびくと前後に踊る。
敖暁明は興奮に息を荒げ、中衣越しに下肢を擦り付けた。
敖暁明は、まるで天まで続いているような永月楼の最上階を目指していた。
彼は小二に話しかけるよりも先に、中を捜索することにしたのだ。
──臭いものは上にあると、相場が決まっている。
朱丽を银义と二人きりにしておくのだけは、気がかりだ。しかしわざわざ来たからには、何かを拾って帰らなければならない。
ならばできるだけ早く終わらせようと、敖暁明は速度を上げて階段を上り切る。途端、開けた景色が視界に入った。
高い楼の上から見る街は小さく、人も米粒のようだ。
敖暁明は欄干に肘をつき、外を軽く見渡す。
やや遠くに見える城を見た彼の顔には感情がなく、冷え切った眼差しをしていた。
敖暁明はふと、血の繋がった肉親たちを思い、その日が来たらどうしてくれようかと考える。しかし、突然聴こえた軽い足音に振り向いた。
すると、琴を抱えた若くしなやかな妓女が一人立っていた。
彼女の横に広い平行二重の瞳は色気があり、粉色の唇はふっくらとしている。
「本日のお客様……でしょうか?遅れてしまい申し訳ありません。わたくしは凌玉と申します」
敖暁明は薄く微笑んだ妓女を前に、面倒だな、と思わずにいられない。目の前の人間は所謂美人なのだろうが、彼は全く興味がなかった。
──知らないふりをしようか。いや、妓楼に来ている客が妓女を前にして素通りするなど、怪しまれるか。
しかも、この妓女の服装といい随分と金がかかっていそうだ。永月楼の稼ぎ頭か? ということは、彼女は朱丽が指名した妓女の筈だ。何故ここに居る?
敖暁明はほんの僅かな間に多くのことを考え、すぐに他所行きの笑みを貼り付ける。
「少し気分が悪くなって。部屋を出てきたんだ」
朱丽のことが気になりつつも、彼は様子を伺うことにした。
若く美しい客に凌玉も警戒を緩めたのか、柔らかい表情を浮かべる。
「そうでございましたか。では、そちらの卓にお掛けください。わたくしでよろしければお相手を。一曲弾かせて頂けませんか?」
・・・
「あなたに会えないかと思った。永月楼には初めて来たから」
静かな廊下に、繊細な琴の音が響く。
適当に話を合わせて口を開いた敖暁明に、凌玉は口元を隠して可憐に笑った。
「ご冗談を。ここには様々な身分の方がいらっしゃいますから」
──つまり金さえ払えば、一見でも売れてる妓女を呼べる下品な妓楼というわけだ。これは朱丽も相当積んだな……ということは、背後の部屋に朱丽が居るのかもしれない。
敖暁明は内心では、本当にくだらない場所だと一蹴し、目の前の凌玉を密かに観察する。
「確かに。これだけ美しい妓女が居れば、貴い方もくるだろう」
すると一瞬、凌玉の白い指先が僅かに弦に触れた──まるで、動揺したかのように。
敖暁明は確信した。
やはり、この女は何か情報を持っている。
こういう性質の人間は普段ぼろを出さない筈だが……少し焦っているのか?
「公子も、貴い身分のお方でしょう。ふふ、どうかわたくしめを揶揄わないでくださいませ」
敖暁明は否定も肯定もせず、黙って笑うに留めた。
目の前の魚を、逃すわけにはいかない。凌玉は何かの事情で焦っている。ならば、口を開くのもそう遠くないだろう。
それにいい加減、朱丽を探さなくてはならない。何故朱丽が呼んだであろう凌玉がここにいるのか、気になって仕方がないからだ。
敖暁明は余計なことは言わず、腹の黒さをひた隠しにして、好青年が浮かべる正しい笑顔を彼女に見せた。
「演奏ありがとう。私はそろそろ出るよ」
敖暁明が椅子から立ち上がり、凌玉に背を向けた時、彼女が声を上げた。
「公子!」
「うん?」
「その……」
凌玉は声をかけたものの逡巡しているのか、僅かに口籠る。
敖暁明は根気強く、暫くの間黙っていた。
そして彼女が再び口を開き、言葉を発すより先に、背後の部屋からどんっと低い音が響いた。
敖暁明はちらりと部屋の入り口を見やり、凌玉に目線を戻す。
「連れの様子を見てくるから、気にしないで。また会いに来る」
「いえっ公子、今夜会えませんか」
ぐっと琴を抱いた凌玉は、何か覚悟を決めたらしい。
今度は敖暁明が焦る気持ちを抑え、頷いた。
「わかった。今夜また」
階段を降りていく凌玉を見送り、敖暁明は素早く部屋の扉を開け放つ。
慌ただしく中に入り、真っ赤な牀から白い裸足が垂れ下がっていることに気づいた。
敖暁明の顔から色が失せ、走り寄った牀の天蓋を引き裂く勢いで開く。
焦る彼の視界に入ってきたのは、気を失った朱丽の上に跨る若い妓女だった。
彼女は朱丽の襟を乱し、剥き出しの胸元に唇を寄せている。
微かに漂う甘ったるい匂いに、全てを察した敖暁明は噴き出しそうになる殺意を堪え、女を突き飛ばした。
「出て行け!」
楼の下に落とす勢いで童顔の妓女を追い出し、扉を閉める。
「朱丽!」
彼は周りを見渡し香炉を探すが、それらしき物はない。恐らく、ここに居ない银义が処理したのだろう。
敖暁明は懐から二つ買った香の内、白い方を取り出した。それは唯一、催淫香を鎮めることができる、謂わば解毒薬になる対の静心香だ。
小さな香炉も取り出し、中に灰と粉を入れる。火を灯しやっと一息ついたところで、背後から白い手が伸び──敖暁明は牀に引き摺り込まれた。
暗い天蓋の中。
敖暁明はぼんやりと面をつけた男を見つめ、掠れた声で名を呼ぶ。
「朱丽……?」
朱丽の外衣は牀の上に落ち、肌蹴た中衣の隙間から汗ばんだ胸元が顕になっている。しっとりとした肌に生地が張り付き、桃色の突起が薄く透けていた。
押し倒された敖暁明は喉を鳴らし、折れてしまいそうな程細い腰に目を遣る。
その間に白い手首がゆっくりと近づいてきたのに気づき、息を呑んだ。
香草の匂いが鼻腔を突き、敖暁明の握り締めた手も汗ばむ。
腿の上に跨った朱丽の手が、いやらしく彼の肌の上を滑った。
敖暁明はぞくぞくとした刺激が尾骶骨に走り、軽く腰を揺らす。下肢が朱丽の臀部と擦れ、硬くなり始めていた。
長い指が淫らに頬をなぞり、顎を撫で、首をたどる。
そして突然、朱丽は敖暁明の首を締め上げた。
「っ!……はッ、っ」
恐ろしく強い力に、一瞬で気道が締まる。
ひゅっと喉が鳴り、反射的に敖暁明の足が跳ねた。彼は朦朧とする意識の中、膝で朱丽の脇腹を押し上げ、朱丽と上下入れ替わる。
上背のある男二人が絡れ合い、牀が激しく軋んだ。
朱丽は押し倒されたにも関わらず、素早く敖暁明の右手首を掴む。
途端、彼の手首に木が折れたような衝撃が走り、痛みに顔を歪めた。
「──ゔッ!」
二回目だ。
朱丽に骨を折られるのは。
敖暁明は瞬く間に利き手を折られ、嘆きたいところだったが気にしている余裕はない。
再び伸びてきた馬鹿力な手を左手で振り払った時、指が朱丽の面に当たった。
甲高い音を立てて、面が床に落ちる。
敖暁明は杏眼を見開き、息を呑んだ。
面の下から現れたのは、傾国と呼ばれても決して間違いではない。恐ろしく美しい人──その額に描かれている花鈿は紛れもなく、幼い頃の恩人と同じ図案だった。
敖暁明の鼓動が騒ぎ、一瞬で体が暑くなる。
──運命だ。
いや、そんな言葉では言い表せない。
私は元から、朱丽を知っていた。
この美しい人を。
朱丽の桃花眼は目尻が下がっている為、輪をかけて艶めかしい。その上、内包されている瞳は濡れたように潤んでいる。しかし垂れ目とは対照的に釣り上がった眉が、抜き身の剣のように危うい雰囲気を漂わせていた。
美しく、鋭く、危険で、人を惹きつけてやまない。
そして敖暁明は花に群がる蝶のように。朱丽の鮮やかな唇に吸い寄せられた。
──齧って、食べて、腹の中に飲み込んでしまいたい。
次の瞬間、ぼんやりとしていた朱丽は驚きに目を見開いた。
顔に敖暁明の影が落ち、唇が熱い何かに塞がれる。濡れた軟体が歯列の隙間に滑り込み、舌が絡め取られた。
男の腰を押し付けられた下腹部が跳ね、指先が敷布を引っ掻く。
朱丽の細腰が、びくびくと前後に踊る。
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